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日本経済新聞社、2024年上期の日経MJヒット商品番付に学び、「ヒット」の定義の変化


2024年上期のヒット商品番付が発表されましたよ!

多くの人に商品やサービスを提供しているマーケターが注目するデータの一つに、日経MJヒット商品番付があります。その2024年上期のヒット商品番付が、公開されました。

あなたの関与した商品・サービスはランクインしていますか?まぁ、そんなことは、滅多にない話でしょう。

視点を変えて、これらの商品・サービスを購入する生活者、消費者の視点で眺めてみましょう。そして、「あなたは、ヒット商品番付に出てくるものいくつ知っていますか?」という質問をさせてください。

2024年上期(1〜6月)の日経MJヒット商品番付

私の恥を承知で、上記の日経MJヒット商品番付に出ている商品・サービスなどの名前を、知っている、知らないで分けると、知っているもの21個、知らないもの21個。つまり、50%のものしか知りませんでした。

皆さんは、どうですか?

さらに、これは「ヒット商品」なので、この中で、買った、使った、言ったなどのものは、なんと2個でした。うーん、この文章だけを見ると、私は何も買えない、生活弱者のようにも思えます。

2014年のヒット商品番付は?

では、10年前のヒット商品番付と、私の関係を整理してみましょう。日本経済新聞のデジタル版には古い記事もあるので、このような時は便利ですね。


2014年の日経MJヒット商品番付

奇遇にも、この10年前にも「NISA」が入っていたのですね。

そして、2014年のヒット商品番付の知っている、知らないを数えてみましょう。本当は、この調査を2014年にやらないといけないのですが、まぁ、簡易調査ということで許してください。すると、知らないのは一つだけでした。

そして、購入や行動したものは、同じく2つでした。

まぁ、この数値がどれだけの意味があるかは不明ですが、この記事を読んでいる多くの方が、2014年と、2024年のヒット商品番付を比べて、2024年よりも、2014年の方が知っている商品・サービス、購入・体験した商品・サービスが多いと思うのではないでしょうか?

2つだけでは、不安なので、2001年から2009年までのヒット商品番付も整理されているので、参考にしてみてください。

私の商品・サービスの認知率や、購入・体験率は、やや昔のヒット商品番付の方が高く感じます。

多様な生活とヒット商品の矛盾

ヒット商品番付から、話題を離れ、少し一般的な話をしましょう。

マーケティングでは、「ターゲティング」という用語が一般的になりました。誰がお客様になるのかを、明確にして、商品設計、マーケティング・コミュニケーション、商品流通を設計することです。

例えば、以前では、マーケティングの会議で、「20歳代女性が、この商品のお客様ターゲットです」という文章は、何も問題のある文章ではありませでした。

しかし、2024年のマーケティング会議で、この文章を発言したら、その会議の出席者から、「で、20歳代女性の中の誰がターゲット?」と追加質問されるでしょう。

この背景にあるのは、今は20歳代女性といっても、全員一緒ではなく、それぞれの生活、興味、暮らしの意味が異なるのです。

そして、今は多様性をお互いに認め合う時代になりました。これは、マーケティング的には、求められている商品・サービスも多様になったことを意味します。

そうです。今のヒット商品は、「あるグループ、あるターゲットの中のヒット商品」であって、「全員のヒット商品」ではないのです。

フィールドワークのお勧め

これを体感するために、お勧めのフィールドワークがあります。みなさんのまわりに新入社員はいませんか。そして、その中に4月から、一人暮らしを始めたフレッシャーズはいませんか?もしいたら、その人に以下の質問をしてみてください。

「一人暮らしで、最初に買った家電って何?」と聞いてみるのです。おそらく、答えがバラバラなはずです。それは、一人暮らしのために実家から持ってきたものが、個人ごとに異なる以外に、そもそも一人暮らしで充実させたいことも、個人ごとに異なるのです。

ちなみに、1992年の私は、新入社員で寮に入り、最初に買ったのは、「炊飯器、冷蔵庫、電気ポット」でした。そう、「食べる」が重要なテーマだったのですね。

さぁ、会社の同僚と「ヒット商品番付」で雑談しましょう

これからも、「ヒット商品」という言葉は残るでしょう。でも、これからは重要なのは、「誰のヒット商品か」ということです。もし、会社で雑談の時間があれば、このヒット商品番付をネタに、この商品知っている?買った?と雑談してみましょう。

だれが、どの商品のターゲットなのかを理解できるし、自分が知らないその商品の価値を知ることもできますよ。

もし良ければ、サポートをお願いします。今後の執筆のための、調査費用などに、有効に活用して、記事としてお戻しします。