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自分の取説

「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」という書籍が、ベストセラーの記憶に新しい。身近なのにどうにも理解できない配偶者の行動を、男女脳から説いた「バイブル」だという。

実は、配偶者の行動はもとより、私たちは自分の行動でさえ、本当は良く理解していないことが多いのではないか?慣性で同じパターンを繰り返すものの、ベストな時間の使い方をしているのか、改めて問い直すと、心もとない。

「トリセツ」という概念は、行動パターンを見える化・公式化することにより、改善を可能にする。ちょうど電気製品の取説が、故障状態を分別して対処方法を教えてくれるように。

ならば、自分自身を客観視して、自分の取説を持てれば、マンネリに陥りがちな行動のブレークスルーが可能なはずだ。

例えば、私の場合、放っておくと情報インプット過多になってしまう。一種の現代病とも言えるが、ありとあらゆる情報は手のひらサイズの携帯にあふれ、電車待ちの隙間時間にさえ、パブロフの犬よろしく、すぐに新しい情報を仕入れている。

まるで材料を詰め込み過ぎたフードプロセッサーが回らないように、インプット飽食状態は、生産性が非常に悪いことは証明済だ。ドラッグのように飽きず情報を求める一方で、それを咀嚼する暇はおろか、アウトプットとして自分らしい何かを生み出す余裕もない。

ゆえに、今年2020年は、インプットとその処理、アウトプットのバランスを意識したい。時間の余白を新しい情報で埋め尽くす衝動を抑えて、アウトプットにつながる余白として残したい。

もちろん、取説の中味は、ひとによって違うだろう。個々人に依存した「ライフハック」とも言える。

例えば、私は自分に「散らかり度合が我慢できなくなる閾値」のようなものがあることを、経験上知っている。ある程度、散らかっていても見てみぬふりができるが、どこかで片付けスイッチが入る。まあ、かなり許容度がある方かも知れないが・・・

もし、こんな習性を知っていれば、わざと心置きなく散らかして、早めに閾値を超えるというのも、逆説的に片付いた部屋に近づく手だ。

逆説ハックは、仕事にも応用できる。たとえば、ページから大きくはみ出す付箋が生理的に嫌いなので、早く消化したい資料にはわざと付箋をひらひらさせて「この付箋、早く取りたい!」という欲求を、やる気に昇華することができる。

他人の行動は、たとえ理解できたとしても、変えるのは難しい。一方、自分の行動は、気持ち次第で変えることができるのが、救いだ。

2020年、あなたは何を変えますか?

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EY Japanでパートナーを勤める戦略コンサルタントです。世界の流れが大きく変わる今、「一見変わらない日本」がどう変わるのか、日本人がどう生きるかに興味があります。コンサルタントの現場感と外からの視点を大切に、幅広いトピックを扱います。
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