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ライブのお作法が育成・伝承されない時代に

最近、音楽も映像もサブスク系のストリーミング(配信)ばかりだったのですが、久しぶりに円盤(ディスク)を買う機会が続いています。

1つは、中学〜高校生の頃から聞いているTM Network。(この期に及んで未公開や新録音源があるなんて、おっさんホイホイでしかない。)

そして、もう1つは、YOASOBI初の映像作品。THE FILM。

どちらも、オンライン配信では提供されず、円盤(CDやBlu-ray)での発売のみでした。打ち込み音楽で育ってきた小生ですが、頭からつま先まで、生サウンドの音圧に囲まれる心地よさを小ライブハウスや大型ホールで、若い頃から体験しているので、イヤフォンやヘッドフォンの耳元音源だけでは、完全には満たされないです。(ちなみに2020年2月25日、東京ドームPerfume 2days の初日がこの数年最後のライブ経験となっていました。2daysの2日目は、行政要請により中止になっていました。)

徐々に公演が再開され、YOASOBIは、初の有観客ライブが武道館、というプレミアム公演となりました。

その公演が収録されたディスクを観て(聴いて)、冒頭、驚いたことがありました。

おそらく「歓声を上げてはいけない(発声禁止)ライブ」ということが、運営から徹底周知されていた結果の影響(拡大解釈)なのか、観客は「立っちゃいけなんだな」と解釈され、ライブ本編が始まっても「立ち上がらなかった観客が多かった」。Ayaseさんは、そのように会場に声をかけたのだと思います(推測)。

これは、なかなかな時代がやってきたなぁ、と。

はじめからオールスタンディングな会場であれば、杞憂な点ですが、武道館のような箱だと当然座席があります。代々木も、東京ドームも、横浜アリーナも席はあります。旧来までは、参加者個人にとっても初ライブでも、周囲の諸先輩参加者の行動から、「立っていいんだ」と察することができるのですが、初の「有観客ライブ」を迎えるのはアーティストだけでなく、「観客側」も「初」な方々が多いと、上記のようなことが起きるのだな、と。

これは「スタンディング」はまだしも、発声することによる観客参加型の「コール&レスポンス」や「掛け声(合いの手)」などの「文化・カルチャーの空白期」がこの2年に起きてしまっているのです。
実際、「THE FILM」の作品内では「アンコール」は、観客の「手拍子のみ」となっています。「アンコール!アンコール!アンコール!」という発声行為が禁止事項になっている結果かと思います。

そんななか、「ライブ観客お作法の育成」という面において、コロナ禍以前のライブ盤コンテンツは、教科書的な役割を果たすことになると思います。

サカナクション、B'zのライブ行きたい。

ちなみに先月、友人のライブで生音に囲まれてきました。めっちゃひさしぶり。

五感で、音楽を感じる。聴覚以外の感覚でも。
これは、現時点のメタバースでは再現不可能な点です。
僕は、イヤフォン・ヘッドフォンにも投資をしている方ですが、やっぱり肌でも音を感じたい派です。(触覚、嗅覚は本編で。味覚はライブ前後のご飯で。)

数的なイベント制限のなくなった時代。今後は、声出しカルチャーも復権する時代を待ち望みます。


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