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朝のブログというルーティンを楽しむ。

少し昔になるが、2015年のラグビーワールドカップでみた五郎丸選手のルーティンはある意味衝撃的だった。プレースキックと呼ばれる地面にボールをセットしてゴールポストを狙うキックは、蹴る前に忍者のようなポーズがあった。最初見た時は、ファンを魅了するためのものだと思ったが、最大の目的は精神統一だったのだ。このルーティンをやることで、明らかにゴールの成功率が変わる。毎回、イメージ通りのキックができるという訳だ。今大会でも、松田選手は恐竜ルーティンを引っ提げ、ゴール成功率94%を叩き出している。

五郎丸選手からルーティンの効果を見せつけられた後、自分にも何かルーティンを作ろうと考えを巡らせていたのだが、なかなか対象が見つけられないでいた。そんな中、当時見つけたのが、日経トップリーダーにあったバグジー久保社長の「リーダーに必要なルーティン」という記事だ。自分のライフスタイルを確立すること、「いい習慣」をたくさん持ち、自分自身を常に高い意識レベルに置くこと。これがリーダーシップに必要だという投げ掛けだ。

久保社長には少なくとも、3つのルーティンがある。一つ目は、自分を見つめ直す時間を持つこと。年に何回かのオーバーホールを勧めている。二つ目は、気持ちをフラットにすること。今よりも1時間くらい早く起きて、朝の時間の過ごし方を工夫する。とはいえ、特別なことやるのではなく、庭の水やり犬の餌やり、とっておきのコーヒーを淹れて味わうといった普通のことだ。ゆったりとした時間を過ごすことが大事なのだと思う。三つ目のルーティンは、前向きな言葉を使う、プラス思考な言葉を使うだ。

自分を見つめ直す時間は、以前からとても大事だと思っていた。仕事の合間に、意識的に温泉に出向いては、ゆっくりと湯船に浸かる時間を取ってきたと思う。それで自分の生き方をある程度、進化させることができたような気がしている。仲間と生きる重要性を掴んだと思う。一方、前向きな言葉については、今から10数年前に、前向きな言葉しか使わないと、強く心に決めたタイミングがあった。逆に言えば、それ以前は「これではダメだ、到底お客様に出せるものではない」と、マイナス思考の言葉を多用していたと思う。しかも、語気は強めで、相手は明らかに萎縮してしまう結果になる。これでは、成果への道で足踏みもしくは後退させているだけなのだ。

決意したのは良かったが、いざプラス思考の言葉しばりをトライしてみると、その難しさに愕然とした。ダメなのは直感で分るのだが、何が良いかというゴールの姿の具体を示せない自分がいたのだ。そこからは大変だった。常に自分の中に、それぞれの会話の中で、それぞれの目的に即した結論を持つべく、頭をフル回転した。メンバーよりも持っているファクトが少ない中で、いかに正しいゴールを見出すかの挑戦だったと思う。その中で、視野と視座を、そして具体と抽象を、能動的に操る術を見出していった。色々な立場の人の感覚を持ちながら、同時に全体を俯瞰する。プラス思考を実践するために重要な能力の一つを、鍛錬し続けたのだ。

最後の「気持ちをフラットにする」だが、これは最近まで難儀した。モーニングルーティンを作ろうとしたが、何一つ定着しなかった。でも、3年少し前から続けてこれたことがある。朝のブログだ。平日の6時過ぎに起きて、きづきを生む800字前後のブログを書き続けている。もう少しで800記事に到達する。このブログを書いている時間が、気持ちをフラットにできている時間かと言われれば、完全にはそうではない。でも、前の日が充実している場合は、気持ちがフラットになり、筆がどんどん進む。逆に、色々な考えを巡らせず、なんとなく過ごしてしまった日の後は、何を書くかが浮かばず、30分経っても書き終わることがない。

ブログが、充実した日を過ごせているかのバロメーターになっているのだ。ただ、ここで充実できなかったからといって、マイナス思考にならない工夫もしている。気持ちを入れ替える技も考えたのだ。ブログを通じて、きづきを生むことに拘らず、最近の出来事をそのまま伝える。普通の日常を切り取るという内容に切り替えるのだ。これによって、自分の気持ちが少しフラットに近づくし、ブログを続けられた達成感も得られるのだ。後から分かったのだが、きづきのバージョンよりも、普通の日常バージョンを楽しみにしてくれている人もいたのだ。怪我の功名なのか、物事はやってみないと分からないものだと痛感する。

あと、これまでにどうしても書けない日が何日かあった。こういう時には、ブログを休むという決断をすることができるようになった。以前であれば、一度やめるともう戻れない。そんな感覚に苛まれていたが、単純に自分を見つめ直す時間か、ゆとりのある時間を少し持てたと、プラス思考に捉えられるようになったきたのだ。「朝のルーティンは完璧にできないとダメだ」ではなく、ルーティンは単なる道具であり、真の目的は自分らしいライフスタイルを続けることであり、楽しむことだと改めて思っている。日経で記事を検索していたら、朝のルーティンが、時には午後3時まで続くという可笑しなものを見つけた。人ぞれぞれの考える、そして想うルーティンで、人生を楽しんでいくこと、これが何より大事なのは間違いない。


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