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東京と大阪では皆がほぼ無料 高校の授業料無償化は全国で実現する?
「高校の授業料無償化」をめぐって、日本維新の会との協議を続けています。
現在は国の高校の授業料に対する「就学支援金制度」では、公立の場合、年収910万円未満の世帯に11万8800円の支援をしています。私立高校の場合、年収590万円未満の世帯に約39万6000円の支援と一定の助成を設けています。
東京都や大阪府では、所得制限を撤廃し、より大きな金額で助成が始まりつつありますが、日本維新の会はこの流れを全国に広げようとしています。
東京都では、25年から所得制限を撤廃し、都内私立高校平均授業料相当額の48万4000円を上限に支援、大阪府では、26年度より私立高校の授業料は完全無償化になるため、保護者の授業料負担はなくなります(現在は段階的に支給)。と言っても、授業料などの学費以外にかかる費用ももちろんあるので注意は必要です。
文部科学省の子供の学習費調査(令和5年度)では、高校の学習費総額は、公立高等学校では約59万8000円、私立高等学校では約103万円です。学校教育費に絞ると、私立高等学校では「授業料」の支出が最も多く、年23万3102円(公立は年4万5194円)と子育て世帯にとっては大きな支出です。
海外から日本に帰国をしたご家庭に話を聞くと、日本の学費は助成などもあってかなり安くて助かるという声を聞きます。マレーシア教育移住がトレンドにもなっていますが、費用もかかるために国内に子供を留める効果もあるかもしれません。
他方で日本では一部のインター校も助成の対象になる、外国人も在住していたら助成になるなどです。実際に文京区などでは公立の名門校に中国からの留学生が増えています。シンガポールではインターや外国人は国の助成の対象外で、公立でも外国人の料金は私立並みに高いです。限られた予算を誰にどこまで支給するかにも注目されます。仮に、学費の高い私立やインターを上限なく助成することになったとしたら、投入する金額が大きくなるからです。
自民党・公明党は「年収103万円の壁」引き上げをめぐって国民民主党と協議を続けていますが、「高校の授業料無償化」に財源が使われるとこれ以上の年収の壁の引き上げは難しい可能性もあります。今月中旬が山場になると言われていたので、引き続き見守りたいと思います。
イラスト:ふじいまさこ
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