就職は大企業をおすすめ!組織力学と人間心理を学び事業を動かす力をつけろ
私は大学を卒業して、新卒でリクルートに入社し、18年と3か月勤務した後、40歳でWAmazingを起業しました。
当時は女性で、かつ、40歳で起業って…珍しかったのでしょうか。なんかことさらに年齢を強調したインタビュー記事も出ました。
私には2人の子供がいて、子供が小さいころは、育児と家事と、出張もあるハードな仕事と遠距離通勤(当時、鎌倉ー東京を毎日往復)をこなすのに精いっぱいすぎて、起業なんて選択肢はとても取れそうになったですし、夫からも「会社を辞めちゃダメ」と止められていました。
(当時、夫の仕事はスタートアップだったんで(;'∀')やっぱり安定性などを考えると私に大企業を辞めてほしくなかったんだと思います)
やがて、下の子が小学校に入学し、その当時、もちろんリクルートの仕事も全力投球でやっていましたが、「さ、もう1度、スケーラブルなでっかい事業をつくることを目指して、めっちゃギアいれてみようかな、うん!♪」と思った瞬間が、たまたま40歳だったんです。(31歳と34歳のときに出産したので)
そんな私が、以下のお題に答えて、書いてみたいと思います!
スタートアップ発展は「ネット完結型」から「リアル世界×IT・AI型」へ
日本でもスタートアップ起業がだんだんと、本当に少しずつですがだんだんとメジャーになってきて早数年。
事業の中身にも変化が見られます。
最初は、「インターネットに特化した領域」が多かったと思います。元祖スタートアップの楽天ですとか、DeNA、ミクシィもそうですよね。
でも最近は、ITやAIは使っても、「リアルな既存領域」という市場を取りに来ているスタートアップ企業が増えました。
ちなみにWAmazingも同様です。JTBや日本旅行、近畿日本ツーリスト、HISなど、リアルな大手旅行会社がひしめく業界に「インバウンド×デジタル」で参入しています。
そして、当たり前ですが人間は生身のリアルな生き物です。食べるのも眠るのも移動するのも遊ぶのも旅するのも病気になるのも運動するのも、息するのも死ぬのも、全部リアル!だから、ネットに完結した世界よりも、圧倒的にリアルのほうが市場が大きい、ということなんです。
スタートアップ先進地であるアメリカでも同じ傾向が先んじて登場しています。FacebookやGoogleなどネット完結でメガトン級の成功事例が生まれた後は、AirBnBやUber、WeWorkなど「リアル市場」と絡むスタートアップが大きく成長しました。
(WeWorkは上場を1度断念していますが、AirBnBはコロナ禍中に上場し当時、12兆円ぐらいの時価総額がつきました)
そして、「リアル市場」には既存プレーヤーである大企業群がいます。
つまり、既に日本のスタートアップは、リアル市場の既存大手企業と連携したり協業したりしなければならないフェーズに入っているのです。
大企業は社数でいえば、日本の企業数の1%以下です。しかし…売上では日本企業の売上の約6割を大企業が稼いでいます。ここを無視してリアル巨大市場を動かせないのも、おわかりいただけるかと思います。
つまりこれからのスタートアップ起業に、必要なのは「ヒトと組織を巧みに動かす力」です
これは私が18年3か月、大企業で会社員として勤めながら新規事業をいくつも立ち上げてきた結果、骨身にしみて痛感していることです。大きな組織は、組織として成果を出しているので、スタンドプレー、個人プレーは許されません。組織力学とはどういうものなのか。組織の中で物事を通していくにはどうすればいいのか、を理解することが、非常に重要です。
また、逆のことを言うようですが、組織とは1人1人の個人の集まりなので、個人のモチベーションとも無縁ではいられません。つまり、構成員である1人1人のモチベーションの源泉は何か、どういう動機をくすぐったら動いてくれるのか、という深い人間洞察と人間心理への理解が必要です。
こんな面倒くさいこと、あえて学べません。特に学生からすぐにスタートアップ起業をしたら、学ぶ機会もありません…。
なので、まずは就職は大企業へ。そこで組織を動かし、組織の構成員たる個人が何を考え、何を動機に動くのか観察し実験する機会をつかみましょう。
そして組織の力とは何かをしっかり学びつつ、組織の力ではなく自分の力で仕事をしてみて、染まり切る前に辞める。のがいいのかなと思います。
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