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富士通のDX組織への変革が、日本企業のロールモデルになる日(前編)

先日、Indeedさん主催のOwned Media Recruiting SUMMITで登壇させていただく機会がありました。テーマは「オンライン採用時代に企業カルチャーを問い直す」です。

僕は冒頭のKeynoteでお話ししたのですが、それよりもパネルディスカッションでご一緒した、富士通で人材採用センター長を務められている渡辺さん、USEN-NEXT Holdingsのコーポレート統括をされている住谷さん、のお話がすごく面白かったです。

その後の、ソヤマンことサイバーエージェントCHRO曽山さんとのクロージングセッションもとても楽しかった!!


富士通さんへの勝手な期待感

そんな中、今日のnoteは、富士通さんの組織づくりの取り組みについてです。
実は、昨今の富士通さんの動きには、「ひょっとしてこれは本気で変わろうとしているのかもしれない!ワクワク!!」と勝手に期待しなが密かに応援していました。
そして、パネルディスカッションで渡辺さんとお会いし、「これは伝統的な日本企業が組織変革していくロールモデルとなるのでは?」と改めて感じたのです。

ここからは、富士通さんのDX組織への変革ついて僕なりに調べたことをベースに、僕の熱い想いを書き綴りますが(笑)、僕の個人的な理解や想像による部分もある点はご理解ください。
ただどうしても、期待せずにはいられないので、勝手に書くことをお許しください!


富士通さんの矢継ぎ早のアクション

元々は、富士通さんに対してはさほど先進的なイメージは抱いていなかったのが正直なところです。
就職活動をしていた頃のイメージが強いためでしょうか、日立・東芝・NEC・富士通・・・と、学生にとっては携帯電話のメーカーとして身近だったものの、海外勢におされてしまった印象があり、その後は銀行などの大規模システムを開発しているSIをメインとした企業の一つ、という印象でした。(無知で大変恐縮です・・・)

そんな印象だった富士通さんですが、1度目の緊急事態宣言下の2020年5月9日に「ジョブ型」導入の記事を目にしました。

ジョブ型という話はこれより以前からありましたが、まだ世の中は「リモートどうやってやる?」という議論が中心だった段階で、相当早い段階でこの記事が出たので、だいぶ驚きました。

続いて、同年7月6日には、オフィスを半減することを発表。

さらに、同年10月5日に、全社的なDXプロジェクトとして、「Fujitsu Transformation」(フジトラ)の始動を発表しました。

このように、「全社DX改革」を掲げ、IT企業からDX企業へと進化するための組織的な打ち手を、人事のみならず全社的な取り組みとして矢継ぎ早に打ち出しているのです。


DXを推進する企業が忘れてはいけないこと

このフジトラという営みを主導されている、執行役員常務最高情報責任者(CIO)兼CDXO(最高デジタル変革責任者)補佐の福田譲さんの記事が、昨日(2021年6月27日)の日経にもちょうど出ていました。

この記事では、以下のようにお話しされています。

「まさにパラダイムシフトが起こっており、今までの価値観やルール、常識が変わるなか、企業には従来とは異なったマインドセットが求められています」
「業務のやり方や働き方、組織や人事、予算の考え方、評価、上司と部下の関係、さらに企業文化まで含め、あらゆる面を新しい時代に応じて、それをDXと呼ぶなら、富士通もDX時代に応じて見直さなければなりません。そのためのベースとなる社員のスキルを考えたとき、デザイン思考の重要性を感じました」
「PDCAサイクルに代表される業務の手法も富士通の既存ビジネスを支えてきた基盤です。デザイン思考との両輪でビジネスを回し、使い分けられるようにしたいと思っています。課題はたくさんありますが、チャレンジしていきますよ」

まさに「IT企業」から「DX企業」へと変貌を遂げようとしているわけです。そして、「クライアントのDXを支援するビジネスを行うなら、まずは自社組織がDXできていないとならない」ということをよく認識され、組織内を「デザイン思考」を軸にしながら大きく変革させようとしています。


DXをビジネスにする際、その企業自身がDXがされてないと全く説得力がないんですよね。

昨日ちょうど、こうしたツイートも目にしました。

僕自身も似たような経験があります。

「オフィスのIT化」を事業としている会社さんから依頼いただいて講演する際のやりとりです(今年です)。

先方:「注文書をプリントアウトし、ハンコ押して、スキャンして、メールで返してください」
私:「ハンコですか?いやいや、御社はIT化進めてるのでは?」
先方:「すみませんが社内的にハンコは必要です。以前と比べたら書類の郵送がなくなり、これでもIT化は進んだんです!」

「なるほど、これがIT化か!」と思いました。

業務の一部をITツールに置き換えるIT化と、業務プロセス自体をデジタル化してアップデートするDXとの違いがよくわかる例ですよね。

なので、DX企業を標榜する富士通さんが、まず自社内をDXする組織を立ち上げていくことは極めて正しい打ち手だと僕は思います。


なぜ期待せずにいられないのか?

この一連の動きに、なぜ期待せずにはいられないのでしょうか?

それは、矢継ぎ早の打ち手のスピード感だけでなく、打ち手の中身もよく練られていて、大企業を変革する手法として理に叶っているからです。

ここから、富士通さんが取り組んでいる具体例について、組織変革の観点から、4つほどご紹介していきたいと思いますが、それは後編で。

後編こちら↓



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