魚離れを食い止めるカンタン調理の「焼けてる干物」 島国ニッポンの未来に残す食文化
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
最近、最後に魚を食べたのはいつでしょうか?
例年人間ドックの時期になると普段の運動や食習慣について回答する調査票を記入しなくてはならないのですが、肉や魚や野菜などについて週どれくらい摂取しているかを必ず聞かれます。
わたしは和食が好きなので結構食べている実感はあるのですが、自分で調理しているかというとそうでもないです。コロナ禍で在宅勤務が続いていたころは外食がめっきり減ったため、自炊する回数が激増しました。そのときにはかなりの頻度で魚を調理した記憶がありますし、余剰在庫となってしまった養殖ものをまるごと一匹お取り寄せして楽しんだりもしていました。
日本食の主役といえば、やはり魚。訪日外国人を対象に最も知られている日本の食材を問うと、「マグロなどの魚」が最多だったそうです(農林中央金庫、2023年3月調べ)。しかしながら、国内の食生活に目を向けると主役の座は肉になりつつあり、魚離れが著しい状況がみてとれます。
魚を調理して思うのは、手間が多いこと。そして、生ゴミが多く出ることに加え、臭いも気になります。切り身であればかなり軽減されますが、生臭さを嫌がるかたも多いと思います。
このような状況の中、メーカー側も工夫を凝らしています。例えば、電子レンジで加熱すればすぐに食べられる調理済みの干物などです。干物はそもそも生魚を調理する手間を減らしたものですが、グリルで焼く際に煙や臭いが出ること、また使い終わった後の片付けが面倒で敬遠しがちという課題がありました。特に集合住宅が増えた現代においては、近所への配慮という側面もあるのかもしれません。
この他にも五十嵐水産(静岡県沼津市)の「エコひもの」は、あらかじめ頭と尻尾を取ったアジの干物を商品化。フライパンで焼くだけで手軽に焼き魚が食べられ、かつ生ゴミも少なくて済みます。
時短が重要な現代の食生活において、このような製品により再び家庭のメニューの選択肢に魚が入るようになります。海洋資源に恵まれた島国ニッポンの誇る、豊かな食文化。健康にもよいですので積極的に日常に取り入れていきたいですね。
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タイトル画像提供:shige hattori / PIXTA(ピクスタ)