ドラギ総裁はしくじった模様

ECB政策理事会(6月8日分)の議事要旨が公表されました。ヘッドラインとしてはQEに係るフォワードガイダンス(FG)文言削除が検討されたとありますが、正確には「revisit(再検討)」が提案された結果、却下されるという議論の流れになった模様です(removeしようとした、とは書いていない)。

それよりも今回、私が気になったのは「僅かで漸次的なコミュニケーションの変化であっても、政策方向がより根本的に変化したサインとして誤解されかねないという警戒も共有された」という部分です。この約20日後に行われたドラギ総裁講演がユーロ圏ばかりか、米国、日本にまで金利上昇をもたらす大事(おおごと)に至りました。実はこの会合で決定された金利FG削除についても「あくまで当面は利下げがなさそうということであって、将来にわたって排除するものではないので注意」のようなことが書いてあります。「引き締め過ぎについて誤解をまねかないように気をつけていこう」と問題共有した矢先にあの講演ですから、ドラギ総裁はしくじったとしか言いようがないです。7月は反省の上、ハト派に振れるか注目です。

https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-minutes-idJPKBN19R26N

https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-minutes-idJPKBN19R26N

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