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キューバの街角でリモートワークの難しさに悩んだ5年前

あっという間に8月ももうすぐ終わりますね。9月が来ると思い出すのは1社目でマネージャー昇進がかかった目標達成の追い込みと(最終日まで達成が確定せず、経理が締まる1時間前に奇跡的な受注で達成しました)、5年前の世界一周しながら働いた日々です。

8月24日に日本を発って約1ヶ月、アメリカ→メキシコ→キューバ→チリ(イースター島)→アメリカ→イギリスと巡って、時差とネット回線と戦いながら休みではなく”勤務”扱いにしてもらって働きました。Googleを辞めた後、世界一周しながらat Will Workの立ち上げをすればいい、と元旦那さんにプレゼントしてもらった世界一周チケット。有効期限は1年で、あれ、どうするんだっけ・・・?!という話になり、入社前に色々ディスカッションをした結果、1年の予定を1ヶ月にして行くということで了承してもらうことに。

コロナ禍でワーケーションの話も増えましたが、先駆けと言われるJALの取り組みも2017年。それよりちょっと前の話で、まだ”ワーケーション”という言葉もなかったし、ずいぶん上司や同僚に助けてもらいました。3月中旬に入社して8月末に出発、と今から考えたら社内でまだなんの実績も出せていない時に、よく実行したなと思います。時々「あれ、なんであの人いないの?」と言われていたのを聞いたのは後の話・・。

戸惑いは私自身にもあったようです。メキシコからキューバに移動した時に風邪をひいてしまい、自分だけの設定でFacebookにこんなことを書いてました。

想定内外のことが色々起こり、それも調整・納得しつつ、決めたとはいえ、このタイミングじゃなかったんじゃないか、じゃいつなんだ、どんな状況でも選択できるのが大事なんじゃないの、実現するためにはどうしたらいいんだろう・・・と無限ループ。
働き方って難しい。自分一人じゃないし、全部調整できないし、全然思ったようにいかない。そのなかでどうやってベストを尽くすか。

この年の5月20日にat Will Workを設立して、「"働き方"を選択できる社会」を創る、それを私自身が体現することも大事だ、とある意味言い聞かせていたのかもしれません。

広報という仕事で、取材は遠隔でも対応できるしミーティングも参加できる、前職でもWork From Homeはやったことがある・・・時差だけが課題だと始める時は思っていたようです。でも、その時差を考慮しての調整は想定以上に大変でした。そして何より当時難しさを感じたのは「自分だけがリモート」な状況での働き方、だったと思います。下記の記事にある通りまさに孤独を感じていました。

通信が切れたらその先の雑談が聞こえない、というのは想像以上にじわじわきていました。ふとした会話の中でわからないことがあると、不安になってしまうということが繰り返しありました。

at Will Workを始めた頃から、リモートワークについては積極的に実施すべしとカンファレンスや取材でも話をしていましたが、その時に同時に話をしていたのが「みんなで実施すべき」ということでした。誰か特定の人が数名だけリモートワークを実施するとそれは特別な取り組みになってしまいます。でもなかなか全員でやるきっかけもない・・・ということが一気に変わったのが新型コロナウイルスの感染拡大です。

一気にチーム全体、会社全体でリモートワークに取り組むところが増えました。総務省の調査によると2019年に働き方改革関連法が施行された時は20%ほどの導入率でしたが、現在は全国平均で30%弱。東京都の発表を見ると、第一回目の緊急事態宣言(4月)の前、3月は24.0%だったのに対して緊急事態宣言中は62.7%に上昇、直近の7月時点でも61.9%と全国平均と比較すると高い水準で推移しています。

大企業と中小企業、そして業種によってもリモートワークは簡単にはできないかもしれません。それでも、考えなかった人はいなかったのではないでしょうか。実際に導入の難しさに直面すること自体が大切なことです。また、コロナ禍でここまでリモートワークの実施が拡大し、そのメリットやコミュニケーションの難しさを実感している人が大幅に増えたことも、これからの働き方の選択肢を作って行くための必要なステップだと思います。

コロナ禍で日本だけではなく、世界中の人が変化することを余儀なくされました。今もまだ、これからどうなるか誰もわからない状況です。リモートワークがメインの働き方になるのか、オフィスに回帰するのか世界中でも揺れています。このきっかけをどう次の未来に繋げて行くのか、どんな選択肢が生まれて行くのか、5年後のどこかでまた振り返って答え合わせをしてみたいですね。


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