IT導入補助金の活用で、使う人が未来をつくる
未来をつくる。それは、新しい技術、プロダクト、サービスなどを生み出すベンチャーだけで実現できるものではありません。それらが社会実装されて、初めて、未来は現実となります。
使う人のための支援制度
以前、経団連の会合に参加させていただいたとき、当時の経産大臣だった世耕議員に意見を求められ、未来をつくる二つの動きについて話す機会を得ました。
イノベーティブであると言われるベンチャーに対する助成金制度はたくさんありますが、導入先に対する支援がとても少ない。未来を現実のものとするには、新たなプロダクトやサービスを導入し、使うという、社会実装そのものが必要。それは、新しい、実績のない、不安定な、未知数な価値に対して、事業責任を負いながらも導入を提案し、決済をとり、実装し、使ってくれる人がいてこそ。そうした勇気あるファーストユーザーを支援する仕組みが、本当に大切だと思うのです。
そして、IT導入補助金というものがあります。
このIT導入補助金は、そうした動きを支えてくれるひとつだと思います。導入金額の3/4が補助されます。こういった、様々な制度を活用しながら、次の時代の社会実装を進めていきたいです。
いくつかの企業が同補助金の対象となったというプレスリリースを出しており、中には株価が上がりストップ高をとなった企業も。
今回、僕が関わっている医療VRベンチャーのHoloeyes株式会社も、この「IT導入補助金2020」のIT導入支援事業者の特別枠に採択されました。
つくる人と使う人との連携
未来は、つくる人だけではなく、使う人がいて、ようやく現実のものとなります。
作る人にスポットライトを当てることも大切ですが、ユーザーとしてのイノベーター層、アーリーアダプター層に対する社会的リスペクトが、もっともっとあってよいのかもしれません。そして、多くの人が、よりよい未来につながる革新的サービスを、多少のハードルがあったとしても、積極的に導入するという状況を作り上げていきたいと思います。(詳しくは下記「使う人が未来をつくる 活用的推進者の重要性」にあります)
今目の前にある、それを使うことで近づく未来があります。目の前にあるそれを食べることで近づく未来があります。作ることと、使うこと。それぞれ、未来につながる行為なのだと意識することで、よりよい未来に近づいていくことができる。未来を作り出すことは、何も難しいことばかりじゃなくて、きちんと選んで使うことだけでもよいのだと思うのです。未来は、すべての人がともに作り上げるものなのだと、改めて感じます。(詳しくは下記「ともに作り上げる未来「亭主・正客」の構造」にあります)
社会実装が進まなければ、新しい技術やサービスを提供しようとする事業者は、継続的に活動することができません。結局は、自分たちの生活をちょっとずつかえていくこと。それは、使い手が生み出す営み。どんな小さな変化であったとしても、自分と世界を変える。多くの人々の、無数の小さな新しいものを受け入れる姿勢によって、世界は少しずつ変化していくのかもしれません。(詳しくは下記「神話の研究とセンサーが生み出す新世界」にあります)