なぜ人は焚き火に惹かれるのか オフィスにも広がる炎の力とは
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
焚き火好きですか?昨今のキャンプブームもあり、焚き火に親しむ人が増えた気がします。芸人のヒロシさんが配信している人気のYouTubeチャンネルでも、ソロキャンプや焚き火の魅力が取り上げられています。
いまではアウトドアの枠を飛び出して、オフィスに炎を導入する会社も増えているそうです。
人と炎の関わりは長く、むしろ人がホモ・サピエンスへと進化するにあたって重要な役割を果たしたのが火の力と言われています。火を道具として活用できるようになったことで、食材を調理することが可能になりました。消化がよくなり効率的に栄養が摂取できるようになったことで、脳の容量の拡大に寄与。また、土器などの道具もつくれるようになったことで、焼くだけでなく煮ることもできるようになりました。そして、外敵に襲われる危険の高い夜の時間も、焚き火を中心に集まることでやり過ごし、またコミュニティへの帰属意識も増したのだろうと想像できます。祭事でも炎は欠かせないものとなりました。
今日でも火の力は深く私たちの文化に根付いています。火祭りや各地で行われていますし、3月と言えば奈良・東大寺の「お水取り」が有名です。
炎には「ゆらぎ」があることから、心を鎮める効果があると言われてきました。しかし、これを科学的に検証した論文はなく、効果と言われるものも定性的な個人的見解に留まっていました。ここに着目した九州大学基幹教育院システム生命科学府の岡本剛准教授は、自らを被験者とした実験により世界初となる焚き火が脳の活動に及ぼす影響を解明しました。
人がリラックスするとアルファ波が出る、ということは広く知られていると思います。焚き火=リラックスだとすると当然これが観測されるだろうと思いますが、事実は逆であることがわかりました。
つまり、焚き火は心理的にはリラックス効果がある一方で、脳内は覚醒度を上げて頭が働くようになるということです。だからこそ、人が焚き火を囲むと普段は気づかないようなことに思いを馳せたり、深い議論が盛り上がったりするのではないでしょうか。そう考えると、オフィスに焚き火を導入することは非常に理にかなっており、新規事業のブレインストーミングをしたり、経営合宿での中長期の戦略の議論をする際などには積極的に導入してもいいのかもしれません。
いよいよ冬が終わり春が近づいてきました。新年度、キャンプシーズンには「焚き火の力」をビジネスに応用してみるのも面白いですね。
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タイトル画像提供:tsyboleg / PIXTA(ピクスタ)
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