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戦争もしていないのに、戦争時以上に男が減り続けている理由

未婚男女の人口差は300万人の男余りだ(20-50代)という話は、こちらの記事で以前しました。

総人口で見ると、2015年の国勢調査では、総人口1億2700万に対して、男約6184万、女6525万と、実は女人口の方が多いのです。男女比にすると0.95%。つまり、男女出生率は1.05で男の方が5%多いのに、総人口は女の方が5%多いことになります。

これは、女性の方が長寿だからということなんですが、長期的に人口男女比を見てみると、おもしろいことがわかります。

太平洋戦争前の1937年日中戦争がはじまるあたりまでは、実は人口男女比は男の方が高かったのです。戦争の激化とともに男女比は逆転します。つまり、戦争とは男の数を極端に減らすものなのです。それは理屈としてなんとなくわかりますよね?

しかし、日本は1945年以降一度も戦争をしていません。戦後は2度のベビーブームがあり、確実に出生数が男子が多かったのですが、男女比はそのまま女が多い形で現在に至ります。最近はより一層男の比率の減り幅が大きくなっています。戦争もしていないのに、戦争中、いや、むしろ戦争中よりも多く男が減っていることになります。

というより、今男だけなんらかの戦争をしているのか?


なぜ現代は、戦争並みに男が減っているのでしょう?

この解は「男が減っているのではなく、女が減らない」からです。こうした現象を引き起こししているのは、まさに戦後~最近まで続いた「少死時代」のためです。

もちろん少死は男性も同様ですが、それでも平均寿命は女性の方が合うです。要するに、女性の寿命が延びているため総人口男女比は女性が多くなるという事です。

戦後70年以上、死亡率が10.0以下の時代が続きました。これが現在の超高齢社会へと続いているのですが、今後は一転して「多死時代」に突入します。太平洋戦争の1年あたり死者数に匹敵する年間150万人以上の死亡者数が50年以上続きます。その多くは75歳以上の高齢者であり、死亡男女比は女性の方が多くなるでしょう。

となるとまた50年後には、男女比の逆転現象が起きるかもしれません。

人口学的に、人類は「多産多死→多産少死→少産少死→少産多死」というサイクルで流れます。現代の日本及び世界の先進国はみな「少産少死」の時期にいますが、日本が世界に先駆けて「少産多死」国家となるでしょう。

そして、このサイクルが一段落した時、人口構成はまた再編成されていきます。その時期は、多分2100年以降、日本の人口はその時6000万人になっているはずです。

こうした人口の動きは、誰がどうあがいても変わりません。

大切なのは、人口減少悲観視してヒステリックに騒ぎ立てることではなく、これから到来する「多死社会」をどう迎えていくかの心構えの方です。「多死社会」への適応戦略次第で、次の時代「出産が増えるのか」「このまま少産のままで静止人口時代を迎えるのか」それはわかりませんが(僕は静止人口時代になると思っているけど)、とにかく「多死社会」をどう切り抜けていくのか、が大きな課題なんだと思います。

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