世界をシンプルに考える。
広告業界におけるこの2、3年の流行語と言えば、間違いなく「パーパス」だろう。
パーパスは直訳すれば「目的」だが「その企業・ブランドは何のために存在するのか」という存在価値的な意味で使われることが多い。
世界各国の広告賞では、広告主の「パーパス=存在意義」を体現した取り組みが称賛され、いつしかパーパス・ブランディングと言われはじめた。
Googleトレンドで、この3年間の推移を見てみると、今や「パーパス」は「ブランディング」を超えるキーワードとなっている。
これまで、企業の存在意義などはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)で整理されてきた。
しかしこのMVVというフレームは、正直わかりづらかった。
わかりづらいのに、なんとなく皆が使っていた。
そこで以前、僕なりにシンプルに作り替えたら、大きな反響があった。
同じことを感じていた人が多かった証拠だろう。
僕にとって「パーパス」は、MVVが一言にになった印象だ。
その企業・ブランドは何のために存在するのか。
要するにそこが大事で、その納得感や共感がブランドを強くしていく。
そんな中、今月の日経COMEMO 投稿テーマは「 #個人パーパス 」だ。
企業のパーパスが大事なのはわかった。
じゃあ個人のパーパスはどうだろう。
自分の存在意義はなんだろう。
つまり、僕のパーパス(存在意義)はなんだろう、という話だ。
とても難しい話だが、今あえて言葉にするなら
「世界をシンプルに考える」かもしれない。
今日はそんな話。
■そんなカンタンな話じゃないんだよ!
僕は普段から、この日経COMEMOやnote、Twitterなどでパワーポイントを駆使して活動している。
パワーポイントと言っても、そのデザインにこだわっているわけではない。
こだわっているのは、simplify(シンプリファイ)。
つまりシンプルに伝えることだ。
よく「構造化がテーマですよね?」とも言われるが、構造化は目的ではない。シンプルに話すための手段だ。もちろんパワーポイントも手段。
だからシンプルに伝えるために、構造化しない時もあるし、Excelを使う時もある。
例えばこんな感じ。
(結局、Excelをパワポに貼っている)
上の図で言えば、僕の活動領域は②ということになる。
正確に言えば、④の議論を②に変えること。小難しく議論されて停滞、紛糾している議題をターゲットに②を行っている。
主にビジネスのこと、嫉妬感情のこと、婚姻制度や多様性のことが多い。
たまに「そんなカンタンな話じゃないんだよ」という言葉をもらうが、「そんなカンタンな話」にしようとしているので、このバランスは難しい。
■カンタンな話にする方法
そんな②の活動で目指しているのは「そういうことだったのか!」という感覚を持ってもらうことだ。
このsimplify(シンプリファイ)に大切な視点は2つ。
・ゼロから考えること
・1つずつ考えること
まずは頭をゼロにすることだ。予備知識があると、どうしても先入観が生まれる。僕は幸か不幸か、あまり知識量が多い方ではないので、頭をゼロにしてフラットに考えやすい。
もう1つは、2つ以上の話を混ぜないこと。上の図もそうだが、要素を1つずつ分けるのが重要だ。
例えば「複雑な話」というのは「実際に複雑なテーマの場合」と「勝手に複雑に捉えている場合」の組み合わせによって生まれている。要素を分けて、1つずつ捉えれば理解しやすくなる。
僕はまた幸か不幸か、2つ以上の話混ぜて話されると脳内がキャパオーバーになってしまうので、1つずつ分けて考える癖がついている。
この2つさえ意識して話せば、④の議論は②の領域で話すことができる。②の領域で話せれば、知識量の差に左右されない(マウンティングされない)フラットな議論ができるだろう。
■本来はぜんぶシンプルな話
②の領域で話していると、ある疑惑が浮かんでくることが多い。
それが「もともとはシンプルな話なんじゃない?疑惑」だ。
実際「複雑な問題」とされている議題を、丁寧に紐解いたらシンプルな話だったことが多い。冒頭のMVVも同じだ。
この感覚を持てれば、②の領域は①に変わる。
これがsimplify(シンプリファイ)の本随とも言える。
①になれば、そこには垣根がなくなる。大人と子どもでも、違う背景を持っていても、国籍が違うもの同士でも、話が通じるようになる。
simplify(シンプリファイ)ができれば、専門家だけで話し合われていたような複雑な内容を、もっとシンプルに、もっと多くの人と、同じ目線に立って話すことができるのだ。
それはきっと今、世界で必要とされていることではないだろうか。
世界をシンプルに考えること。
これが僕の個人パーパスだ。
#日経COMEMO #あなたの個人パーパスは
サポートいただけたらグリーンラベルを買います。飲むと筆が進みます。