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スタンフォード大学に留学していた頃、Benchmark Capital創業者のアンディ・ラクリフ氏に授業で言われた言葉が今でも鮮明に残っている。

「競合ではなく、顧客を見ろ。」

この言葉そのものよりも、続く言葉のほうがさらに印象に残っている。

「当たり前に聞こえるだろ?でもな、競争が激しくなると絶対に忘れる。俺を信じろ、絶対に忘れるから。」

この言葉を思い出したのは、先日ミラノで開催された世界最大の眼鏡展示会であるMIDO展に出展していたときのことだ。

普段、同業者とはほぼ関わらない。取引先ですら現場に任せているので、顔を合わせることはほとんどない。しかし、展示会だけは例外だ。ここには過去に出会った人たちが集まり、否応なしに顔を合わせることになる。

12年前、とある眼鏡店の店主にこう言われたのを今でも忘れない。

「二度と連絡するな。会ったことすら口外するな。」

その店主が会場にいた。目が合うと、彼は気まずそうな表情をしていた。

あの屈辱は今でも忘れていない。

ここまで来るまでに、数えきれないほどの圧力や妨害を受けてきた。 「オーマイグラスと取引するな」と取引先に圧力をかける大手企業もいた。展示会への出展が決まっていたにもかかわらず、直前になって締め出されたこともある。

だが、結局どうなったか。

圧力をかけてきた会社の多くは、今や業績が芳しくない。

こうした行為は現場レベルではなく、トップの意思によって行われるものだ。トップ自らが競合を排除しようと動く。しかし、そんな企業に未来はあるのか?そんな経営のもとで、社員は誇りを持って働けるのか?

業界の多くは変化を拒み、既得権益にしがみつこうとした。 一方で、私たちは社員と顧客に真正面から向き合い、挑戦を続けてきた。

そして今も、その覚悟は変わらない。

この挑戦はまだ道半ばだ。こんなもんじゃない。必ず結果を出す。

横を見て競合を気にする企業に、未来はない。

徹底的に顧客と社員に向き合う企業だけが、進化し、変化し、生き残る。



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