シンガポールで見た日本の未来理想図(1) 米朝首脳会談の地に選ばれる理由
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ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。私は2015年に当時1歳の娘を連れて夫と家族3人で、シンガポールに移住しました。
なぜ私がこの本『シンガポールで見た日本の未来理想図』を執筆しようと思ったかというと、シンガポールに住んで見ると日本よりも進んでいて快適なところが多く、日本の理想的な未来を先取りしていると感じたからです。
例えば、「1億総活躍社会」「教育改革」「セクシャルハラスメントの問題」など日本が取り組もうとしていることをシンガポールは先取りしていると言えます。
米朝首脳会談の開催地としてシンガポールが選ばれた理由として治安のよさ、マスメディアの管理など秘密保全、交通の便がよく渋滞がなく移動にストレスがかからないというインフラの強さなども挙げられます。
ライドシェアや自動運転など新しい技術もいち早く導入されるので、日々生活が快適になります。イノベーションを起こすベンチャー企業をサポートする受け皿も用意されています。起業をしたり、行政手続きをするのも容易にできます。物事を決めるスピードが速く、非常に合理的、効率的に国がまわっているのです。
約20年前に初めてシンガポールを訪れた時はマリーナベイサンズなどもなく数字の上でも実感としても日本の方が進んでいる印象でしたが、その後の急成長によって今では一人当たりのGDPも日本を抜いています。また、近年では成長率が鈍化しているとはいえ、バブルの頃の日本のような勢いがあり、国民が明るく、自信に満ち溢れていると感じるのです。
シンガポーリアンは日本人の倍稼いで倍使うイメージなのですが、日本にいた時の私は節約を専門にしておりましたが、「節約一辺倒ではいけない。しっかりと収入を上げていかないと、グローバル経済の中、勢いのある日本以外のアジアに飲み込まれる」という危機感を肌身で感じるようになりました。
また、日本人として、勢いのある他のアジア各国に負けたくない。シンガポールに身を置いて、勢いのある新興国の人たちと切磋琢磨して成長していきたいと感じるようになっていったのです。
最初は夫の海外赴任に伴い活動の場を変えることに躊躇をしていましたが、そんな私にとってシンガポールは「住めば都」であり、この地に根を張って長期的な活動をしたい、子供の教育をここで受けさせたいと、その魅力に巻き込まれていくことになるのです。
次回以降、「1億総活躍社会シンガポール」 、「少子高齢化なのに老後不安がないのはなぜ?」 、「ジム・ロジャース氏など富裕層もハマる 世界標準の人材を作る教育」 、「セクハラは鞭打ちの刑?罰則が厳しく犯罪が少ない 」といった各論をお伝えしていきたいと思います。
(2)へ続く