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良くわからないけどワクワクする、量子超越性のお話(Nikkei Viewsから)

「ライト兄弟の有人飛行成功に匹敵する偉業」、「第四次産業革命を可能にする技術革新」とも言われるニュースが、先週ありました。グーグルによる「量子超越性(Quantum Supremacy)」の実証成功という発表です。「Nikkei Views」で、この衝撃を解説しています。

何がすごいのか

「超越性」とは超えることです。何を、というとこれまでのスーパーコンピューターでは計算できない問題を量子コンピューターができるようになる、すなわちスパコンの性能を量子コンピューターが超える、と示したところがすごいのです。グーグルは、スーパーコンピュータで約1万年かかる問題を、同社の量子コンピューターは3分20秒で解いたとしています。

ただ、本当の意味で超えたのかというと、そうでもなさそうです。極めて限定的な問題について、超えたと示されただけだったり、その問題についても、グーグルが言うほど差があるわけではない、といった異論が出てきています。また、このニュースが出た後、「現在の暗号が全て量子コンピューターで解かれてしまい、ビットコインの意味がなくなる」「インターネットバンキングなどもすべて使えなくなり、ネット社会が崩壊する」という反応もありましたが、まだそこまでではなさそうです。

開かれた可能性

「Nikkei Views」の記事を書いた編集委員をはじめ、多くの識者が指摘するのは、量子コンピューターの可能性の大きさです。グーグルやIBMも量子コンピューターが将来的にこれまでのコンピューターを性能で上回ることでは意見が一致しています。また、記事では、今後量子コンピューターの開発をめぐって、米中の競争が激しさを増すだろうと予測しています。

未来から振り返った時、我々がリアルタイムで体験したことが、生活を一変させる革命のターニングポイントだったと考えると、ワクワクしませんか?

量子コンピューターの記事ではこちらもどうぞ。

「Nikkei Views」はこちらです。

ところで、ネット上ではこの発表の後、「ヨルムンガンドのような世界が来るのか」といった声がありました。重大なネタバレを含みますので言及はしませんが、気になった方は是非ご覧ください。面白いです。

(デジタル編成ユニットプランナー 二瓶悟)