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FIREに向けて家計簿をつけ、自分の支出を知ろう

1.家計の見える化がFIREへの近道

FIREを実現するためにまず必要なことは、次の3つです。このように自分の収入/支出を把握し、特に支出側をコントロールすることが、FIREに必要なポイントとなります。

1)収入と支出の管理/把握(家計簿をつけること)
2)夫婦で家計簿を見直すこと
3)無駄な支出をあぶりだし、なるべく早く削減すること

2.挫折せずに家計簿をつける

あなたは自分が1ヶ月もしくは1年でどれくらいお金を使っているか、把握しているでしょうか。
 
僕の体感では、「年間の食費は?保険料は?子どもの学費は?」と聞いたとき、全然わからない人や、気にしたこともない人が半分くらいいます。
 
お金を貯めるためには、家計の収入/支出の全体像を把握しなければならず、そのためにはきちんと家計簿つけておく必要があります。
 
しかし「家計簿をつけるのが大事」だと聞いて、「よし、家計簿をつけよう!」と心に決めても、多くの人がなかなか続けられずに挫折してしまいます。
 
挫折する理由には大きくわけて、次の2つがあります。

・分類を細かくつけすぎること
・1円のズレも許せない完璧主義におちいること

1)分類を細かくつけすぎないこと

 多くの人が家計簿を続けられない理由の1つ目は、いきなり食費を「肉、野菜、魚」や「昼食、夕食」のように細かく分類してつけようとすることです。
 
ただでさえ慣れるまで苦労する家計簿で、そこまで細かくつけようとしたら、それはもう挫折まっしぐらです。今まで家計簿をつけたことがない人がそんなことをやろうとしても無理があります。
 
しかも食材の種類や昼食/夕食の区別などは、家計改善にはほとんど意味がありません。栄養士になるために家計簿をつけているわけではありませんから、「食材の種類」ではなく、「何のために使ったか」を見る必要があります。
 
たとえば、僕の家計簿の食費に関する項目は次の通りです。

 ・食材費(家で料理するための食材)
 ・夫外食(僕の1人での外食)
 ・妻外食(妻の1人での外食)
 ・家族外食(家族での外食)
 ・お茶菓子(お菓子全般)

この分類には「食材費は適正かどうか知っておきたい」「外食代を減らしたい」、「誰のどんな外食が多いのか把握したい」、「お菓子代を減らしたい」という意思が込められています。
 
このように、家計簿をつけるときは、知りたいこと/減らしたい項目に基づいた視点から支出をおおまかに把握することが大事なのです。

2)完璧主義にならないこと

多くの人が家計簿で挫折する理由の2つ目は、1円のズレも許さない完璧主義です。
 
家計簿をきっちり合わせたいという気持ちはわかります。しかし、我々の家計簿は銀行みたいに1円ずれてもオオゴトにはなりません。ただ食費など色んな項目で1ヶ月にだいたい何円くらい使っているかを把握できればいいだけなのです。
 
食費が10万円でも9万9千円でも、支出の概要を把握するうえでは大きな違いはありません。ですから数字が合うに越したことはありませんが、たとえ合わなかったとしても、もっとおおらかにとらえれば長続きするのではないかと思います。
 
 そんなことを言っている僕自身も、家計簿をつけだした当初は1円のズレの理由を2時間考えてしまうくらいの完璧主義でした。今はその行為に意味がないことを理解したので、さっさと「微調整」としてしまい、大切な時間を有効活用できるようになりました。

2.家計簿を見直す

さて、支出の把握はあくまで第一段階です。把握だけして満足して終わってしまってはいけません。

把握した後にきちんと支出を見直して、どこに改善の余地があるのかを分析することで、はじめて効果が出てきます。これが家計把握の真の目的なのです。
 
実際にこうやって家計を把握しはじめると、1年間の食費、交際費、光熱費、通信費、保険料、そして年間の収入からこうした支出を差し引いた1年間で貯まる貯金額まで、様々な情報がどんどん見えてきます。
 
今まで家計を見たことがない人にこれをやってもらうと、「1年間でこんなにかかってるの?」とびっくりされる方が多いです。
 
こういうことを知りながら生活するか、それとも知らずにただ漫然とそのときの気分でお金を使って生活するかで、10年後、20年後に大きな差になって表れてくるのです。

寺澤家ではエクセルで作成した独自の家計簿を利用していますが、最近だとマネーフォワードなどのアプリを利用することで、当月の項目別利用額や銀行残高、証券保有額を一元的に集約して見える化できます。自分に合ったやり方で、当月のお金の出入りを自分できちんと把握してみてください。

3.無駄な支出を減らす

ここまでまとめたら、次に「支出を減らす」ことを考えていきます。手取り収入を100万円上げることと支出を100万円減らすことは家計に対して同じ効果がありますが、実際に手取り収入を100万円上げるのは容易なことではありません。ですが一方で、支出は自分でコントロールできるため、最も計画を実施しやすいのです。
 
支出は大きく固定費と変動費に分かれます。
様々な本やサイトを見ていると日々の節約術がたくさん出てきますが、変動費で細かい節約をかき集めるより先にやるべきことは、下の日経の記事でも書かれているように、大きな固定費の削減です。 

1)固定費を見直す

固定費は毎月ほぼ一定額が決まっている支出です。たとえば次のような支出です。

・家賃(家を買った人はローン月額)
・車のローン月額や駐車場代、保険。ガソリン代等も大体一定と考える
・水道光熱費(ガス、電気、水道)
・携帯電話や家の固定インターネット、NHKなどの通信費
・保険料(年払いの場合は、その金額を12で割ったものを1ヶ月の金額)
・子どもの学校の給食費、保育園/幼稚園の費用
・自分や子どもの習い事
・動画配信サービス
・クレジットカードやサービスサイトなどの年会費/月会費

これらをすべて洗い出し、毎月どのくらいの金額が「必ず出ていくのか」を明確に把握する必要があります。
 
そして、まずは削れそうな固定費が何かを探してください。特にスマホ契約時に付帯加入している月額定額サービスのように、利用していないのに毎月気づかずに課金されているようなものは要チェックです。

2)変動費を見直す

一方、月々の支出を把握するためには、少なくとも1ヶ月間は何にお金を使ったのかを家計簿で記録して把握する必要がありますから、変動費を把握するには少し手間がかかります。
 
ただ先に述べたように将来のプランニングにおいてはそこまで細かい支出把握までは不要で、年間の食費がざっくり月5万円なのか10万円なのかが分かればいいというイメージです。変動費は、大体次のような支出です。

・食費
・交際費
・交通費(電車、バス、タクシー)
・趣味(書籍や映画など)
・医療費
・おしゃれ系(美容院、化粧品、貴金属など)
・生活雑貨(洗剤やティッシュなど、その他全般)
・特別支出(大きな家電購入など一過性のもの)

だいたいこれくらいがザックリわかれば、支出を把握できます。
こういうことを夫婦でコツコツと行ってきて、今があるのです。

次回は、夫婦でのお金の向き合い方についてお話していきます。

4.参考

(1)FIREするための考え方(ビフォーFIRE)の本

夫婦で子育てをしながらFIREをする本は今までなかったため、「ないなら自分で書こう!」と思い、自身の体験を綴った電子書籍を出しました。Kindle Unlimited対象にもなっていますので、会員の方は無料でお読みいただけます。ぜひお手に取ってみてください!

(2)FIREした人は本当に幸せなのか(アフターFIRE)の本

FIREはしたいけど、いざ会社を辞めることを考えると不安が先行する……。そういう人は多いと思います。その不安を取り除く特効薬は、実際にFIREした人がどのように感じているのかを知ること。そこで僕がFIRE後によく聞かれた質問をまとめ、回答したものをまとめました。こちらもKindle Unlimited対象ですので、ぜひお手に取ってみてください!


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寺澤伸洋@FIREしたビジネス書作家
最後まで読んでくださって、ありがとうございました! これからも楽しみながら書き続けていきます!