中国配車サービスDiDiとBYDが共同でEVタクシーの大量生産を開始。未来の北京で日本車は走っているかな
先日の日経新聞の記事「車の価格が1/5になる」はバズってましたね、これに対してのみんなの意見や議論は面白かったです。
記事では、日本電産の会長のコメントで「今後世界的な環境配慮が強まることで電気自動車(EV)が普及し、2030年に自動車の価格は現在の5分の1になるだろう」とのことでした。日本でもEV化は進んでますか?
ご存知のように、中国では先端都市(特に深センはタクシーやバスは既にほぼEV車)ではEV化をどんどん進めているし、2035年からはEV車しか販売しなくなると言われています。このEV車と自動運転は間違いなく大きなトレンドだと思います。
そんななか、先日中国MaaS大手の滴滴(DiDi)が、新エネルギー車企業の比亚迪(BYD)との事業提携を発表 という気になるニュースがありましたのでフィードバックと考察をシェアします。
日本でも報道されていましたが、中国でのことだからか、TwitterやNewsPicksでの議論はたいして盛り上がっていなかったですね。でも車産業に関する大きなニュースで、日本人は注目すべきだと思いました。
内容を簡単にまとめると、DiDiがBYDに配車アプリ専用の完全特注車(もちろん完全EV車)の生産を依頼しました。しかもその契約が面白く、DiDiは車体価格ではなく、営業キロ数でBYDに支払います。
車は配車アプリの運転手さん、乗客のお客さんのニーズに合わせて細かくデザインされてます。すでに一部がリリースされていて、今後2025年までに100万台が走るようになると発表されています。
ちょっと前まではIT大手やベンチャー企業があまりにも自動運転に力を入れてるから、既存の車メーカーがいつか車のOEM企業になるではないかと心配しました。しかし今回のBYDの一連の行動は既存の車メーカーも車生産企業から、サービス提供者に転身しようとしているように見えます。この提携は、ほかの自動車メーカーにも大きく影響するでしょう。
そして今回開発され発表されたEV車「D1」もいろいろ先進的で期待できます。DiDiが主導で共同開発したらしいのですが、普段僕らが利用しているDiDiの配車サービスに最適化された機能やデザインがよく考えられていて、素晴らしい!と思います。
↑まずは車全体のイメージです。(この色は僕の好みではありませんが、目立っていてわかりやすいと思います)
↑片方がスライド式の自動ドアを採用、これは最近の日本のタクシーもそうですかね。乗客はこれで乗りやすくなるし、運転手も操作しやすいです。
(タクシーもそうですが、中国ではこのような定員五人の車は基本的に自動ドアではないです。しかも、タクシーなら自分でドアを閉めますが、高い配車を利用する場合は運転手が降りて反対側まで移動してドアを開けることが決まりになります。もう面倒くさいし危ないから自分でやりますよ、てことがしょっちゅうあります。)
↑もう一つありがたいデザインはちょっとわかりづらいですが、点灯のところです。
↑6色のどれが光っていて、どの色になるかはDiDiアプリ側にも通知がきます。
カーシェアサービスユーザーならピンと来ると思います、これの何が便利かと言いますと、混んでるときはナンバー通知されてもどの車か本当に分かりづらいからです。特に、夜の雨の北京の繁華街とかだと見つけるの至難です。これでだいぶわかりやすくなると思います。
↑後ろには画面の大きい娯楽用のスマート端末や、多種類対応の充電設備などが充実。カラオケまでできるように対応されていると報道されてますが、さすがに歌う気はしないですけど。。
↑車載OSにはDiDiの運転手端末がインストールされていて、ハンドルについてるボタンでも簡単に配車リクエストの応答や予約などの機能が実現できるそうです。
ほかにも、安全的なサービスを提供するため、車内監視カメラや登録されてる運転手と一致するかどうかの顔認証システム、簡単にできる通報機能などがついてます。また、運転手が長時間運転しても疲れにくい仕様に工夫されるそうです。
中国でのライドシェアサービス圧倒的No1のDiDiはこれまでの経験と蓄積した大量のデータを活かして自動運転に取り組んでいましたが、遂には専用のEV車の開発と導入まで始めたということです。
世界的にSDGsの取り組みが注目されているなかで、この自動運転 x EV車 は今後伸びる可能性しかないコンビネーション。どんどんアップデートされていくんだと思います。
車の価格が1/5になるなんて冗談かと思ってましたが、こうした取り組みを見ると、かなりあるなと感じてしまいます。北京で走っている日本車の大半が中国産の車に置き換わる未来が来そうでちょっと不安です。
(参考資料)
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