【現実はドラマ以上に過酷】銀行の実態に迫ります。

こんにちは!めがねシャチョウです。

こんな記事を見ました。半沢直樹、話題ですよね。


今日は、銀行の実態について話します。読者の方には、大学生や若手社会人の方も多いと思いますので、就職活動や転職活動にも参考にしてみてください。

(1) 銀行は本当にあんな感じなのか?

銀行といえば、皆さんおそらく例のドラマが頭をよぎると思います。
言うまでもありませんがが、半沢直樹ですね。
あのドラマに出てくる主人公を含めて、銀行員の人たちはかなり激務に見えますよね。

ミスに厳しすぎる上司やかなり遅い時間までの残業など、様々な場面が描かれていますが、実際のところどこまでリアルなのでしょうか?

少し興味深い調査があり、7月にある調査会社が会社の口コミサイトを用いて、現役の銀行員と直近まで銀行員だった人を対象に、銀行がブラック企業であるかどうかを調査した結果、3人に1人が「銀行はブラック」と答えているんです。

銀行でも定時退社などが一般的になり、働き方改革が進んできた中でも、未だに3人に1人がブラックと感じているのは、銀行の業務に潜む闇の根深さを感じます。

もちろん半沢直樹はフィクションなので、脚色が大きい点もあります。
しかし実際の現場では、ドラマ以上に激務で理不尽な点も多々あるんです。


(2)圧倒的な激務と途方もないノルマ


まずは銀行の激務から解説していきましょう。
これは半沢直樹を見ても、非常にわかりやすいと思います。

ドラマではよく部下が先に帰った後、半沢が一人残って作業をしているシーンがありますよね。

あれは本当の銀行でも全然普通に起こりえることなんです。

むしろ部下を帰らせている半沢と異なり、現実の世界では若手が深夜まで残って作業する必要があります。

銀行は顧客の資産を取り扱っている以上、本人確認などの書類は極めて丁寧に確認する必要があります。

ましてや送金やローンなどの資産の移動で、実際の金額を処理する際にミスがあることは許されません。

仮に一文字でもミスが発生していた場合、それは勝手に訂正することは管理上厳禁であるため、顧客に再度来店してもらい、顧客自身に訂正してもらう必要があります。

そのためミスが発覚すると、追加の事務処理を含めて、対応にとんでもない時間を割くこととなり、処理が終わるまで残業をすることも珍しくありません。

また銀行では、商社やITのセールス以上に、非常に厳しいノルマが課せられています。

銀行では通常の預金以外にも、外貨や証券などの様々な資産運用のオプションがあり、それらの手数料は銀行の貴重な収益源となっています。

正直銀行としては、お金に強い企業への融資に対する利子よりも、お金に疎い個人へ金融商品を売り、その手数料で稼ぐ方がめちゃめちゃ楽なんです。

そのため各銀行員には、出来るだけこのようなサービスを売りつけようと鬼のような営業ノルマが課せられていて、達成できなければ上司に激怒される、なんてことが実は日常茶飯事なんです。

そんな銀行の中でも、実は昨年、三井住友銀行がメガバンクで唯一、金融商品の個人ノルマを廃止したことが話題になりました。

こういう情報を得るためにも、就活や転職をしたい人は、普段から様々な情報源にアンテナを張りましょう。


(3)多すぎる転勤と地方イベントでの拘束


二つ目は、銀行は転勤が多すぎるという点です。

実は一般的に、多くの銀行員は2,3年に1度、早い人では1年という非常に短いスパンで、地方への転勤を余儀なくされています。

これは特に全国に支店を持っている、メガバンクで多く発生している問題だと言えます。

銀行では、特定の銀行員とその地域の企業や顧客の間で癒着が発生してしまうことを防ぐために、定期的な人員転換を進めています。

しかもここでさらに厳しいポイントとして、仮に癒着があった際に口裏を合わせるスキを与えないために、いきなり2週間後の転勤の辞令が出るなど、あまりにも突然通達されてしまうのです。

これは確かに、お金を扱っている企業のリスクマネジメントとして、当然といえば当然なのですが、銀行員が家庭とバランスが非常に取りずらい大きな原因でもあります。

実際に地方支店に勤務している銀行員は、単身赴任である場合も多く、定住できないことから、持ち家を持てない人も結構います。

地方の話題で、特に地方銀行の銀行員にとっては、地域のイベント対応によって、休日が返上になってしまうことも多々あります。

メガバンクが各地に進出している一方で、特定の地域に支店を構えている地方銀行、いわゆる地銀は地域密着型のサービスで差別化を計っています。

とりわけお年寄りの多く、狭いコミュニティの地方では、顧客に対する印象がビジネスに直結してしまうため、銀行員は地域社会への貢献をアピールすることで、顧客層を取り込んでいます。

そのアピールのために銀行員は週末でも、自治体で主催されている夏祭りや交流イベントへの参加を余儀なくされ、結果的に休日が無くなってしまっているというパターンは、地銀では珍しくありません。


(4)上下関係は絶対!果てしなさ過ぎる出世レース


最後に、銀行の話題で避けては通ることができない、上下関係と出世について話していきたいと思います。

銀行における縦社会は、これまで紹介してきた業界とは、比べ物にならないほどに厳格なものです。

部下は上司、支店は本部に従うことが絶対であり、基本的に上からの命令を、下の人間が覆すことはまずできないと言っても過言ではありません。

あまり身の回りで銀行関係の知り合いがいない人は、半沢直樹を見たときに、「上司に対してもビシバシ言える半沢、かっこいいなあ」みたいに思うかもしれませんが、あれほどではなくても、実際の銀行で上司に物申すタイプの銀行員がいたとしたら、その人は真っ先に出世コースから外れることは間違いないでしょう。


銀行の組織構造は、非常にわかりやすいピラミッド構造になっていて、新入社員は、まずヒラの行員として5年から10年を過ごします。


その後、その内の半分ほどが調査役や代理に出世し、さらに5年ほど経験を積むことで、さらに半分程度が上席調査役や上席代理に、そのまた5年後に今度は本部の次長クラスか支店長、5年後に本部の部長クラスか大型支店長、そして役員へと、最後まで昇り詰めることができる人は、新卒のうちの1%にも満たないほどです。

この出世コースに載り続けるためには、証券取引などの資格試験に合格していくことも重要ですし、何よりもいかに仕事でミスをしないかということにつきます。

言ってしまえば、銀行の評価は「減点方式」なんです。


そのため銀行で出世するには、入社後に成果を挙げてもあまり意味はなくて、出世していく人は、もはや入社時点でほんの一握りのエリートに決まっているといっても過言ではありません。

そういうこともあって、毎年1000人規模で採用をしているメガバンクでも、5年が経つ頃には同期が半分消えているなんてことは、実はよくあることなんです。

もちろん毎回どの業界でも説明しているように、銀行に就職するメリットもあります。

特に10年以上勤務を継続できれば、その後関連会社や転職後に財務担当のそこそこよいポジションがもらえることもあります。

また銀行のビジネスは、融資をすることで企業を助けて成長させるという面では、経済の発展の一端を、かなり直接的に感じることもでき、給与水準も高いことから、安定した職を求めてる人にはあっていると言えます。

しかし一方で、厳しい環境である以上、銀行の枠組みを超えての自らのスキルを磨いて、挑戦する環境はほとんどないと言えるでしょう。

キャリアとしての銀行員という少し別の視点から見てみることで、半沢直樹のストーリーの感じ方も変わってくると思います。

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