ワークマンに学ぶ『競合の捉え方で戦略は変わる』
本日は『競合設定』の正しい考え方をテーマに書いていきます。
ワークマンは2019年に「2019年ヒット商品ベスト30」で1位に選ばれており、 #ワークマン女子 は非常に人気あるハッシュタグとしてブームを巻き起こしています。
コロナ禍でも成長し続けているブランドです。
ワークマンが9日発表した2020年4~9月期の単独決算は、税引き利益が前年同期比27%増の73億円だった。アウトドアやスポーツ用衣料を扱う「ワークマンプラス」の積極展開や客層拡大が収益を押し上げた。
ワークマンが成長し続けている裏側に何があるのか?
様々ありますが、本日は『競合設定』にフォーカスしてワークマンからの学びを深めていきたいと思います。
ワークマンの競合はどこか?
ワークマンは競合をどこと捉えて戦略をつくっているのでしょうか?
この問いに対する答えが、ユニークで、優れた戦略を考えるヒントを学ぶことができます。
①Amazonを競合と捉えて『負けない打ち手』を考える
ワークマンは競合をAmazonと設定していたとのことです。
Amazonを競合と設定することで、Amazonに負けない独自領域を策定して打ち手を考えてきたようです。
①Amazonに価格で負けない・戦わない
→低価格にこだわる
②Amazonに販促で負けない・戦わない
→アンバサダー制度でファンをつくる
③Amazonに配送費で負けない・戦わない
→店舗受け取りにこだわる
下記は参考記事です。
PB商品の開発に力を入れて、リアル店舗もつくりはじめているAmazonはあワークマンにとって脅威です。
ワークマンから学ぶ競合設定をする上での重要視点①
脅威となる存在から目を逸らさずに、自分たち独自の価値定義→打ち手を考える。
②デカトロンとPR戦略上はライバルと設定『西宮戦争』
続いて、ワークマンが競合設定を工夫して上手に仕掛けたエピソードです。
日本に進出してきた仏スポーツ用品チェーンのデカトロン時です。
デカトロンはワークマンの競合とも言えますが、一部の領域での競合であり、大きな脅威となり得るわけではないと考えられます。
ワークマン既存店舗の近くにデカトロン出店が決まった際に下記のようなプレスリリースを出します!
「(ららぽーと甲子園店に加えて)同日に路面の大阪水無瀬店を『ワークマンプラス』に改装してデカトロン社を迎え撃ちます。両SCの距離はわずか3kmですが、先手必勝で大規模な販促を行います。2店舗だけでは『デカトロン』の大型店にかなわないので、関西地区のワークマン120店舗でアウトドア売り場を強化して包囲網を作ります。1対120の数の優位で『西宮戦争』を制するつもりです」。
ワークマンのプレスリリースより引用
西宮戦争って(笑)
良いストーリーには、良きライバルが必要です。
AppleはIBMを敵とみなし、パーソナルコンピュータを普及させてきました。
こちらは有名なスティーブ・ジョブズの1984年プレゼンです。IBMに対してめちゃくちゃ挑発的です!
ワークマンも、海外から参入してくる競合に対抗するだけではなく、PRストーリーの中に登場させ、自社の認知や好意度を高めることに活用したのです。
ワークマンから学ぶ競合設定をする上での重要視点②
ライバルとの戦い自体をメディアに注目してもらうのはあり。
競合を時には自社のPRストーリーに登場させてみること。
ワークマンから学ぶ競合設定のまとめ
上記に紹介した競合設定のユニークさを見るだけでも、ワークマンの戦略が非常に考え抜かれていることを理解できます。
競合設定を考える上で覚えておきたい一つのこと。
競合の定義によって戦略の考え方は変わる
競合の考え方が固定化されてしまうと、考える戦略は自分たち都合で面白くないものになってしまいます。
・いつも真の競合はどこかを考えてみる
・定期的に競合を入れ替えてみる
・競合を自社のストーリーを伝えるために活用してみる
ワークマンのような柔軟性をもって、成長し続けるための戦略を考えていきたいですね。
ワークマンについて深く知りたい方は、書籍『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』を読むことオススメです!
競合設定だけでなく、価格戦略、広告戦略なども実践に活かせる思考が盛り沢山です!
最後まで読んでくださりありがとうございました!