定住は考えていないが家を買った、家族会議の内容を公開
『お母さん、私、関東で家を買おうと思う』
私が突然そう言うと、実家の母は、いつもの大きな声を出し驚いた。そして、すぐさま「お金はあるのか?」「本当にその場所で大丈夫なのか」と、様々な方向からの質問が飛んできた。
定住は考えていなくても、家を買ってみた
母の時代であれば、仕事も生涯変わらない前提で人生設計が組まれるので、家を買うことは、すなわち「そこで一生過ごす」ということを意味した。
しかし、2拠点居住も3年目を迎えた今、私は現時点では生涯一つの場所に定住することは考えていない。旦那さんも同じ考えのようだ。
しかし、それでも私たち夫婦は、昨年の冬、新築マンションの一部屋を購入した。
その経験を、#それでも家を購入しますか?という問いにのっかって、書き残しておきたいと思う。
独身から子育て世代への変化で、変わる住居の条件
独身時代や、子供がいない時代は、毎月、地方出張があった。家にいる時間も少なく、住居費を抑えようと狭い賃貸に住んでいた。狭い場所でも快適に住めるようにと、ミニマリスト宣言をしてポイポイと服を捨てる。そして結局は風邪を引く....そんなことをしていた時期もあった。
しかし、子供が生まれると、住む場所に必要な条件や機能がすべて変化する。ここまで変化するのかと驚愕するほどだった。
初めての子育てに挑みながら、子供が安心できる、またリモートワークを快適にできる場所が必要だと言う考えになった。そして、まだハイハイしている息子が歩き出すであろう年内までをゴールに、家を購入することにした。
夫婦での話し合いの大切さ
家を買ってみて思うのは、「購入する」ことは「大きな決断」だ。しかし、それ以上に住む場所以外の選択肢をたくさん「決断」しなくてはいけないことに驚いた。
仕事も人生も、ずっとを予想することは難しい。計画どうりに行かないことも多いし、決めた後に気持ちが変わることだってある。
私達は、仕事や保育園、小学校など、いろいろな選択肢を、色々なスパンで考えすぎて、夫婦の話し合いが全く進まないときもあった。
話し合いは、とりあえずの期間を決めてみる
「このままじゃ、埒が明かない。次の5年に限って考えてみよう」
ある時、そんなことを思い立ち、期間を限定して話し合ってみることにした。そうすると、家を購入するための必要の項目を比較的楽に書き出すことが出来た。また、仕事の状況が分かるので、現実的な予算も見えてきた。
・子供の子育て環境(主に幼稚園 / 小学校は後回し)
・仕事の状況
・平日の理想的な過ごし方
・土日の理想的な過ごし方
・会いたい人たちと会える頻度
・絶対に近くに欲しいものは何か
・次の5年の収支計画
・2拠点ライフを送りやすいか
・コロナによるリモートワークの環境はいつまで続きそうか
自身のライフスタイルに合った選択肢か否か
私たち夫婦は、持ち家、賃貸、マンション購入など様々な選択肢を眺めながら、自分たちが理想とする一日や、週末の過ごし方ができる選択肢として身の丈にあったマンションの一室を購入した。この決断をするのに夫婦で8ヶ月ぐらい話し合った。そして両家の親にもいろいろと相談に乗ってもらった。
家を買ってみて感じるメリット・デメリット
8ヶ月に及ぶ家族会議を経て家を購入してみた結果、今の生活にとても満足している。広い家になったからか、子供も泣く回数が減ったように感じる。全体的に身の丈にあった判断をしたなと思いながらも、購入後に私が感じる『持ち家を持つ』ことのメリット・デメリットも書き出してみようと思う。
●メリット
・広い家に住みたいと思った場合賃貸より安かった(賃貸より -3万/月)
・(保育園に近い) 拠点ができる安心感を得られる
・資産になる
●デメリット
・移動(引っ越し)がしづらくなる
・ローン返済の支払いが35年続く
・初期コストが数百万ほどかかる
『賃貸 vs 持ち家』か?という議論以上に大切なことがある
この8ヶ月を振り返って思うことは、『賃貸 vs 持ち家』か?という議論以上に、『家族がどう過ごしたいかという話し合いを続けることが』何よりも大切だということだ。
自身の理想的な一日の過ごし方は自身でも言語化出来ていないことが多い。そして家族の想いも、意外と知らないことが多いなと感じた。
住宅コンシェルジュや不動産営業マンも、いろいろな選択肢を提案してくれるプロフェッショナルだが、『理想の生活イメージがない人には、理想の家を提案できない』と言っていた(おそらく押し売りされるか、買っても後悔する結末になると思う)
どこに住むかはとても大切。それ以上に、『家族とどう過ごしたいのか』を話し合っていることはもっと大切。
一生定住を考えていないからこそ、一生話し合っていこう。
定住を考えてはいないが、家を買ってみた経験を振り返って、そんなことを思っていたりする。
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