L-RADによる共同研究促進の可能性

科研費(科学研究助成金・学術研究助成基金助成金)は、国の助成する研究費の最大のもので、e-Red(文科省のweb)から申請します。毎年、10万件を超える応募があり、約3万件が採択され、残りの約7万件が不採択となるそうです。

L-RADは、この不採択となった約7万件の研究を、企業目線で捉え直し、共同研究の機会をつくり、促進する仕組みとのこと。非常に面白い試みだとワクワクしました。研究者側も企業側にとっても、遠い距離を埋められる仕組みとなりそうです。

興味深いのは、初期の研究アイディアを広く公開してしまうと、アイディアのみ使われてしまうのではないか?という心配に対する配慮が仕組み化されているところです。

公開情報として研究概要を閲覧した企業が、さらに詳細を読むと、何時何分にどの企業が閲覧したのかが記録される仕組みです。エストニアの電子政府が導入しているX-ROADと似た効果を感じました。隠すのではなく、公開し、閲覧可能な状態にすることによって得られる価値を重視しつつも、誰が何を閲覧したのかを記録することで悪意ある閲覧者に対する抑止力を持つというもの。

信頼関係を仕組み化することによる、新たな出会いの創出と、そこから生み出される可能性の拡大。DeepTechの文脈でも、カンブリア爆発の文脈でも、今後に注目したい営みだと思いました。

https://l-rad.net/

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