技術は、「工夫」を助けるものであって欲しい。

こんにちは。KATALOKooo(カタロクー)の翠川です。

日経新聞朝刊「未来面」との連動企画で、こんな募集がされていまして投稿することにしました。世の中の「当たり前」を、どんな技術でどう変える?

私は、KATALOKoooというWebプラットフォームを運営していまして、Webシステムを使って現在約150組のブランドや作家さんの活動をオンラインショップを中心に支えることを事業にしています。

そもそもは、私一人で、大好きな作る才能のある人たちを手伝いはじめたのがきっかけです。一人で抱えられる仕事量にすぐ限界が見えてきてしまい、システムを作ってしまえば、多くの人にシェアできるようになる=結果手伝える人が増える!と思い立ちサービスを作り始めました。

技術は、「新しく世界を変えるもの」というイメージが強い

今回の企画の元記事でも冒頭に書かれています。

経営の大きな柱が2つあります。1つは50年以上続き、経済学者からも評価されている「三新活動」です。新製品の開発、新用途の開拓、新需要の創造の3つの新を追求し続けてきました。

例えば、先月から、facebookとinstagramで、ライブ配信中に投げ銭を受け取れるようになりました。※日本ではまだ未実装

これは、新製品/新機能の開発にあたります。

簡単に出来れば、みんなが使うものが技術開発されるのって、心躍りますよね。華やかにリリースされる新技術を目にするのは、こういうことが多いです。

「当たり前」は誰かが歯を食い縛ってやればなんとかなることばっかり

でも、私がフォーカスしたいのは、「誰かが超めんどくさい…と思いながら歯を食い縛ってこなしていること」です。これって、上述の「簡単に出来ればみんながやる(今はまだない)こと」とは違うんですよ。プロジェクトみたいなものって大体、誰かの食い縛りでできてます。

でも、歯を食い縛ってやる…って続かない。ていうか、食い縛ってやる、とかもうやめにしませんか?そういうことも、技術の力でどうにかした方がいいと思っています。

こういうのって一度苦しい思いした人しか気づけないポイントなので、技術開発してリリースしてもなかなか刺さり辛いです。パッと利用者が増える訳でもなく…。それでも本質的に解決するべきだから開発し続ける、それが弊社のスタンスです。

具体的に、5月からサービスローンチした「お家でマリアージュ」を例にお話したいと思います。

この企画立ち上げの種明かしをすると、一番最初は「飲食店の人ECやらないかな〜人員立ててフルサポートできるよ」という気持ちでSave the tables の石川シェフに連絡したんです。しかしそんな簡単なことではなく…

飲食店が営業自粛or営業時間短縮をせざるを得ない状況になる

そうざい製造業などの営業許可を持っていない飲食店はECを始められない

テイクアウト商戦の価格帯だとこれまで通りの売上を上げるのは難しい

利幅の大きい酒類を販売して単価アップしたい…けど酒販免許がないと無理

という問題山積みな状況を目の当たりにしました。そして、レストランが通常営業していないので、ワイナリーも用意したワインが売れなくて余ってしまう。どうしたものか!要件を整理すると、

★ワイナリーは酒販免許を持っている。在庫もたくさんある。
★ワイナリーと繋がりのあるシェフは、常連さんを抱えている。
★常連さんは、お気に入りのレストランならサポートしたいと思っている。

この3つの素晴らしい点を生かせる、シェフが推しのワインについて配信するライブコマースを思いついたんです。

…ただこれってそのままだと、「ワイナリーのワインを売る」ことしかできない。シェフはただ紹介するだけ。みんないいお人柄の方ばかりなので、お世話になってるワイナリーのワインが売れたらそれでいい!と快諾くださるのですが…みなさん大変忙しくされているので、収入に繋がる訳でもないと、なかなか継続してやっていこう!という話にはなりません。紹介したならその分、紹介料が支払われるべきです。それを実行しようとすると、

①売れた分から紹介料歩合を集計する。
②ワイナリー側が、売上報告と発注書を出す。
③シェフ側が確認して、請求書を出す。
④請求書を確認して、ワイナリー側が紹介料を支払う。
→細かいことを全部わかった経理が双方に必要

になる訳です。苦手な経理を歯を食いしばってやる、か、スポットで雇うか。結果全員歯を食いしばらないといけないので、こういう話はすぐ終わってしまいます。

それが、弊社のDEPAAATというサービスを使えば全て自動‼︎で勝手に振り分けられてその週中に振り込まれるまでいける技術を持っております。実は、fbやinstagramの投げ銭機能や、インスタライブをしながら自社のオンラインショップの販売促進をするのでは解決できない、伝わりづらいけど歯を食い縛ってやる!を撲滅できる仕様があるんですね。そういう訳で、お家でマリアージュでは、サービスを無料解放することにしました。

めんどくさいことをシステム化したらいいじゃない。is 工夫の技術

このように、

・簡単に
・マンパワーを使わずに
・継続できる形をサポートする

技術があってもいいと思うんです。

若宮さんは、工夫ファーストを提唱されていて頷きながら読んでいたのですが、私も「工夫」な技術を織り込んでいこうよ、という当事者だったので、僭越ながら、、勝手に感銘を受けております。

ああ、書いてみてもとことんわかりづらい。弊社のサービスDEPAAATも、KATALOKoooの方も、こういう細かすぎて伝わらない機能が盛り沢山だったりします。いろいろ苦労している経験があるからこそ、こういった細かい技術を詰め込んだサービスを運営しています。

華々しいIT業界の端っこで、地味にこれからも頑張りたいと思います。

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