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男は年を取ると「ロマンティックが止まらない」

女優でタレントの菊池桃子さんが一般男性と再婚されたというニュースを見ました。一般男性といっても、どうせありがちな「イケメンで金持ちの実業家なんだろうなあ」と思っていたものですが、実際は経産省エリート官僚だったようで、「ああ、なるほど。経産省のプロジェクトで知りあって、お互い再婚同士なんだろうなあ」と思っていたら、なんとお相手の男性は60歳の初婚でした! 

女優菊池桃子(51)が4日、公式ブログを更新し結婚を発表した。関係者によると相手は経済産業省経済産業政策局長の新原浩朗氏(にいはら・ひろあき=60)。「働き方改革」や「幼児教育無償化」などに取り組み、近い将来の事務次官候補と言われるエリート官僚。交際期間中から2人の子どもの後押しもあり、離婚から約7年半を経て、再婚を決意した。

官庁という旧態依然の環境の中で、独身を貫きながら、ナンバー2の局長の座まで上り詰めたというのはなかなか凄いものがあると思います。途中お見合いの話もたくさんあったろうと思いますし。

勝手な妄想ですが、新原浩朗氏は元アイドルの菊池桃子さんのファンだったのではないか、と思ったりもしています。まあ、ファンでなくても、50過ぎても30代にしか見えない彼女とナマで対面したら、新原氏でなくてもメロメロになってしまうのでしょう。


ところで、経歴を見ると

福岡県出身
東京の海城高校→東大経済学部卒
通商産業省(現経産省)入省
07年 経済産業政策局 産業組織課長
10年 首相秘書官
11年 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長
16年 内閣府政策統括官(経済財政運営担当)を歴任…と。

まさに「上級国民」としての人生です。

ここにもみられるのが、「こと結婚においては、ルックスとかの恋愛力より経済力がモノを言う」ということです。新原氏に関しては、次期次官とのうわさもあり、経済力に加えて権力すらありますから。菊池さんは過去に56歳の元タクシー運転手のストーカーにつきまとわれた事件がありました。

同じアラカンでも元タクシー運転手はストーカー、エリート官僚は結婚できるのです。仕方がありません。それが現実というものです。

このニュースに「俺も元アイドルとのアラカン初婚、ワンチャンあるかも」と期待に胸を膨らませた55歳以上の未婚男性もいるかもしれませんが、なかなか厳しいと思っていただいた方がいいと思います。


ところで、旦那の新原氏が社会人となった1984年時点は、まだ日本が皆婚社会でした。人口動態調査から長期で55歳以上のアラカン世代以上の初婚数の推移を見てみましょう。

あらかん

戦後から1980年代まで年間200件程度、0.1%もありませんでしたが、2006年以降10倍の2000件以上で推移しています。

とはいえ、構成比0.6%ですから、まだまだ1%にも達しない狭き門であることは確かです。

一方でシニア再婚はどうでしょう?

あらかん2

こちらも80年代から比べれば大きく増加していますが、直近ではほぼ頭打ちの状態が続いています。

結婚を少子化対策のひとつとして位置付ける人は、シニア婚に関しては否定的です。たとえ婚姻数が増加しても、新たに子どもを産み育てる可能性が少ないからです。


しかし、結婚とは子育てのためだけにあるものなんでしょうか?

僕は、拙著「超ソロ社会」の中で提言している通り、「人生三分の計」を意識するべきだと思います。生まれてから30歳までの第一期、30歳から定年頃の60歳までの第二期、60歳以上での第三期。

結婚する人は第二期が子育て時期になるでしょうが、だからといって第三期も同じパートナーと死ぬまで一緒にいなければならないという縛りはありません。年老いたからこそ、違うパートナーと暮らしてもいい。そう思います。

また、第一期から第二期まで独身であっても、第三期だけ結婚するという選択があってもいい。もっとも結婚という制度自体に縛られる必要もありません。年老いたからこそ、恋愛や性愛を超越した相互に助け合うパートナーという考え方もあるでしょう。

人生は長い。言い方を変えると、「なかなか死なせてくれない時代」になりました。死ねなくなった時代に一番必要なのは「現実を見る力」だと思います。逆に、もっとも不要なのが「無駄なときめき」です。ロマンティックな心と言い換えてもいいでしょう。

若いうちにロマンを追い求めるのは可愛げがありますが、年老いてそれをやると痛いものです。百歩譲って、夫婦互いにロマンを求めているならいいと思います。しかし、なかなか二人の気持ちがずっと長く継続するとは言えません。

熟年離婚で妻から三行半を突き付けられるタイプの夫とは、定年後になってやたらと妻とのロマンティックを求めたがる夫です。定年後は夫婦二人で離島で暮らそうなんて言い出す夫がまさにそれです。夫にとって、それはロマンでも、妻にとってはウザいものでしかありません。

「行きたきゃ一人で行きな。あたしゃ、東京でこれからの人生、やりたいことが山ほどあるんだ」

そう妻に言われてしまいます。

さてさて、今回の結婚は傍目に見ても新原氏はロマンティックだらけに見えます。その気持ちはよくわかりますが、大丈夫でしょうか。


今回の菊池桃子さんの結婚に際し、甘利氏がこんなツイートをしています。

野蛮人という言葉を久々に見ましたw

悔しさと嫉妬がとまらない感じがよく出ています。

むしろ世の中のアラカン以上のおじいさんたちを一網打尽にロマンティック脳にしてしまう菊池桃子さんの魅力が凄まじいのだと感じます。

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。