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21世紀なのに…と思う危機が続く21世紀の私達の日常と「学習性無力感」による国民的うつ状態をいかに避けるかについて

21世紀なのに

最近、理由なく今ひとつ気分が晴れない。
友人に聞いてみると、全く同じ不思議な気持ちだと話す友人も多い。

去年はコロナが開けたらどこ行きたいとか、何か前向きな気持ちが残っていたがGWも規制はなくても海外旅行とかの予定入れる気になれず、、と。

そして「だってさー、今は21世紀なのに、、」というフレーズが続く。。

知床遊覧船(事故)

知床遊覧船の事件は、天候不良で漁船が引き返す中、会社の無線アンテナが故障していても出航を強行したことが明らかになってきている。

私達は、21世紀の船は無線設備や船の設計、整備状況、そして万一の海難救助体制は万全で、何かあったらすぐに陸上と連絡を取って救助に来てくれるという前提で、何気なく普段着で遊覧船に乗り込んでいる。

まさか21世紀の船が、出航数時間後に沈没し、水温2度の海に投げ出されてそのまま死ぬとは思っていない。

ウクライナ侵攻(戦争)

誰も21世紀に国連の安全保障理事会の常任理事国が国際法違反の軍事侵攻を行うとは思ってもみなかった。

開戦後2ヶ月経過しても停戦の見込みなく、長期化し、東部への攻撃と実質的併合は継続していている。

当初、プーチンは重病だ、早々に亡くなるのではないか、

一致団結した国際社会の大胆な経済封鎖に耐えきれずロシアは内部崩壊するのではないか、

ロシアでオリガルヒを中心とした反戦クーデターが起きるのではないか、

と期待した。
しかしそうした「正常性バイアス」からの私達の希望的観測は脆くも外れ、

ルーブル通貨は元の水準に戻り、

制裁は抜け穴があり、内部崩壊させるほど効いていない。
(ロシアの一般庶民の物価上昇と物資不足に苦しむ程度だ。人はユニクロやマクドナルドがなくても生きては行ける)

その間にロシア軍は東部に集結し攻撃を強め、国連の事務総長の交渉は無力に終わり、

クーデターを期待したオリガルヒはまるでマフィアの抗争のように家族ごと粛清されているようにみえる。(おそろしや)

ウクライナの悲惨な映像だけが流れるが、早期打開の方向は見えてこないまま、核使用の恐怖だけが不気味に世界を覆っている。

東京停電(エネルギー)

21世紀なのに、、、の最たるものは都市の停電だ。

萩生田氏は4月3日のNHK番組で「本当に首の皮一枚までいっていた。あの場所で声高に言わなければたぶん東京圏は停電していた」と振り返った。

大規模災害がなくても、気温が一気に下がると最近毎冬、予備率が3%を切り節電の呼びかけが起きる。
ウクライナ・ロシア情勢もあり、停電だけでなく既に欧州で起きているような価格の高騰のリスクもある。パリ協定の実現に向けて、再生エネルギーへの転換を図り始めた矢先に、それらの努力を吹き飛ばすような石炭石油エネルギーへの依存が各国で進む可能性がある。

オミクロンBA.2(疫病)

天然痘を撲滅し人類は感染症との戦いに遂に勝利して21世紀を迎えたと思っていた。

新型コロナ感染状況も東京都がようやく警戒レベルを1段階下げたが「感染は拡大傾向にない」が「警戒必要」とか、煮え切らない。

水際対策も緩和しつつあるけど、観光ビザは相変わらず停止中でインバウンドはまだ来れないとか。

第7波が来るとか来ないとか、来てるとか来てないとか。

とにかくスッキリしない。
もう複雑な自粛要請や感染拡大規制の詳細を気にする市民は少ない。3年目に入りどこかで罹ってもどうでも良いし仕方ないという気持ちになっている。

悪い円安(経済)

円安が20年ぶり131円台になった。
が、その原因となる日米の金利差はそのままに金融緩和は維持するという。

主要な生産拠点は海外にあり、円安に従来のような輸出のメリットはなく、単純に国内の物価高を招くだけだ。それでも、現在の物価上昇は一時的で円安は全体としてプラスと日銀総裁は言い切る

一部の富裕層を更に金持ちにする株高による経済格差と世界に類をみない1200兆円もの次世代への政府の借金を残してアベノミクスは終わっている。
それでも尚、異次元の金融緩和政策を止めようとしない。

我が国の中央銀行の総裁は別のパラレルワールド、仮想空間のメタバースに住んでいるとしか思えない。

国民的学習性無力感に陥らないために

学習性無力感という心理学の理論がある。

心理学者のマーティン・セリグマンが、発見提唱した理論で、

長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなる

という現象だ。

・停戦と平和を期待しては裏切られつづける悲惨な戦況。
・第何波か、失われた何十年か、数えるのも面倒になる疫病とデフレ経済。
・繰り返されるあまりにもずさんな安全管理体制の事故。
・先が見えないエネルギーの安定供給体制と温暖化対策の解。

圧倒的に不愉快なストレスが加えられる状況が、あまりに長く続くと自ら積極的に抜け出そうとする努力をしなくなる。

日本人全体が、こうした無気力な状態に陥ろうとしていないか。

「国際平和」、「強い経済」、「安全神話」、これまで日本人が暗黙のうちに当然視してきた基盤ベースが傷ついている。
生存本能のベースの部分が、崩れてきている。
これについてのぼんやりとした不安が日本人全体を覆い始めている。

それが冒頭の人々のモヤモヤではないか。

但し、いくらストレス状態が長く続いているからと言ってそれらを身体的に学習してしまって本当に無気力に陥ってはいけない。
(と、自分にも言い聞かせる。)何故なら、

寝るな、寝たら死ぬんだぞ。


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