衝撃的ニュースが示す日本のモビリティ業界の"変化"とサービス化のうねり
今回は日本のモビリティ業界の将来について、今週発生した大きなニュースを引用しつつ、大きな流れを深堀りしていきます。
今週2つの大きなモビリティ業界のニュースが入りました。
ホンダと日産が統合に向けて動き出すというニュースは、国内外のモビリティ業界に大きな衝撃を与えています。
さらに米グーグル傘下のWaymoが日本国内で自動運転の実証実験を進めるとの報道は、世界的なモビリティの変革期がますます加速していることを示唆します。
以下では、それぞれの記事の要点と、そこから浮かび上がる業界全体の流れについてまとめます。
ホンダ・日産が経営統合へ
第一に「ホンダ・日産が統合へ 持ち株会社設立、三菱自の合流視野」についてです。この記事によると、ホンダと日産は事業統合に向けて持ち株会社を設立し、将来的には三菱自動車の合流も視野に入れています。
背景には、電動化やコネクテッドカー、自動運転技術などによって自動車の開発コストが一段と増大していることが挙げられます。各社とも独自に研究開発を進めるのは厳しく、グローバルでの競争力を確保するために共同での投資・技術開発が不可欠となっています。
また、モビリティ業界の収益構造が「販売台数」から「ソフトウェアやサービス」にシフトする潮流の中、新たな市場競争に備えた戦略的な再編が必要とされているわけです。
この提携によって、両社は製品開発や生産の効率化、EV・FCVなどの電動化技術を含む研究開発のコスト分担が期待できるほか、グローバルでの販売ネットワークの強化も進めやすくなります。三菱自も合流すれば、東アジアを中心にした生産・販売シナジーの更なる拡大が予想され、国内の自動車メーカー再編の行方が注目されます。
米Waymo、日本で実証実験 GO・日本交通と連携
次に「米Waymo、日本で自動運転実証 GO・日本交通と連携」についてです。
Waymoは米グーグルが自社開発した自動運転技術を独立させて発足した企業で、既に米国内では商用ロボタクシーサービスも展開しています。
今回、日本で実証実験を行うにあたっては、タクシー配車アプリを運営するGOや、日本交通など国内有数のタクシー会社と連携するとのことです。
タクシー業界の運行管理ノウハウや地域ネットワークを活用しながら、日本の交通ルールや道路環境に適応するためのデータを収集する狙いがあります。日本は交通事情がきめ細かく法制度も厳格なため、その規制と環境下で実証データを蓄積することは、Waymoにとってグローバル展開を加速させる上で非常に重要です。
また、高齢化社会である日本では、移動手段の確保が大きな社会問題となっており、自動運転による新しい交通・モビリティサービスの需要が高まるとみられています。
モビリティ業界全体の動きと未来
これらのニュースを総合してみると、全体で次のような動きが見えてきます。
第一に「企業再編」
特に国内メーカーは過去の合併や連合を経てきましたが、電動化・自動運転・コネクテッドカーといった新領域に巨額の投資をしなければならない現状では、更なる再編の加速が避けられません。
単独で大きなR&D(研究開発)を進めるには資本力・技術力・人材の確保など多方面で限界があるため、統合による投資効率の改善や研究シナジーの創出は不可欠といえます。
第二に「IT企業やスタートアップとの連携強化」
Waymoのようにテクノロジー企業が自動運転の主導権を握りつつある状況で、既存の自動車メーカーはソフトウェア分野のノウハウを取り入れようと、国内外の企業との連携を強める動きが顕著になっています。
カメラやセンサー関連のスタートアップに出資するなど、「クルマづくり」から「モビリティサービス」へと企業活動の領域が広がりつつあります。
第三に「社会課題への対応」
日本は高齢化や過疎化が進んでおり、公共交通機関の維持が難しい地域では、電動化と自動運転技術の実用化による移動手段の確保が大きく期待されています。自動車メーカーの統合や海外企業との連携は、単にコスト削減や技術力強化を目指すだけでなく、こうした社会課題に対してどのようなソリューションを提供できるかという視点も重要です。
総じて、ホンダと日産の統合、Waymoの日本進出という2つのニュースは、国内外のモビリティ業界が転換期にあり、新技術・新サービスの開発と普及に向けて業界再編と国際連携、スタートアップとの連携が不可欠であることをあらためて示していると言えます。これからは旧来の巨大自動車メーカー同士の枠を越え、スタートアップや交通事業者、地方自治体、そして利用するユーザーも巻き込んでの協業・普及が進むことで、社会全体を巻き込んだ大きなイノベーションへとつながっていくでしょう。
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