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あなたはいつがんになる?

みなさんはタイトルをみて、どう感じますか?私は小さいころ、がんの闘病生活をテーマにしたテレビドラマを見た時、ものすごく怖い病気だな、もし自分ががんになってしまったら、そのときすでに手遅れだったとしたら・・・とあれこれ考え込んで、どんより暗い気持ちになったことがあります。日本人は、一生のうちに2人に1人はなんらかのがんにかかると言われています。身近な病気であるけれど、もしかかってしまったら自分や周りの人の生活はどうなるんだろう。そんな不安をかき立てる病気だと思います。

病気になることも含め、先のことはどうなるかわからない。それは当たり前のことです。

でも、もしかしたら「がん」に限ってはその当たり前が、覆されるのかもしれません。

日経電子版の連載「Disruption 断絶の先に」、新シリーズ「未知を追いかけて」。初回は「未来を変える医療」です。

がんは「予防する」時代に?

あなたが10年以内にがんを発症する確率は80%です――。将来、医師からこんな具体的な宣告を受け、予防に励む日が来るかもしれない。(記事より引用)

がん怖いどうしよう、とおびえていた幼い自分に教えてあげたいです。こんな画期的な医療を可能にするかもしれないのが、DNAに刻まれたゲノム(遺伝情報)解析です。がんは遺伝子の変異によって起こりますが、DNAのうち遺伝子の部分は1~2%。遺伝子以外の領域はゲノムのダークマターと呼ばれる未知の領域です。将来、この領域の解析が進めば、がんが発症する具体的なメカニズムを解き明かし、今は健康な人でも「いつがんが発症するのか」を高い精度で予測できる、ということにつながります。

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記事中ではゲノム解読のデータを予防医療の発展に生かそうとする国立がん研究センター研究所や、日本人のゲノム解析研究の先頭を走る東北大学の取り組み、ゲノム解析の発達に伴う個人情報管理の課題など社会への影響を含め、ゲノム解析が医療もたらす未来について紹介しています。

DNAが語る未来

「未来はDNAで決まっている」と言われると運命論的な諦めの気持ちになってしまいがちですが、私はDNAにはまだ私たちが知らない「未来」への無限の情報が詰まっているのかもしれないと考えました。なんだかロマンを感じます。最後に、印象的だった記事の中の一節をご紹介します。

東北大の木下賢吾教授は「遺伝子の変異は誰でも起きる。人間の多様性を示すものだ」と語る。

最初から決まっているのではなくて、環境や行動によって人の未来もまた変化しうるもの。人も遺伝子も、自由に創造と変化を繰り返しながら存在しているのかもしれないですね。

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先端技術から生まれた新サービスが既存の枠組みを壊すディスラプション(創造的破壊)。従来の延長線上ではなく、不連続な変化が起きつつある現場を取材し、経済や社会、暮らしに及ぼす影響を探ります。

(日本経済新聞社デジタル編成ユニット 佐藤亜美)