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Stay Homeで伸びる自宅トレーニング用品と遠隔フィットネスクラブ

フィットネスジムは、新型コロナウイルスの感染リスクが高い施設として挙げられたことから、今後の客離れが懸念されている。安全性を維持するために、各施設では、トレーニングマシンの消毒を数時間に一度のペースで行う対策を講じているものの、それは人件費の負担増に繋がるし、利用者の不安を完全に解消できるものではない。

米国を拠点に、カナダ、英国、日本など世界30ヶ国で700店舗以上を展開するフィットネスクラブの「ゴールドジム」は、コロナの影響により急速に経営が悪化したことで破産申請を行っている。

一方、欧州では主要都市がロックダウンされたことで、意外な商品がオンラインで売れている。

Amazonマーケットプレイスの販売分析をする「sellics」によると、イタリアでは、ロックダウン中にアマゾンでの注文率が最も上昇した商品カテゴリーが「スポーツ&アウトドア用品」となっている。これは、Stay Homeで自宅に籠もった消費者が、自宅でも使えるトレーニング用品を購入していることが理由とみられている。

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アフターコロナの社会では、感染リスクを意識して、これまでと同じようにジムに通う習慣は無くなるかもしれないが、身体を鍛えて健康を維持したいというニーズは無くならないため、フィットネスジム業界は、サービス形態を進化させながら成長していくことになるだろう。その中でも投資家から注目されているのが、会員ユーザーの自宅とジムのトレーナーをオンラインで繋ぎ、エアロバイクの遠隔トレーニング行っている「Peloton(ペロトン)」である。

従来のフィットネスジムは、リースで調達した各種のトレーニングマシンをジムに設置して複数の会員で共有する形だが、Pelotonでは、各ユーザーがWi-Fi機能とディスプレイ付きの専用エアロバイクを購入して、ジムで待機するトレーナーが定期的に行うオンラインクラスに、自宅から参加する方式になっている。エアロバイクの価格は約2400ドルで、月額39ドルの会費を払うことで1世帯の家族全員が個別のアカウントを持ち、オンラインクラスに参加できるようになる。

Pelotonは2012年にニューヨークで創業、ベンチャーキャピタルから10億ドル以上の出資を受けて、2019年9月に株式公開しているが、先行投資が嵩んで収益自体は赤字のため、公募価格の1株29ドルを初値で上回ることができなかった。しかし、140万件のユーザーアカウントと50万人の有料会員を獲得している。米国内のコロナ感染拡大により、フィットネスジムへ通うことを躊躇する消費者が増えるため、Pelotonの会員数は更に伸びると予測され、Pelotonの株価は5月8日の時点で43ドルと、パンデミック後の2ヶ月で約2倍に上昇している。

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一方、Pelotonのビジネスに対する懸念材料としては、会員ユーザーが購入しなくてはいけないエアロバイクの価格が約2400ドル(25万円)と高価であることと、自宅ではマシンの置き場所に困ることが指摘されている。

もともと、フィットネスクラブ業界の会員継続期間は12~20ヶ月と短く、トレーニングに飽きてしまった場合には、自宅に設置したエアロバイクは無用の長物になってしまう。その点では、自宅用のトレーニングマシンは、スペースを取らずシンプルなほうが良く、他でも在宅フィットネスのサービス形態には開発の余地が残されている。

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