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車の自動運転のような先端の技術もたいせつだが、おいしい焼酎を造る技術も同じぐらいたいせつだ。 ~ 一言切り抜きfrom日経#148

日経の日曜日の朝刊、歌人・情報科学者の酒井修一さん のコラム「うたごころは科学する」はお気に入りコーナーの1つ。毎回面白い。内容も、言葉の並びも好き。

6月7日のそのコラムより一言切り抜き。

焼酎.001

科学者が、経済紙で、焼酎のことを語る。

これが日経の面白さ。

そして、みんながイノベーション、イノベーションと「イノベーション起こさなきゃ症候群」に陥っていて、その「イノベーション」もかなり偏って、シリコンバレー礼賛、海外でやったものを過大評価する中でのこの一言だから、とても痛快だ。

できれば、焼酎を飲みながら読みたいところだった。朝刊だったのでそうは行かなかったが。


焼酎についていえば、まさに新しい方法にトライし続けている親友がいる。若松徹幹くん(以後テッカン)。22年来の親友だ。彼に出会ってなければ、僕の人生の角度は明らかに違う。

このテッカンは、鹿児島の大和桜酒造の5代目。渋谷でDJをし、広告代理店に就職し、実家を継ぐために鹿児島に帰った。それからだいぶ年月が経っているが、最近の彼のチャレンジは素晴らしい。

35重くつくってyamatozakura


甲類焼酎をソーダで割るのはあったが、本格焼酎のソーダ割りは長い間タブーだった。しかし最近、お店で黒や特に紅芋の焼酎のソーダ割りが出てきたことにお気づきの方も多いと思う。その仕掛け人の一人がテッカンだったりする。

同世代のバーテンダーと組み、新しい本格焼酎のカクテルもコラボで生み出したり。大和桜のHPには、雑誌のRelaxの伝説の編集長岡本仁さんがコラムを書いていたりする。


彼のチャレンジはキリがないから、これくらいにしておくが、電通BチームのForbes JAPANでの連載「ニューコンセプト採集」でも、彼の思想を取り上げた。

コンセプト名は「重く作って、軽く売る。」

彼がBチームの定例にきてくれた時に、この話をしてくれたので、取材して連載に載ってもらった。

雑誌で見て欲しいけどバックナンバーになるから、web版をこちらに。


作るのは、もうそれは精魂込めて作る。芋も自分で朝早く起きて、手で洗う。焼酎のラベルも家族の手貼り。たくさんは作らない。稼ぐためじゃない。飲む人の幸せのため。素材ももちろんこだわり。

=重く作る。それを前面には言わない。それはプロとして当たり前だから。

しかし、売り方は、重く伝えず、軽く売る。値段を吊り上げない。入手不可能にしない。普通の酒屋さんにも卸す。と同時に、過去にとらわれずに新しい手法の飲み方も開発する。さっきの本格焼酎のソーダ割りは、うまい。そして健康にもいい。時代を捉えての発案。

最初の日経の切り抜きに戻ると、おいしい焼酎を作る技術もさることながら、そして、現代のライフスタイルに合わせてどう固定観念を捨てて、新しい方法を編み出すか。

その新しい方法は、グローバル特許なんかは取れないだろうけれど、これから数十年、数百年と、生き続けるかもしれない。文化をアップデートする、文化を生み出すイノベーションだ。

日本で語られる「イノベーション」は、経済優先すぎる。もうそろそろそういう単語に縛られず、純粋に誰かをハッピーにするために発想し、実現していく。そういうシンプルなことでいいんじゃないかと思いますが、みなさんはどうお思いでしょうか。


ついでに今日、この話をアップしたので、その流れで。

さっきのForbesの「電通Bチームのニューコンセプト採集」の1−50回の連載をまとめた本が、今日7/17 、KADOKAWAから発売になりました。テッカンの「重く作って、軽く売る」も入ってますので、よかったら、見てみてください。

焼酎の話と同様、誰にも頼まれてないけど考えたり探していた、個人として今あるべき「新しい価値観」や「新しい方法論」をみんなで書いています。

自動運転の技術も、焼酎を作る技術も、本当に個人として良いと思う新しい価値観も、人類の進化の前には同列だと思っています。

電通Bチーム「ニューコンセプト大全」https://amzn.to/2XUZ3gh

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