日韓摩擦と日本経済〜観光客増減に影響する意外な要因〜
みなさま、こんにちは!エコノミストのさいますみです。おかげさまで、2冊目の著書「日常が学びに変わる 経済学の本」が刊行されました!また1冊目の著書である「30年分の経済ニュースが1時間で学べる」も一万部を超えるなど、有難いです。本当にいつもありがとうございます!
今回は、日経CNBC「昼エクスプレス〜さいますみのサイ視点〜」での話を記載していきます。隣国との関係についてはセンシティブな出来事が多いです。しかし経済目線で冷静に考える機会も必要です。そこで、みずほ総研の宮嶋貴之エコノミストに、日本経済への冷静な解説をして頂きました!
*日本経済への影響は?〜まずは半導体製造装置〜
宮嶋さん曰く、まずは国内半導体市場への影響を考えるべきとのことでした。それは日本の輸出管理強化で、韓国半導体メーカが日本から半導体部材を買わなくなるというリスクではありません。重要なのは、日本の半導体製造装置市場への影響を注視すべきとのことでした。理由は、下記のように不確実性が強まることで韓国企業の設備投資意欲に間接的に影響があることが挙げられます。
輸出管理見直しによる直接的な影響ではなく、間接的な影響が発生する可能性には留意が必要。具体的には、日韓摩擦の激化という不確実性が高まることで、韓国企業が設備投資を抑制的にする可能性がある。そうなれば、日本の半導体製造装置メーカーには痛手となる可能性がある。なぜなら、日本にとって韓国は、一番の半導体製造装置輸出国であるからだ。もともと今半導体市場の調子が良くない中で韓国企業の設備投資は保守的になっているが、ここからさらに及び腰となってしまうかもしれない。
*その他に考慮すべき影響は?
半導体製造装置だけでなく消費財輸出や観光業への影響が懸念される話を伺いました。たしかに、韓国からの訪日観光観光客の減少が顕著に減少しているのが伺えます。しかし、非常に興味深かったのは…
過去を振り返ると、日韓摩擦で訪日韓国人の方々が減るという現象より、為替や景況感の方が影響が大きかったとか。なので、いま起きている訪日韓国人の減少は外交要因だけでなく、世界で通貨高が進む円高の影響も大きいのかもしれません。
また興味深いのは、日本からの訪韓日本人はそれほど減っていないとのことでした。メインのお客さんは女性でだとか。
更には、過去にはリーマンショック時も、ウォン安円高が顕著に進んだ時には訪韓日本人が激増したこともありました。もしかしたら、観光客の増減というのは外交よりも為替からの寄与が大きいのかもしれません。
文化や教育、学術などそういった交流は、外交や感情論ありきでない交流が軸であり続けてほしいもの。
やはり平和が一番と痛感するこの頃です。
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さいますみ
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