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魂を金型でおろすように全力で創作活動に打ち込み、中年の危機に立ち向かう

30代半ば以降に人を襲う、人生このままでいいのかという迷いを米国などでミッドライフ・クライシス(中年の危機)と呼ぶ。順風満帆の人も揺らぐ年齢。

やせ蛙 負けるな


40歳。何がめでたい。すっかりメンタルは「中年の危機」である。

38歳を過ぎた頃から創作意欲が下降気味で、noteの更新も感覚が開くようになってきました。吐くほど仕事が忙しく、インプットの量も減っていることは要因の1つではあるのですが、それ以上に「アウトプットが楽しい!」と思う機会が減っているのが最大の要因でしょう。

なぜなら、今までのような魂を金型でおろすような創作活動ができなくなっているから。机の前に座り込んで、1時間2時間集中して文章を書き続けられる「集中力」が無くなりました。特に24年の元旦から新型コロナに感染して臥せてしまい、ブレインフォグの症状に苦しんでいるのも遠因です。

とにかく「ワクワク」しないのです。書籍にしろ、noteにしろ、惰性というか、自分でも「こなしてんなぁ…」と思う機会が増えました。

これが「中年の危機」というやつでしょうか。ちょっとだけ、抑うつ状態でもあります。

20代は無敵だったけど、30代を迎えて今まで通りのスイングが出来なくなったプロ野球選手のようです。身体が言うことを聞かないし、脳が思う通りに動いてくれないのです。

今までのように創作できない。こんな辛いこと、ありません。

実は、2017年に刊行した「グラフをつくる前に読む本」から、2023年に刊行した「スマホアプリはなぜ無料?」まで、7年連続で毎年新刊を刊行してきたのですが、2024年現在執筆中の書籍は2025年刊行予定で、この記録もいったん途絶えます。

もともと2024年刊行の書籍は2023年から準備していたのですが、創作意欲の減衰が1つの要因で無期限延期になりました。それがまた、創作から遠ざかりたくなる要因になり、無間地獄に陥るのです。

正直、もう創作活動は止めようか、という考えは、2023年から何度も頭を過ぎりました。脳がボロボロなので、こんな状況で頑張っても仕方が無いじゃない、と思ったのです。

ところが。ひょんなことから、「中年の危機」から抜け出せそうなキッカケをつかみました。


ぢっと手を見る


「中年の危機」に負けそう。そんなに自分に、2年前から「仕方ないよね」という感情と「こんなところでくたばってどうする」という感情が闘い、これまでは「仕方ない」が勝ってきました。

ところが最近、自分の手を見て「まだ良い思いしてないな…」と思うようになりました。

こんなに苦労して書籍を刊行しているのに、テレビにはまだ2回しか出れていない。林修先生からインタビュー受けていないし、情熱大陸に密着されていない。

こんなに苦労して書籍を刊行しているのに、まだ自分で会社を立ち上げるほどの副業収入も無い。良い服も、良い飯も、良い宿も、まだ世間一般人並み様程度の良い思いもしていない。

報われていない。

「中年の危機」かなんか知らんけど、倒れる前に報われたい!

くたばっていいけど、旨い飯食いながら、良い酒飲んでからポックリ逝きたい。もっと良い思いしたい!

幸せになりたい。私の中の米津玄師が叫んでいます。

凄く下世話で、みっともなくて、ドロドロしたヘドロのような腐敗臭のする欲望ではあります。本当なら、こういう欲望は心の奥底に隠した方が良いかもしれません。ですが「自分は報われたいんだ!」と認めると、自然と身体の内側からやる気が漲ってきました。

「中年の危機」とは、年齢を重ねて見えてくる、自分の環境の変化、肉体や精神など内面の変化、能力と報酬の変化に対する認知的不協和(実際と想定のギャップを処理しきれない状態)が原因だと考えています。

私の場合、努力と報酬のギャップが開きすぎて整理できない心理を「中年の危機」だと勝手に解釈していたのかもしれない…と考えます。

もともと禁欲的というか、自分に対するご褒美の上げ方が下手くそなタイプでした。カイジの大槻班長風に言えば「フフ…へただなあ、へたっぴさ…!欲望の解放のさせ方がへた....」なのです。

おまけに他人よりレジリエンス力が強く、妻さまから「嫌なことがあっても夜にはグッスリ眠るし、次の日にはケロッとしている異常精神の持ち主」と評されており、「嫌なことを何かに投影して忘れてしまおう」と考えたことがあまりありません。

したがって、お酒もあまり飲まないし、気晴らしに誰かと交流することも無い。孤独に慣れきっていました。おかげで、大概のことは真正面から受け止めてしまい、そして自分なりに消化していました。人生がM過ぎる。

でも実際には全てを受け止め切れておらず、35年経過してさすがに心のガタが来てたんだろうなぁ、と思います。

自分の卑しさを認めます。

そのうえで、卑しさまでも糧にして、魂を金型でこすりながら、そのエネルギーで創作活動に全力で打ち込みたい。

もちろん、身体に無理をする行為です。最もフィジカルで最もプリミティブで最もフェテッシュなやり方…すなわち「寝ないで頑張る」「集中する」なのですから。

でも、創作できずに90歳まで生きるなら、創作に完全燃焼して60歳で死にたい。もちろん本当は、創作意欲をずっともったまま、創作しながら100歳まで生きたい。


というわけで、最近めっきりリズムを崩していたけど、再び創作に向き合えそうです、というお話でした。松本健太郎先生の次回作にご期待ください。

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松本健太郎
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