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視線の気づき 細部の記述が全体性を失わせる

先日ロンドンのナショナルギャラリーへ行く機会がありました。そこでモネの絵を眺めていて、改めて、空気を描いているのだなあと思いました。離れて眺めた時に、全体の空気感が見えてくる。(上記の画像も、ぜひ2メートルくらい離れて眺めてみてくださいね)

友人に福津宣人という画家がいるのですが、彼と話をしていて、こんな気づきをもらっていました。「細部の描写をすると全体の空気感が失われる」そのため、彼は毛筆を使わず、木の実やスポンジの破片など細部を描くには不向きなものをあえて筆として描いています。

言語隠蔽効果というものがあります。人の顔の記憶に関するもので、言葉で顔を表現しようとすることで、記憶の精度が落ちるというものです。

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/57395/1/eda047_403.pdf

来るべき未来を具現化するための事業を考えたり、そもそもの問いを設定しようと状況を把握する際に、ディテールに入り込むのではなく、全体を捉えることの大切さもまたあるのだと、改めて思いました。その全体性をとらえるための細やかな視線があるのだと。

こうした異なる視座を得ることの価値はとても大きいと改めて思いました。

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