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爆速!明石市の新型コロナ対策の秘訣。1週間ごとに人事異動してる…だと…?

新型コロナウイルスの影響で多くの人の生活が危機に晒されています。国も地方行政も四苦八苦しながら支援策をまとめていますが、その中でも圧巻のスピードで施策を打ち出しまくる自治体がありました。

兵庫県の明石市です。

明石市独自の10の支援策として、こんなことをすでに実施済み!

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貸与から給付、商品券から納税延期と、幅広い市民のニーズに応えられるラインナップになっています。

この中でもひときわ目を引くのが学生と個人商店に対する緊急支援です。こんなことをやっている自治体は私の知る限り明石市の他にありません。

学生に対しては新学期の学費納入に間に合わせるべく、無利息・保証人不要で100万円を上限に立替払い(※)

※ : なお、この金額はもともと50万円だったのを60万円に増額し、さらに、薬学部や看護学部がこの金額では足りん!ということで100万円に

個人商店に対しては、家賃2か月分の緊急支援金ということで、やはり無利子・無担保で上限100万円の貸付を実施しています。しかも、休業要請に応じたかどうかは問いません。


支援内容や金額もさることながら、特にヤバイと感じたのはスピードです。

学費の多くは5月末に納入期限が迫っていますが、きっちり間に合うように手続きをしています。国が(ようやく…)学生支援に重たい腰をあげたところですが、もうすでにやることやっとる❗️


個人商店の方はすでに500件を超える申込がありましたが、その2営業日後には振込を完了しています。ニ エ イ ギョ ウ ビ ゴ !

さすがオレたちの明石市やでっ😆 と、思いつつ…

いくらなんでもこれはおかしい❗️


だって、そもそも明石市は人口約30万人のベッドタウンで、別にお金持ち都市でもなんでもないんですよ。同じ人口規模のまちと比べても大差ないどころかちょっと貧乏です。

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スピードだってそう。今は日本中の行政がパンク状態。役所のスタッフ各位はサボっているどころか一生懸命頑張ってます。四條畷の東市長のこちらのnoteも話題になりました。国からのオーダーを捌くのだけでもめっちゃ大変です。

なのに明石市はこれに加えて自分たち独自の施策をてんこ盛りにしています。しかも、それぞれを爆速で実現させている…

こりゃ、どう考えても何かある🤔


そんなわけで、明石市の泉房穂市長に電話インタビューを敢行 📱

めちゃ充実&爆速の新型コロナ対策の舞台裏について聞いてみました!

今回は主に新型コロナ対策の財源と各施策のスピードにフォーカスしてお話を伺いました。でも、それが活きてくる大前提は明石市の施策が市民のニーズを捉えていることです。なぜそれができるのかについてはこちらの記事でまとめていますのでぜひご笑覧ください。



💡 どんな自治体だって、これくらいのお金は必ずある


 ー  さっそくですが、まずお金のことについて伺わせてください。今回の明石市の新型コロナ対策の財源は財政基金(自治体の貯金みたいなもの)と伺ってます。めっちゃ貯めこんでたんですね!すごい!

泉市長「それは誤解です。財政基金が財源なのは事実ですが、それは他のまちと比べて多いということではありません。あえていいますが、今回の施策にかかったお金なんて大したことないんです

「明石市の年間予算は一般会計で約1,100億円、特別会計を含めても約1,800億円です。今回の新型コロナ対策として個人商店や学費の支援などに計上した予算は約6億円ですから、全体の0.3%くらい。出せないはずがありません。税収だって毎年ブレるわけですから。これくらい減ることはなんぼでもあります」


 ー た、確かに…😳 でも、他のまちでは「うちはお金がないから…」という話をよく聞きます。それはなぜだと考えますか?

市長「それは『積み上げ方式』で予算をつくっているからだと思います」

「予算編成は本来、市長の権限です。でも多くの自治体では各部署が必要な予算案をあげるところから始まっています。それが積み上がって市長のところにきます。この時にはすでに各部署間で調整までやっていますから、何か変えたくてもその余地がほとんどない」


 ー 行政の前例踏襲主義というやつですね…

市長「そうです。しかも、この予算をあげてきている各部署の職員はその道のプロです。ですから市長が『これは要らないじゃないか』なんていっても『無理です』と言われてしまう。生半可な覚悟ではここに反論できません。市長は強い権力を持っていますからゴリ押ししようと思えばできますが、すると今度は現場が回らなくなってしまいます。それでは市民の皆さまにご迷惑がかかってしまう」


 ー では、明石市は「積み上げ方式」ではないのですか?

市長「違います。うちは現在『市長がやるといったらやる方式』です。まずは市長が必ずやることを決める。それを考えたら、それができるように考えてくれ!と職員に調整をお願いするのです」


 ー (こりゃスタッフの皆さま大変そうだな😅)ある意味、法律が想定している本来の市長のあり方ともいえますね!でも、なぜそんなことができるようになったのでしょうか?

市長「私も最初は無理でした。まともにやれるのに5年はかかりました。私がやりたいことを市議会議員や職員に理解いただいたり、意識改革だったり組織改革だったり、本当に色々やりました。それがようやく花開いてきたのです」



💨 爆速の施策は、爆速の人事異動から


 ー 次に、明石市の爆速のスピード感について伺わせてください。率直にいって、とても不思議です。市役所の職員を増員したりしてるのでしょうか…?

市長「そうではありません。人事異動で必要な部署に人を回しました。例えば、保健所の感染症対策関係の職員数は3倍になってますし、学生や個人商店の緊急支援にはエース級の人材を投入しています」


 ー な、なるほど…! さすが機動的ですね!それにしても、これだけ日々状況が動いているのにそんな適切な人員配置ができたなんて凄い…

市長「そんなことありません。なにせ1週間に1回人事異動を出しているので、必要なところに人手が回せるんです」


 ー またまたそんな〜😆 さすが市長!面白い! ………え?本当なんですか?

市長「本当ですよ。こちらご確認ください」

 ー  (ほんまや…)

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市長「私は『適時適材適所』なんていうのですが、どんなに優れた施策でも、ヒト・モノ・カネがないと動きません。そしてうちはいずれも潤沢にあるわけではないので、工夫する必要があります」


 ー いや、でも市長!普通の行政だったら人事異動なんて年に1回で普通です。民間だって1週間ごとなんて聞いたことありません。流石にこれでは現場で混乱が起きているのでは!?

市長「そんなことありませんよ。実はうちは何年も前から四半期ごとに人事異動をしていました。その時に『5%ルール』を設定したんです」

「必ず毎回5%の人員を他部署に回せるように仕事をしてくれと。これまでは明石市が特に力を入れてきた子育て支援のところに集中的に配分してきたのですが、今回はコロナ対策、というだけです。職員も今更驚いてません」


 ー な、なんと…❗️

市長「やることを決めるには、やらないことも決めないといけません。明石市では実際、いくつか事業をストップさせています。例えば、中長期的な計画案策定や、啓蒙活動系の事業です。これは1年後ろ倒しにする決断をしました」

「市長の強権発動でやることを決めるのは簡単です。でも、実際にそれをやってくれるのは職員です。段取りや人員配置に無理があると、施策も結局遅れてしまって市民の皆さまに届かない。これでは意味がありません。こういった緊急事態では大胆に、されど丁寧にことを進めていくのが大切だと思います」



👫 職員は全員フル稼働


市長「人員配置の話でいうと、もうひとつあります。明石市では現在も職員が全員稼働しています。もちろん、三密状態を避けたり、一部の人はリモートワークにしています」


 ー 感染予防対策で緊急性が低い部署のスタッフは自宅待機させている自治体もあると聞きますが。

市長「これは良し悪しではなくて、私の個人的な想いです。私はこういう時こそ公務員は頑張らないといけないと考えています。今、本当に多くの市民が困っています。そして困っている人を助けるのが公の仕事です」

「この仕事は本当に大変です。でも、だからこそ尊い。職員はみんな本当に頑張ってくれています。」


 ー 明石市民の皆さまの声、ネットなどで拝見しています。市役所の対応に感謝されている声がたくさんありますね。

市長「もちろん、私だって、誰だって、今は何が正しいのかわかりません。でも、市民だって正しい答えがないことくらい知っています。大切なのは、私たちが正しいと思われる答えを本気で模索しているかどうかです。市民はそこをみてくださっているのだと思います」



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認定NPO法人フローレンスでマーケティング。日経新聞が運営するメディアCOMEMOで記事も書いてます。前職はリクルートで営業と事業開発。市長選挙に出馬するもボコボコにされたのが社会人の原点。慶応義塾大学総合政策学部中退。妻と娘と三人暮らし。

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