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昼間は75秒、夜は45秒…青信号の長さは昼間の方が7割長かったのは、渋滞を避けるための緻密な計算だった件。

こんにちは。新規事業家の守屋実です。

「信号は、青黄赤の点灯を単純に繰り返しているわけじゃない」ってことは知ってはいたのですが、あらためてその複雑な仕組みを知ると、よく考えられてるなぁ、と感心然り。


サイクル、オフセット、スプリットで制御

これ、それぞれ、なにを言っているのか文章だけで説明すると分かりにくくなるので、まずは、日本経済新聞の「くらしの数字考」に掲載されていた図を見てもらうのが良いかもです。

スライド2

「サイクル」は、上図にある通り「青黄赤と変わり再び青になるまでの時間」をサイクルと呼ぶそうです。

このサイクルの工夫としては、「交差点の大きさと交通量に応じてサイクルを変えている」とのことで、これは「この信号長いなぁ」などと感じたことは誰しもあると思いますが、まさにそれです。

そして「スプリット」は、交差する道路のそれぞれの交通量に応じて「1サイクルの長さを変更する」ことだそうです。また、「オフセット」は、同じ道路上に並ぶ信号機が青になるタイミングのずれを指すそうで、青信号に変わる瞬間を少しずつずらすことで、車が連続する交差点で赤信号に引っかかりにくくする工夫のことだそうです。

これまたどちらも、日常の中でなんとなく体感していることなのではないでしょうか。

なんとなくは想像のつくレベルの工夫だとは思うのですが、ただし「どうやって交通量を正確に計測しているのか」であったり、点(1つの交差点)や線(1本の道路)の管理であればともかく、それが面(街全体)にまで発展拡張すると、「全体を最適にする計算」って、かなり複雑な計算になりそうです。

ちなみに、渋滞が発生すると、ボトルネックとなっている部分を見つけ、そこの信号機の青の時間を手動で延ばして交通が流れるようにしたりもしているそうです。


「渋滞学」についても、あわせて知っておきたい

「渋滞学」とは何なのか、で言うと、「渋滞学とは、自らの意志で動くものを研究対象にしている学問」だと言えます。

なので、「サイクル、オフセット、スプリットでの制御」も、渋滞学の一部だったりします。

渋滞学の主な点を抜き出して紹介すると、

・臨界密度以上になると渋滞が発生する
・車間距離が40m以下になると渋滞が発生する
・サグ渋滞がなくなれば、渋滞の大半が解決される
・ブレーキの連鎖を断ち切る吸収車があれば、渋滞の大半が解決される

だったりします。

「サグ渋滞」は、下り坂から上り坂へと変化するあたりで発生する渋滞のことで、渋滞のおおよそ7割が、このサグ部で起きているそうです。

また「吸収車」は、十分に車間距離をとって走行し、交通量が増えてきた時点で速度を抑え、車間を詰めすぎないように走る車のことで、そうすることで、保たれた車間距離が「クッション」の役割を果たし、渋滞の原因となるブレーキの連鎖を回避することが出来るそうです。

「車の混雑時に運転手にできることは、加速・減速・車線変更の3つしかない」、「ドライバーの心理がどんなに複雑でも、現れる行動としては単純化さる」などの肝となる見立てや、その見立てを証明する渋滞吸収運転実験結果などが公表されている「渋滞吸収走行」だそうです。


車の渋滞と仕事の渋滞

これらの考え方は、「車」に限る話ではなく、記事の通り「感染防止と経済両立」の参考にもなりますし、もっと身近なところで言えば、「日々の仕事そのもの」にも応用が利きそうです。

信号機のように、状況に応じて仕事の分量を先んじて調整をおこなったり、吸収車のように、8時間仕事するなら2時間は余裕をもったりする、ということです。

「信号機のような臨機応変さ」と、「渋滞吸収運転車のような基本の徹底」で、渋滞のない、仕事の生産性向上が見込めることは間違いなさそうです。


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