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人とロボットが共生する世界に必要なこと

村上 臣(電脳コラムニスト)

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

最近ショッピングセンターなどの大規模施設にいくと、自動運転でウロウロしながら警備をしているロボットを見かけます。ファミリーレストランにおいても配膳ロボットが注文した品を持ってきてくれるような光景も目にします。

昔SFで見たような世界が現実化しているようですが、特に日本は労働人口の減少に伴って今後さらにフロントラインワーカーの人材不足に悩まされることになるでしょう。このようなロボットの活躍の場は想像以上に広がっていくのかもしれません。

日本以外でもこのような働くロボットを目にすることはあるのですが、逆に国内でしか見かけないこともあります。それは擬人化です。つまり、ソフトバンクのPepperにハッピなどのコスチュームを着せたりして、ロボットをあたかも人に近づけようとする行為のことです。

このようなアニメ化、擬人化などは日本を筆頭に東アジア全域で受け入れられる土壌があるように思います。道路工事を示す看板においても、アメリカやヨーロッパでは黄色に黒色の言葉で「注意!(CAUTION! )」とだけ書かれていることが多いですが、香港や韓国などでは人が滑って転びそうな絵がそえられていたり、工事の人がお辞儀をしている絵が描かれていたりします。言語と非言語のバランスというのでしょうか。文化的な背景の差を感じます。

先日ニュースを見ていたところ、面白い研究を知りました。自動運転車に「目」をくっつけて、歩行者とコミュニケーションをとろうという試みです。

人間の運転者と歩行者の間では、アイコンタクトやクラクションなどで意思疎通ができる。自動運転車ではこれに代わる意思疎通の仕組みが必要になる。研究グループは歩行者が運転者の視線を道路横断時などの基準としていることを踏まえ、視線による情報伝達手法を検討した。

仮想現実(VR)を活用し、モーター駆動の「動く目」を取り付けた自動車と遭遇する場面で被験者が道路横断の可否をどう判断するか調べた。18~49歳の男女9人ずつで実験すると、視線の提示によって危険な横断を減らせる可能性があることや歩行者の主観的な安全感・危険感を高められることが分かった。

まず、見た目が最高ですね。自動運転車なんて怖いという印象を一変してくれそうな愛嬌のある見た目です。それだけでなく、この目が動く(視線の提示)ことで歩行者に対して「あなたのこと、気づいてますからね!」というシグナルを送るとのこと。たしかに2tほどある巨大な物体が自分に向かって近づいてくること自体、危険を感じざるを得ない体験だと思います。しかし、チラチラとこっちを見てくれていたら安心度が高まるかもしれません。実際の実験では、危険な横断を減らせる可能性があることが確認できたそうです。

アニメや漫画は世界に誇る日本文化だといわれますが、その源流とも言われるのが国宝「鳥獣戯画」です。近年行われた東京国立博物館での特別展を見に行きましたが、大変な人気で混雑していました。みんな大好き鳥獣戯画ですね。

世界に誇る日本のアニメの源流ともいわれるのが京都・高山寺の国宝「鳥獣戯画」(4巻)だ。2014年に修理が完成し京都国立博物館に次いで翌年、東京国立博物館でも特別展が開催され、観客は40万人を数える大盛況だった

擬人化されユーモラスで動的なウサギやサル、カエルなどが描かれている甲巻がよく知られているが、注目したいのは乙巻だ。ここには使役動物がウマ、ウシ、タカ、イヌの順で登場する。

今後の自動運転車やロボットが身近になっていく中で、お互いが気持ちよく共生するためのヒントとして「擬人化」のような非言語コミュニケーションの進化があるのかもしれません。


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タイトル画像提供:iARTS / PIXTA(ピクスタ)

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村上 臣(電脳コラムニスト)
だれもが自分らしく楽しく働ける世の中に!働き方や注目テクノロジーなどを中心に発信。日系企業でエンジニア→ディレクター→役員の後、海外経験ゼロのまま外資カントリーマネージャーへ。執筆依頼等は→ https://www.linkedin.com/in/shin-murakami/