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アニメ・ライブエンタメのゆくえ:ドイツのコスプレ舞踏会の場合

ドイツ西部のルール地方で先日、コスプレ舞踏会「Mahou no Yoru(魔法の夜)」が開催されました。会場はドルトムント近郊の町にあるホールです。建築様式はユーゲントシュティールで歴史的建築物として保護されています。公式サイトではコスプレ舞踏会の写真が公開されています。(以下の写真は公式サイトで公開済みのものをスクリーンショットで保存したものです)

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コスプレといえばアニメやマンガが好きな人たちによるファン表現のひとつとして、日本の国内外で定着したアニメやマンガの楽しみ方のひとつだと思います。

ドイツでは近年、歴史的建築物内で実施されるコスプレ舞踏会が人気のようです。元々はいわゆる「アニメコンベンション」といったファンイベントのプログラムのひとつとして実施されていましたが、最近はイベントからスピンオフし単独開催に至っているケースがあります。

筆者は2016年にある雑誌向けにシュヴェツィンゲン城で行われたコスプレ舞踏会を取材しました。広大なバロック式庭園を有する宮殿の大広間でコスプレを楽しむ男女が踊っていたわけですが、このイベントは今年、近隣のハイデルベルク城に会場を移しました。ハイデルベルクの城といえば、旅行会社のパンフレットのドイツ編に必ず登場すると言ってもよい定番の観光スポットです。

ハイデルベルク城やルール地方のコスプレ舞踏会のほかにも、筆者が最近注目しているものとして、ドレスデンのコスプレ舞踏会があります。ドレスデンのファンイベント「DeDeCo」は例年2月に開催されるアニメコンベンションです。今月、関連イベントとしてコスプレ舞踏会を実施しました。(以下の写真は公式サイトで公開されたものの転載となります)

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こちらの会場はビール醸造所に併設された舞踏会ホールです。建築様式は新古典主義で、まさにヨーロッパ!という絢爛豪華な内装です。

コスプレ舞踏会のは内容は、共通するのはドレスコードが決められている点です。肌の露出が多すぎる衣装が制限され、エレガントな盛装が求められます。社交ダンスの初心者に向けた練習会(タイトル写真を参考)が提供されることもあります。また、当夜のプリンス・プリンセスを決めるダンスコンテストが開催されることもあれば、招待ゲストによるショーが行われることもあるようです。

単独開催によるコスプレ舞踏会は、ドイツの歴史的建築物という豊富な文化資源と日本のコスプレ文化の融合といってもよいかもしれません。アニメ・マンガ文化は、グッズ購入などの「モノ」消費からライブエンタメなどのイベントを体験する「コト」消費に広がりつつあるという指摘されることが最近増えました。

コスプレ舞踏会はアニメ・マンガ文化を体験するライブエンタメのひとつのカタチなのかもしれません。皆さんは参加してみたいと思いますか?

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タイトル画像:シュヴェツィンゲン城で開催されたコスプレ舞踏会の事前練習会の様子(写真撮影=Lena Kluth、2016年)


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