クリエイティブ産業:海外進出のヒント集=ドイツ発
日本のアニメやマンガが海外で親しまれるようになってかなり経ちます。筆者は2018年10月から「COMEMO」にて、海外進出のヒントとなるような情報をドイツから投稿してきました。
今回は、ドイツから発信する意味と過去の投稿の中から注目度の高かった投稿を振り返ってみたいと思います。
ドイツの事例から何が見えるのか?
単刀直入に言ってしまうと、ドイツの事例を参考に「では、我々もドイツに進出するか!」とはならないと思います。
実は筆者の意図は別にあります。
端的に言うと、ドイツの事例を知ることで他の外国への関心を読者の皆さんに掘り起こしてもらおうというのが真の狙いです。
この「真の狙い」とは具体的にどういったものなのか、筆者の過去の投稿の中でも特に注目度の高かったもの(閲覧数が多かったもの)をケーススタディとして、具体的に読み解いてみます。
閲覧数・第5位:ドイツで「進撃の巨人」のクラシックコンサートが開催される件
「進撃の巨人」といえば世界的なヒットタイトルですが、そのクラシックコンサート企画が現地主導で動いているという話しです。断言はできませんが、筆者の見立てでは現地からの提案に権利を保有する出版社が許可を与えたという構図です。コンサートの実施は2020年3月なので結果はまだ出てません。
現地主導の企画に協力するという枠組みであれば、海外進出の可能性は増すのではないでしょうか。
閲覧数・第4位:10年先のアニメ文化のために=ドイツの子供たちから学んだこと
ドイツでも若い世代は着実に育ちつつあります。彼らを消費者として見た場合、少ないお小遣いで今買えるものや、10年経って経済力が付いた時に「買いたいモノ」や「したい͡コト」を訴求できる長期的な戦略が求められているように感じます。
閲覧数・第3位:「オタク・テロリズム」:負のイメージの存在=ドイツ時事ネタ
アニメやマンガがドイツで受け入れられる一方で、ネガティブな批判が存在するという話しです。現地の報道などに注目し、非難、批判の事例があれば、受け入れ具合の実態がより多面的に把握できるのではないでしょうか。そしてそれはマーケティングを行う上でも、失敗しないための有益情報になると考えます。事前の市場調査は重要です。
閲覧数・第2位:ボーカロイド海外展開、長年の活動が奏功か=ドイツ語圏
ドイツ語圏であるオーストリアのウィーンでボーカロイドのコンサートが行われるという話しでした。背景には関係者が過去に何度もドイツのイベントに参加していることがあるのではないかという筆者の見立てです。
イベントへの参加も回数を重ねれば、現地の関係各所との信頼が増し、連携がより密になり、そういった中から新たな企画の実施に至るケースもあるのではという見方です。
閲覧数・第1位:ドイツで人気のアニメとは?流通から見えるヒットタイトル
ドイツで販売される旧作アニメについて調べた投稿です。新しいアニメタイトルの発売と同時に、旧作の全話入りボックスの発売が進んでいます。理由は日本と同じだと考えられますが「当時は子供で買えなかった」ということに尽きると思います。当時は買えなかったファンが成長し、経済的な余裕を身に付けて新たな購入者となる、という構図は日本やドイツに限らずどこででもあり得ることでしょう。
海外にライセンスを販売して10年くらい経てば、第2の販売チャンスが訪れる、こういう機会を逃すのはもったいないのではないでしょうか。
以上、閲覧数が多い投稿を読み解いてみました。このような読み方は他の投稿でも可能です。(投稿一覧)
読み解き方から浮かび上がるこれらの観点は、ドイツに限らず他の外国を検討する際でも、有益な視座を示してくれるのではと筆者は考えます。
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タイトル画像:ドイツのアニメイベント「AnimagiC 2005」
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