ジョブ型かメンバーシップ型か、の二者択一のその先へ
今日は雨が降ったり、晴れて青空になったりなかなか気まぐれな天気でしたね。ここ最近もすっきりしない天気が続いていますが、すっきりしないと言えばコロナ禍での働き方ではないでしょうか。
緊急事態宣言発令の4月16日以前より、新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて企業の多くが緩やかにリモートワーク の推進をしてきました。そして緊急事態宣言で大企業などでも実施されるようになり、緊急事態宣言解除後もリモートワーク 推奨を続けている企業も少なくありません。
Plug and Playも引き続きリモートと出社のハイブリッド方式にしていますが、基本的にはリモート推奨。リモートワークを実施しているこの数ヶ月で改めてわかったことが色々あります。
まず一つはコミュニケーション。様々なところで語られている通り、普段顔を付き合わせてのコミュニケーションと、リモートでの”用事がないと話さない”環境ではやり方が異なります。SlackやZoom、Remoなどを使ってみたりとツールの活用もそうなのですが、社内外でヒアリングしていてもチームの文化やどのくらい一緒に働いているかなどでもリモートがどう影響しているかは違うなぁという感想です。どこかで調査もやってみたいですね。
ちなみに、先日モデレーターを担当したメルカリのBusiness Day#4のセッションで、予防医学研究者/博士の石川さんが「雑談をしなくなったのではなく、雑談を聞かなくなった」というお話をされていたのですが、久しぶりに出社して実感したのがこれ。オフィスの中で誰かが話をしていて、内容の詳細は分からなくても話している雰囲気や声で、そのチームや個々人の関係性が感じられるのがオフィスにあってリモートにないものなのだなと実感しました。Slackで文字だけ追っているとちょっとピリピリしていているのかなと思っていた人たちも、そういうコミュニケーションスタイルなだけでなんの問題もない・・ということも発見の一つでした。
そしてもう一つわかったことが、リモートワークが有効な職種や企業と、そうでないものがあるということ。ジョブ型の話も出るようになりましたね。
外資だとジョブ型が当たり前なので弊社もそうなのですが、社外の方に相談される「どう管理したらいいのかわかりません」「どう評価したらいいのかわかりません」が社内では話題になりません。普段からグローバルのチームと働くことも出張も多く、”基本的にオフィスに出社しない”ということを除けば実は現在のリモートとあまり状態が変わらないのでは、と。
一方、今まで”日本型”のいわゆるメンバーシップ型の雇用形態を長く実施してきた企業がいきなりジョブ型に変更するのは、そんなに簡単なことではありません。もちろん富士通のように取り組む企業は全力で応援したいです。ただ、企業側が準備できても個人側の準備ができていないことも考慮が必要ではないでしょうか。
準備ができている・できていなは反対もあることです。働き方改革が叫ばれるようになってから、個人は様々先行して新しい働き方を実践している人たちの話を聞き、自分はこうしたい!と思って会社に交渉しても会社側の準備が十分でなくて提案を受け入れてもらえないという事がありました。ただ会社と個人の関係性は残念ながらまだ対等ではありません。会社の方が断然強い力を持っているため、今回のジョブ型導入については会社側がこうしたい、と進めれば個人は受け入れるしかないのが実情です。
個人的にはジョブ型に賛成です。責任の範囲がわかりやすく、キャリアプランを考えやすく、自分で行動しやすいのがジョブ型のいいところです。もちろん自由が増す一方で、責任も増えます。
新卒で入った会社はメンバーシップ型、その後ジョブ型の会社に転職して私はこっちの方が合っているなと思っています。でも、反対の人もいるはず。at Will Workでは働き方の選択肢について話をしますが、このジョブ型・メンバーシップ型も同じ事だと思っています。
なので、個人の選択肢と同様に会社にも選択肢はあって然るべき。ジョブ型に移行しない会社があってもいいのではないでしょうか。管理やしやすいからジョブ型に移行、ではなくメンバーシップ型の雇用でも、リモートワーク下での働き方・評価の仕方を考えていく事を考えていく必要があります。
将来的には、企業・個人共に様々な働き方が選択でき、あらゆる選択肢が共存していて、結果的に成果を出しやすい環境が構築できればいいのではないでしょうか。ジョブ型か、メンバーシップ型かという二社択一ではない世界がこれからは必要とされているのではと考えています。
安定しない天気の中でも、今日は晴れ間に虹が。でも虹が見えて、晴れていても雨が降る不思議な天気でした。不思議な天気だけど、こういう天気もありだなと思うと晴れ・雨の2つだけの選択肢ではない世界もいいのではないでしょうか。(でも早く梅雨はあけて欲しい!)