日本人の私の講演が海外で褒められるわけ
こんにちは。グローバルでDXの調査・支援をしている柿崎です。
8月の横浜市長選挙の終了により、私の選挙DXが一段落しました。
今回も選挙DXをテーマに書き始めましたが、今月のCOMEMOのお題「#褒められてうれしかったこと」を見て、先にこちらへ寄稿することにしました。
以前に何度か書きましたが、私が所属するCDO Clubは、企業・行政組織のDXのリーダー(CDO:Chief Digital Officer/ Chief Data Officer)が集まるグローバルなコミュニティです。私は日本の事務局を担当しております。
また、2年前にニューヨークとサンフランシスコのCDO Summitで私が講演したこと、そして、日本人の私のDXの話が日本より海外でウケることを書きました。
私の講演冒頭でのお決まりのフレーズ
日本で私がDXに関する講演をする機会が多々あります。
日本のイベントでは決まって冒頭に以下のフレーズを言います。
「今回のお話はニューヨークとサンフランシスコのCDO Summitで大絶賛された内容です。」
この後に続くフレーズは、最後に書きますので、是非最後までお読みください。
海外と日本のDXに関するイベントの違い
冒頭で、「日本人の私のDXの話が日本より海外でウケる」という以前の投稿を紹介しました。
講演内容とは別にもう一つ大事な視点があります。
それは、ニューヨークとサンフランシスコの参加者は、私の講演内容が大したことがなくても褒めてくれるのです(笑)。同じ内容を日本で話しても、褒めてくれる人は少数です。
海外は「まず褒める文化」、日本は「褒めずに批判する文化」と言えると思います。
海外のイベントは何を大切にしているか
以前、DXは既存業務のIT化ではなく、デジタル技術を用いた事業モデルの変換「DX」である、ということについても書きました。DXとはデジタル技術を用いて新たな事業を創造すること、と言い換えられます。
DXとは新たな事業を「創る」ことです。
ニューヨークとサンフランシスコのイベントでは、参加者全員がDXのイベントの優れた雰囲気を「創る」ことを重視しているように思えます。
私が講演している間、参加者全員がサポートしてくれる雰囲気を創り出しているように感じます。それが、参加者全員が「とにかく褒める」ということにつながるのかもしれません。講演する私も、日本より海外で新たなコンテンツを提供する気持ちが湧いてきます。
一方、日本では、主催者がイベントの企画や運営、講演者がコンテンツの提供、スポンサーが資金提供(目的としてはリード獲得)、参加者がお客さん、という構図が一般的ではないでしょうか。参加者全員でフラットにイベントを創り出している雰囲気をあまり感じません。
そして、参加者は褒めずに批判することが多い印象です。講演する私も、安全策をとったコンテンツを提供する気持ちが強くなります。
もちろん、辛辣な批判こそが最高のサポートになることもあり得ます。第三者の批判は大切ですが、創造するための批判に限られると思います。あくまでサポートしてくれる人による批判でなければなりません。一緒に試合をしている選手か、試合をしていない観客か、をイメージすると分かりやすいと思います。
改めて私の講演冒頭でのお決まりのフレーズ
私が日本のイベントでは決まって言う冒頭のフレーズです。
「今回のお話はニューヨーク、サンフランシスコのCDO Summitで大絶賛された内容です。海外では120点と評価されても、日本では50点くらいの評価です。海外では大したことを言わなくても参加者の皆さんが褒めてくれます。日本では同じことを言っても参加者の皆さんが批判的に見るので褒められません。」
これを言うことで参加者と一緒にイベントを創っている気になってきます。そして、日本で大したこと言わなくても褒めてくれる参加者が増えます(笑)。