「陰湿で執拗ないじめ」や「丁寧語の恫喝」は政治家の仕事じゃない
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「陰湿で執拗ないじめ」や「丁寧語の恫喝」は政治家の仕事じゃない

4度目の緊急事態宣言でさえバカバカしいのに、輪をかけて、バカバカしいニュースが飛び込んできた。

「酒類を販売する事業者に休業要請に応じない飲食店と取引しないよう要請したい」「要請に応じなければ何度でも手続きをとることも含め、厳しく対応する」とか、いつまで飲食店いじめを続ける気なのだろうか。

それだけではない。こんな暴論まで出てきたからとんでもない。

休業要請や命令などに応じない飲食店に関し、融資元の金融機関と情報共有して協力を求め、要請に応じるよう働きかける方針を明らかにした。

さすがにこれはありえない。法律に基づくものではない。国によるただのパワハラに過ぎない。自分らが払うべき協力金すら満足に払わずに、彼らが頼ろうとする先を遮断するとは、完全に飲食店の人たちを殺しに来ているもはや犯罪、国による国民殺人では?こんなこと許したらいかんのではないの?飲食店だけの問題じゃないよね。

当然ながら、世論も含め批判が相次ぎ、すぐ翌日撤回したらしいです。

しかし、なんで本人が撤回しないの?というか、撤回したらはいそれで終わりっていうほど軽い発言じゃないと思うけどね。発言内容自体もヤバいけど、そもそも総理も承知していないことを勝手に発言したわけで、閣僚としても政治家としてもどうなの?という話です。


と思ったら、こっちの酒類販売事業者への提供禁止要請は撤回しないとのこと。本気ですか?

約5000の飲食店に酒類を卸している「明治屋」は憤りをあらわにします。当然ですよね。

長い間かけて作り上げてきた互いの信頼関係を、無能な大臣のバカな寝言でご破算になんかできるわけがない。西村某は、酒類関係者を単に殺したいだけではなく、今までの人間関係もぶち壊して、孤立させた上で死なせたいのか?だとすれば、サイコパスとしか思えない。

この人、7月頭にもグルメサイトで感染対策をしていない飲食店を密告する仕組みを導入するとか吠えていた。

こんなの密告社会を作り出すだけの愚策でしかない。結局は「俺の言うことをきかないと痛い目にあうぞ」と言いたいだけなのだ。

一事が万事、こういう調子で、今までも数々の会見での発言は、言葉こそ丁寧語だが「恫喝」と「脅迫」に満ちている

2020年7月発言
「もう休業なんてしたくないでしょ?みんなが努力をしないと、また同じことになります」
2020年12月発言
若者の外出が多い事に対して「こうした状況が続けば、より強い措置をとらざるをえなくなる。経済に大きな影響が出て、若いみなさんの今後の就職活動も影響を受ける」

要するに、「お前ら、俺のいうこと聞かなければまた休業させるぞ、就職できないようにしてやるぞ」といっているほぼ脅迫だし、暴力団が昔よく使っていた直接的脅迫言葉は使わないにしろ、中身は脅迫しているのと同じ手口(「娘さん、今度幼稚園ですか。かわいい盛りでしょうなあ」みたいな)。


大臣になったからイキってるのかと思いきや、官房副長官時代も市議を恫喝しているわけで、この人の本質はこれなんだろうなと思うし、多分、こうやって恫喝と脅迫を続けてきてうまくいった成功体験があるのだろう。

そんなことで出世できるのが政治家なんだとしたら本当クソくらえだと思うんだが、政治家の世界だけじゃなく、一般企業でも地域社会でも大体似たようなもんです。だから、企業のパワハラや職場いじめはなくならないし、村社会の村八分は今でも存在する。

戦国時代の武士の世界でも主君にたてついて出奔した部下の武将に対しては「奉公構え」という陰湿ないじめがあった。

「奉公構え」とは、出奔した家臣について、他家がこれを召し抱えないように制限するもので、本来戦国の世であれば、他の大名に仕官すればよいだけなのでたいした問題ではなかったのだが、秀吉が天下統一した後は、これが全国の共通法となってしまったため、一度「奉公構え」されてしまうともう再就職先がないに等しくなってしまった。つまり、家臣は主君を簡単に見限れなくなってしまった。ある意味、雇用の流動性が失われたようなものです。

有名なところでいえば、大阪の陣で活躍・討ち死にした後藤又兵衛は主君の黒田長政から、塙団右衛門は加藤嘉明から「奉公構え」をされた。その制限のしつこさ・陰湿さは異常で、優秀だから召し抱えたいと他家から懇願されても、それこそ後の幕府が仲裁に入っても、構えは解除されなかった例が多い。要するに「俺に逆らったら死ね」ということである。エレキテルで有名な町人の平賀源内も「奉公構え」された一人です。

本来、武士は主君絶対ではなく、自分の力量を認めてくれる者が主君であるという合理主義に基づくので、だからこそ下剋上があったし、自由に主君を見限ることができた。天下統一後の武士にはそれが不可能となり、かわって儒教的な武士道なんてまがいものが流布されるようになったわけです。本来の武士道は合理道であり、死ぬことは美徳ではないから、殺されるまで徹底抗戦し、絶対に自分で腹なんか切らないし、金で裏切ることを恥とも思わない。武士道を誤解している人が多いですが、あれこそ虚構です。

そういう制度的なことで主君を見限れなくなったからこそ、無能な主君は無能のままのさばり続け、挙句の果て江戸中期以降武士は藩の経営すらままならない貧乏武士になりさがったのです。

しかし、百姓や町人は違います。武士が本来の日本人気質を失っても、彼らは自由のままでした。なんでもお上の言うことに従ったわけではない。むしろ、理不尽な命令は完全に無視または面従腹背でおちょくっていました。場合によっては、大名が無能なら直接幕府へ直訴することもありました。

こんな話があります。ある時、百姓があまりに横暴な大名の仕打ちに激怒し、江戸幕府へ直訴すると旅立ったところ、途中の宿場町で江戸に行った百姓は全員撫で切りにするぞ、と脅迫されたそうです。百姓たちをそれを聞いて、いったん村に戻り、当初の人数より大人数での江戸へ直訴に行きました。「殺すんなら殺しやがれ。俺たちを殺して一番困るのはてめら武士たちだ。誰が米を作るんだ。誰が織物を作るんだ」と。

実に痛快じゃないですか。

江戸時代、山ほど出された禁止令がまったく守られなかった証拠は、同じ禁止令が260年間ずっと出されていたことです。誰も守らないから、禁止令が出され続けていた。勿論、なんでも反抗したわけじゃない。納得できないものは断固として拒否をしたということです。

飲食店の休業も時短も、酒の提供禁止も、長く言われ続けています。感染症の専門家といわれるような輩も言い続けています、それによって感染拡大したという確たるエビデンスは一個もあげられていない。それこそ「あなたの感想ですよね」でしかない。みんな対策はやっている。にも関わらず、なんでもかんでもダメ出しをする、そんな理不尽なもんに従う必要はないですし、そもそも要請に過ぎないものに従うも従わないも勝手です。

そんな中、とてもマトモな政府の見解もある。

これは迅速にやってもらいたいものです。通常のインフルエンザと同じ5類相当にするだけで、今問題になっている病床逼迫の問題も解決できるし、むしろ助けられる命も増える。

この件は、ずっと以前から長尾医師が提言していましたが、それを完全にシカトしてきたのが医師会なのか寿司会なのか知らんが、あの中川会長です。

政治がやるべきことは、飲食店いじめではなくこういうことです。

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荒川和久/「結婚滅亡」著者

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。

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11/13に新刊「結婚滅亡」が発売です!他著書「ソロエコノミーの襲来」 「超ソロ社会」「結婚しない男たち」等。東洋経済等でコラム執筆したり、テレビ・新聞によく出ます。独身研究家として活動させていただいてます。メディア出演・執筆・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージから。