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産学連携、花開かせましょう。

産学連携とは、何か?

 以下の「花開くか、産学連携支援ビジネス」の記事は、本当に良い取り組みだ。

 私自身は、産学連携を、数学という領域で、アカデミアと民間企業の両方の所属することで行ってきました。そして、この産学連携は、実に多くの大学で行われているにも関わらず、民間企業側の支援や活動があまりないと感じてきました。

 結果、多くの大学などの研究機関は、産学連携を行いたいと思っている民間企業の方と会う機会が、あまり増えていないのです。この活動は、その産業界と大学などの研究機関との出会いを促進させてくれそうです。

 ところで、「産学連携」とは、そもそも何でしょうか?日本の民間企業の研究機関は、非常に優秀で、予算も潤沢にあるのですが、かなり閉鎖的です。そして、その結果、研究内容も企業の中では、成長していますが、一般的な研究の進展を、あまりキャッチアップできていません。

 近年の諸科学での進化は、その科学領域も複数が組み合わさったものが多いです。生物とコンピューティングや、数学と化学など、複数の研究テーマが組み合わさったところに、多くの研究成果が出ています。

 民間企業の研究所は、目的がその企業の製品やサービスの開発や進化のために存在しており、このように複数領域の研究までは、フォローできていないのが実態でしょう。また、このような複数領域の融合の研究の方法も未着手なのです。

 大学は、自由な研究を進めることが可能な組織で、昔から研究の境界線を緩く決めてきました。結果、複数の領域にまたがる研究の実績もあり、このような背景から、民間企業と一緒に研究する価値が、企業にも生まれてきたのです。

長期の産学連携スキームも民間に考えてもらいたい

 「花開くか、産学連携支援ビジネス」の記事にある、取り組みはとても良いものです。しかし、もう少し進んで、もっと長期の産学連携も民間に考えてほしいのです。

 ずばり、「社会人の大学へ復帰」です。以前、景気が良かった頃は、民間の研究所でも大学の留学や、大学の授業に通う仕組みがありました。しかし、バブル崩壊後、このような取り組みは大変減ったように感じます。

 景気に左右されることなく、将来の企業の研究所の価値向上のために、「社会人の大学への復帰」プログラムを考えてみても良い時期ではないでしょうか。良い研究、科学の発展に、「人」の存在は欠かせません。研究予算の中に「人」の教育をもっときちんと盛り込み、最先端の大学の研究に取り組める、社会人をもっと増やすことを、次に考えてみても良いのではないでしょうか。


#COMEMO #NIKKEI

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本間 充(アウトブレイン顧問/アビームコンサルティング顧問)

1992年に花王に入社。デジタル・マーケティングをリード。現在は、コンサルタントとして企業のマーケティングのデジタル化を支援。ビジネスブレークスルー大学の講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授、事業構想大学院大学 客員教授。著作として「シングル&シンプルマーケティング」

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