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会社を10年以上経営していると、日々、承認欲求との戦い、と感じることが多い。承認欲求の定義を検索すると、「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という願望であり、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれるそうだ。

そもそも承認欲求がない人もたくさんいるとは思うのだが、経営者をするような人だと、ある一定の承認欲求がある人が多いのではないか。経営者に限らず、最近はインフルエンサーという言葉が流行している通り、この承認欲求もバブルの状態で、SNSの投稿ももはや何が本当で何が嘘なのか、分からないような状態になってきている。

今日は、その承認欲求が事あるごとに事業を邪魔する、という話をしたい。

経営者自身のメディア露出もそうかもしれない。

例えば、起業初期、見栄や焦りから自分を膨張して見せようと、SNSやプレスリリースやメディアへの出演でうまくいってます、充実しています、という感じのアピールをしたがる人はいる。(自分自身もそうだったかもしれないし、振り返ると無駄な時間を使ってしまった、と反省している。)

結局のところ、中身がないと、すぐに化けの皮が剥がれる。 地道に顧客価値を高め、より良い会社、より良い製品、サービスを創るのに集中するに尽きるが、承認欲求が邪魔すると、無駄な時間を使ってしまいがちだ。本来、自社の製品、サービスを売り込まないといけないのに関わらず、経営者が自分自身をPRしているように感じることも多々ある。

広告宣伝費なども余裕が出てくると、効果は薄いけど、周りからすごいと思われるようなかっこいいと思われるような、そしてプレスリリース映えのするようなものを選ぶ誘惑に襲われる。何かをスポンサーするとか芸能人を無駄に起用して余分なコストを使ってしまうとか、大して中身のない、事業へのインパクトがない業務提携のプレスリリースを出して、SNSでいいねを集めたり、すごいですね、おめでとうございます、と言われて気持ちよくなったり。(自社に関して言うと、もうプレスリリースを出すのをやめよう、ということになり、プレスリリースが社内ルールで禁止になった。)

交渉においてもそうかもしれない。体裁とか自分がどう見られたい、という気持ちが先行してくると、ゴリゴリ相手が嫌がるような交渉ができなくなるかもしれない。会社の利益より、自分が良く見られることや相手との関係性を優先するようになるかもしれない。

経費の使い方もそうかもしれない。奢る必要のないものを奢ってかっこつける誘惑に駆られたりもするかもしれない。

前に以下のような投稿をXでしたら反応が良かった。


承認欲求を我慢する、心を強くすることが、利益率に影響してくるのではないか、という話だ。

自戒も込めてだが、特に起業家はビジョンをもって創業しているわけなので、そのビジョンの実現に向けて、心を強くもって、本質的に、会社の業績を拡大してくれるところに、お金も時間も使っていきたいところだ。

SNSでの大量の本当か嘘かも分からないような充実した投稿も流れてくる昨今、そういうものには流されずに、本質を見極め、自分の人生にとっても、何が本当に大切なことで、何が自分たちの未来を創っていくのか、流されずに、ブレずに日々意義のあるところに目を向けていきたい。



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