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大手広告代理店に就職する意義は何だろうか?

めがねシャチョウです。
今日は、大学生や若手社会人の方向けに提言します。

広告代理店への就職意義を見つめなおさなければならない時期に来ている、という内容です。

(1) 電通 vs サイバーエージェント

直近、5月20日ですね、広告代理店の業界で歴史的な出来事がありました。

サイバーエージェント(東証一部、藤田晋代表)の時価総額が、終値ベースで電通を初めて上回った日です。 サイバーエージェントの6,713億円に対して電通は6,670億円でした。


電通は、学生の皆さんなら誰もが知るであろう、広告業界の巨人と言えます。
サイバーエージェントはネット広告大手です。

広告業界は2019年にネットでの広告市場が2兆円を突破しました。かたや、テレビ広告市場は、1.8兆円規模まで縮小し、逆転してしまっています。

電通の売上の大半は、広告であるのに対し、サイバーエージェントの場合は、半分強ですから、単純比較はできないのですが、特に海外売上比率が高く、コロナショックで業績に悪影響を受けている電通、かたや、サイバーエージェントはゲーム事業も好調でネット広告市場の拡大という追い風を受けて、時価総額が逆転しました。

これは、デジタル化の象徴的な出来事と言えるんじゃないでしょうか。

何が言いたかった、というと、大手広告代理店が主に取り扱うようなテレビCMのようなマス広告の市場は縮小している、ということで、縮小産業に入社することはそもそも将来よろしくないよ、ということを言いたいわけです。

(2) 代理業の消滅

広告の概念も変化していると言えます。具体的には、GoogleやFacebookなどのシェアが高まり代理業はそもそも淘汰されていくと言えます。

昔と違って、GoogleとかFacebookなどの新しい広告プラットフォームに、企業側、広告主ですね、広告主が直接広告を打つようになってきてるんですよね。新しい広告プラットフォームでは、昔のように、代理店に頼んで広告枠を買い付けてもらう、というのではなく、もう広告枠を直接、企業が買い付けるわけです。

また、広告に詳しくない初心者でも、GoogleやFacebook上でも簡単に広告を打てるように、操作もここ数年で劇的に簡単になりました。

今後、企業側と広告プラットフォーム、すなわち、TVCMなどのマス媒体もそうですし、Google, Facebookなどのデジタル媒体もそうですが、直接つながっていくようになっていきます。

TVCMの代理業に関しても、ラクスル、という新興のネット企業が参画してきており、日進月歩で、より簡単に出稿できるようになってきています。

何が言いたいかというと、電通、博報堂、のような高コストの代理店は、今後商売が厳しくなってくるんじゃないか、と思っています。

これからの時代は、広告代理店に限らず、間に入って、マージンを稼ぐような代理業は流行らなくなってきますね。

(3) 華やかなイメージもなくなる

なんか、電通とか博報堂とか含めて広告代理店に対して華やかなイメージを持っている人多いんじゃないでしょうか。それはなぜかというと、芸能人とかアナウンサーとかと近い関係になったり、事実、有名な女子アナウンサーとかも電通の社員と付き合ってる、とかも過去あったと思います。

合コンでももてたかもしれませんが、やっぱり業界自体が今後縮小していきますから、10年ぐらいたてば、合コンとかでももてなくなると思います。

何よりも、これからのご時世、働き方は自由になるかもしれませんが、終身雇用の時代のよに会社は守ってくれませんから、華やかさとかイメージではなく、ちゃんとスキルのつく仕事をしたほうがいいです。

電通や博報堂のような広告代理店は力がつくのでしょうか?

(4) それでも入るメリットはあるのか?

ここまで、広告代理店はやめたほうがいい、というトーンで話してきましたが、それでもメリットがないわけではありません。

広告代理店で働くメリットは何でしょうか?力はつくのでしょうか?

メリットを一つあげると、まず、激務であることですね。近年の働き方改革のおかげで、悪い意味で、一生懸命働きづらくなってきました。

めがねシャチョウは新卒で外資系投資銀行に入社しましたが、やっぱり激務で徹夜続きでした。

やるべきことは、徹夜してでも終わらせる、こういう激しい環境で若いうちに働けたことで、結果的に、自分の仕事に対する職業倫理のようなものが培われました。

電通や博報堂のような広告代理店も仕事に対しての要求水準が非常に厳しいと言われてますし、優秀な人材が集まっている印象はあります。

僕は、ブラックな環境で一生懸命働け、と言っているわけではなく、そうやって、がむしゃらに働くことが自分の強みである、他の人より仕事を頑張りたい、という一部の人にとっては、他の人と差をつけられるような環境、というわけです。

楽な環境というかみんながみんな定時であがらないといけない環境であれば、周りと差をつけづらいですが、際限なく仕事ができる環境であれば、周りに差をつけやすくなる、ということです。

2つ目が営業ですね。

なんだかんだいって、電通や博報堂のような会社で働く営業マンの営業力は傑出したものがあります。

事実、めがねシャチョウの大学時代、体育会をやっていた時の先輩でも、電通に入社された方多いですが、皆さん今も活躍されています。体育会時代に培った良い意味での気合いに、営業力がうまくはまった感じなんじゃないでしょか。

その後、実家のあとを継いで、経営者として活躍されている先輩もいらっしゃいます。

興味のある方は、電通鬼十則、という本を読んでみてください。

昨今、過酷な労働が問題になって、徐々に、働き方も緩やかになってきているかもしれませんが、今でも、この本に書いてあるような厳しい精神は電通には残っているのではないでしょうか。

あと、大きい会社ですので、やはりテレビでも目にするような大きい仕事ができるのは確かにあるでしょうね。TVCMであり、キャンペーンであり、みんなが分かるような大規模な仕事ができるでしょう。そりゃ、一部上場企業など予算がたくさんある大企業の仕事を請け負うことができます。

世の中を騒がせるような広告キャンペーンに携わることができる、素晴らしいし、あなたの承認欲求を満たしてくれるでしょうし、飲み会などでも俺すごいやろ、とどやることができるかもしれません。

ただ、めがねシャチョウも外資系証券会社で、ニュースになるような案件やらせていただきましたが、大きい案件を若いときから経験できます、という会社は裏を返せば、若いときは、大きい案件の雑用をしてください、ということなんですよね。

案件が大きい、ということは、若手がやれる範囲は限られている、ということです。

今までのように、有名企業に在籍してれば、有名な案件に関われば転職市場でも評価された時代であればいいかもしれませんが、今は、会社名よりスキルの時代ですからね。会社名なんて何もないフリーランスの人たちが、実力だけで戦える時代なんです。

だから、僕は逆に、若いときから案件は小さくても、色々任せてもらえるもっと中小規模の会社、できれば、急成長しているベンチャー企業のほうが成長できるとおもうんですけどね。

否定的な意見もいいましたが、それでもメリットもあると思います。皆さんよく考えて就職活動されてください。

以上、めがねシャチョウでした。


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