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「もう一度生きるとしたら、どんな人生がよいか」に答えられますか?

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

元LINEで人事・採用などで活躍されていた青田さんがキャリア本を上梓されたとのことでご恵投いただきました。ありがとうございます。

『図解 「いいキャリア」の育て方 「5つの資」から考える人生戦略』と題した本著、やりたいことはハッキリしてないけど、なんとなくモヤモヤしている方にとっては非常に有益だと感じました。

内容に触れる前に少しマクロのコンテキストに触れたいと思います。本noteでも度々論じている「リスキリング」。政府も激推ししているホットトピックですが、つまり労働人口が減ることが確定しているなかでどう国を成長させていくのでしょう。そのためには成長分野へと労働移動を促していかなくてはならないのですが、その分野では求められるスキルが異なります。であれば、既存人材の能力開発をするか、スキルを保有する人材を海外から引っ張ってくるしかないわけです。

成長分野と呼ばれるもの、おしなべてデジタル技術を活用したものが多いです。よって、リスキリング施策は企業のDXの取り組みと共に実施されることになります。するとオンライン研修であったり資格取得であったり、目に見えるスキルの習得に邁進することになります。これ自体は必要ですし良いことだと思うのですが、一番肝心なものが「マインドセット」であることはあまり語られていないように思います。

リスキリング施策は企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みと相まって、DX人材育成の一環として実施されていることが多い。それ自体は良いことだ。どんどん進めてほしい。

ただ、リスキリングの実践を期待される個人の側はどうか。実際何に課題を感じ、どういう考えでリスキリングして、身に付けたことをどう役立てているのか――。

そんな疑問を、リスキリングを果たした3人に直接ぶつけてみた。話を聞くうち、仕事に取り組む際のマインドセット(心構え)に共通するものがあると分かった。変化を恐れず、学ぶことを楽しむ。そして人に教える。これが人を大きく成長させるエンジンではないか。

日経電子版

わたしの周りで大きくキャリアチェンジをしながらステップアップしている人は、みなこのマインドセットをもっています。好奇心が強く、新たな環境からの学びを楽しんでいる。心の奥底にこのような心構えがインストールされていれば、きっとどのような環境でも自然とリスキリングしてしまうのでしょう。

本著では独自のフレームワークとして「5つの資」が提示されています。

  1. 資格
    やりたいことへの挑戦権

  2. 資源
    資本の元となる時限的リソース

  3. 資質
    資源を有効活用するための持ち味

  4. 資本
    資産を得ていくための強み

  5. 資産
    働く理由となりうる価値

良いキャリアを築くためにはこのフレームワークにそって順にやっていけばよいということです。本としてはこれらがそれぞれの章となっているのですが、章の最後に自分の現在地点を振り返るための「セルフチェックシート」があります。ここで提示されている「問い」が極めて良いもので、本著の価値はここにあります。読み方としては、むしろチェックシートの問いを眺めてなんとなく自分の答えを頭に浮かび上がらせてから、じっくりと該当の章を精読する。そのような読み方をオススメします。

特に良いなと思ったのが、3章の「原動力」についての解説です。誰しも仕事のモチベーションが湧く瞬間というのがあると思うのですが、実は何にそれが発揮されるのかは人によって千差万別ですし、同じ人であっても環境やタイミングによって大きく変化することがあります。「このひとのために頑張ろう!」だったり「ボーナスUP!」だったりです。

本文では「起動」「駆動」「感動」という3つの系の中に細分化された12の原動力について解説されています。モチベーションというわりと掴みどころのないものが明快に言語化されており、自分がどういうタイプなのか。何に動かされるタイプなのかを知れることは、自身のキャリアを考える上で大変役に立つことでしょう。

本記事のタイトルにもした問い「もう一度生きるとしたら、どんな人生がよいか」。これは青田さん自身が問いかけたものだそうです。リスキリングならぬ、リボーン。この問いを見て、わたしも今一度考えてみよう。そう思わされる本でした。ぜひみなさんも読んでみてください!

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※ タイトル画像は筆者撮影


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