「人見知り」が成功するためのシゴト術
あなたは「人見知り」をする人だろうか。
あなたは誰かが「人見知り」をしてしまうことをどう考えるだろうか。
「人見知り」は内向的な人の象徴現象なのだろうか。
「人見知り」は社会生活において弱点でしかないのだろうか。
そしてもう一度問う。
あなたは「人見知り」をする人だろうか。いや、したことがあるだろうか。
今回の記事はそんな「人見知り」という習性とビジネスマインドの合流点を探っていく旅のようなものだ。
「人見知り=社会に適合しにくい」という観点を私は持っていない。
むしろ「人見知り」こそが成功していくストーリーを私は何度も実体験している。
この記事は「人見知り」と「ビジネスとしての成功」を結びつけるマインドジャーニーだ。何も卑下することはない。人見知りは個性であり能力でもあるのだ。
さあ、世の中の「人見知り族」の皆さん、マインドジャーニーの旅へ。
ポップコーンの準備はいいですか?
「人見知り」のメカニズム。
私は小さい頃から「人見知りなんてしない方がいい」と思ってきた。
「人見知り」が良くないことだと教えられてきたわけではない。ただ人見知りするタイプはクラスの中でも比較的”大人しいグループ”にいたし、およそ”人見知りしなさそうなタイプ”がクラスの中心にいたように思えたからだ。
だからその頃の私は、”人見知り”を性格とか性質のようなものだと感じていた。ただ学生の頃までは「人見知り=おとなしい」という印象しかなかったのは事実だ。そして斯く言う私も、俗にいう「人見知りタイプ」だった。
いや、「だった」と言ったがそれは間違い。今だって立派な「人見知りおじさん」だ。
さて、「人見知り」というのはいったい何なのか という話をしたいのだが、そこについては私は専門家ではないので自ら充足した知識になってしまうことを先に言っておくとする。
「人見知り」というのは、コンプレックスや自信のなさなどの精神的な引け目によって起こる行動抑制現象だと専門家は言っている。
つまり、他人とコミュニケーションをとろうとする瞬間に「嫌がられたらどうしよう」とか「自分に声をかけられたら相手はきっと嫌だろう」などと先に考えてしまうから引っ込んでしまうのだと。
または、自分のコンプレックスを「知られてしまうのではないか」「そこをクローズアップして見られるのではないか」と”先に”思ってしまうからできなくなるのだと。
一方、「人見知りをしない人」はそんなことは考えない。相手と接点を持った後で”これからコミュニケーションを深めるかどうか”を決めていくことができる。
つまり「相手がどう思うかなんて、話しかける前に考えたことないよ」と。それが「人見知りをしない人たち」の思考だ。
たったそれだけの違いで「積極的な人」か「陰キャラか」が結果付いてしまうことがある。結果というのは行動したことにしか付いてこないわけだから、いかにこの「人見知り性」というものが生活や人生に影響を及ぼしているのかがわかってくる。
「人見知り」はあなたの欠点か。
私は長らくビジネスの世界にいて、数多くの「人見知り族」を見てきた。
彼らは社会に出ても幼少期のように「引っ込んでいる」のか、と言ったら決してそうではない場合も多い。それにはもちろん彼らひとりひとりの努力もある。なんとか克服しようと意識的な積極性を出していくこともあるし、仕事だから仕方ないと無理をすることもあるだろう。
なぜそこまで無理をしてストレスを感じながらも「人見知りを克服」しようとするのか。そこには「人見知りは自分の弱点だ」「それによって自分は損をしている」という心理が見え隠れする。
果たして人見知りは「欠点なのか」。
実は私はそうは思っていない。これは数多くの「人見知りさん」と一緒に仕事をしてきて確信している部分だ。むしろ「人見知りという習性は強みにもなり得る」。そう思えてならない。そうとしか思えない。
「強み」と言ってもピンとこないならこう言おう。
「人見知り」というのは”能力”なのだと。人見知りというスキルを今までの人生を使って身に付けたのだと。勉強だけでは得られない能力を あなたは持っているのだと。
私はそれを世の中の「人見知り族」に伝えたいのだ。
「対人感受性」という”スキル”。
皆さんは「対人感受性」という特性を知っているだろうか。
「対人感受性」とは、自分の行動や言動に対して 自分以外の人がどう感じるかということへの感度のことをいう。つまり対人感受性が高い人は、自分がしたことや言ったことに対して相手がどう感じるかに敏感だということだ。
例えば、仲間同士の会話の中で AさんがBさんに「キミの故郷はどこ?」と聞いたとしよう。その瞬間に聞かれたBさんが一瞬目を伏せてごまかし気味に「き、北の方です」と返したとする。
そんなそぶりを見て”対人感受性の高い人”は「詳しく言いたくないんだな」と瞬時に気付き、「そっか。故郷っていいよね」と言いながら機転を利かせて別の話に切り替えることができるわけだ。
一方、対人感受性の低い人は、言いたくないという相手の感情に気付かない。なぜならば「相手がどう感じたか」には関心がないからだ。
「えっ北の方って??どこ?北海道?東北? 北海道って魚が美味いよね〜」と話を広げてしまうことすらある。
「対人感受性」というのは人の感覚的な習性だ。対人感受性が高ければよくて低ければよくないという話でもない。優劣ではないのだ。
対人感受性は人の習性。言い換えれば個性のようなものだ。個性はどれも素晴らしいし、人と自分が異なっているという証明そのものだ。
ただ人や組織とのコミュニケーションという観点においては有利に傾くことも不利に傾くこともある。だから正しく理解して、その習性を正しいところで発揮する必要がある。
私はこの「対人感受性」は「人見知り」とイコールだと思っている。「相手がどう思うのかに敏感」な人が「対人感受性が高い人」ということであれば、それを先に考えてしまってコミットできない「人見知り」と同等だ。それならば「対人感受性=人見知り性」と言い換えることもできるだろう。
これらは人の性質・習性だとずっと言ってきたが、こと仕事において考えると「能力」にもなるし「弱点」にもなり得る。つまり対人感受性は、ビジネスにおいてはスキル化するということだ。
その能力を活かすための考え方。
ここからは「対人感受性」ではなくて「人見知り」として書いていこう。
人見知りをしないタイプの人(対人感受性の低い人)は相手(見込み客)がどう感じるかということへの感度が高くなく、自分がどうアプローチするかの方に意識を強く持っている。
したがって、そういう人は訪問型営業やネットワークビジネスなどに適している。なぜならば押し切ることができるし「自分にとっていいんだから相手にとってもいいに決まってる」というスタンスを持てるのだ。だから結果として押し切ることができる。
反対に「人見知りする人(対人感受性が高い人)」が例えばネットワークビジネスに手を出したらどうなるか。
それはほぼうまくいかないケースが多い。どうしてかというと「相手のことを先に考えてしまう」からだ。「相手がどういうタイプで この話をどう思うか」なんてことを考えただけで成果は出ない。例え成約できたとしても罪悪感に苛まれることだろう。そして結局出ない成果に押しつぶされてしまう。
ここで何が言いたいかというと、
人見知り(対人感受性が高い)な人が仕事を通じてその習性を「能力化」させるためには、それを活かせる仕事を選択すべきだということだ。
セールスのような押し切り型の仕事ではその能力は「弱点化」する。
人見知り族にはその特性を「能力化できる」仕事があるのだ。
セールスは「攻める」べきか。
対人感受性が高い人。つまり「人見知り族」のことだが、彼らには「人の反応に敏感」だという特徴がある。そのことをまず覚えておいてほしい。
さて、
どんなビジネスも結局は「売れる」という結果がなければ継続してはいけない。それは今も昔も変わっていない。不変の定義だ。
しかしインターネットが主流になった現代のビジネスにおいては「売れる」という結果を得るための行動が大きく変わった。「売れること」自体が重要だということは今も昔も変わらないけど、その結果を出すための手法が変わった。それは間違いない。
例えば「セールス」という仕事を考えてみよう。IT革命以前のセールスは「攻めのセールス」が結果を出すために必要だった。とにかくテレアポしたり訪問したり郵便のDMやチラシを半径10km圏内に打ちまくったりしたわけだ。まるで繁華街のキャッチみたいなものだ。まさに下手な鉄砲も数打ちゃ当たる方式。それが普通の「攻めるセールスのカタチ」だった。
そこで引っ掛かった数名の見込み客に「押し切り型のセールスパーソン」がやってきてまさに「売り込む(クロージングする)」わけだ。
今でも売れるセールスパーソンのイメージはそういう「押し切れる人」を想像する人も多い。まさに「人見知りしない人=仕事ができる人」という構図だったのだ。
しかし現代はどうだろう。「売り込み型のセールス」は即座にブロックされる。買い手は複数の同等品や別メーカー・別店舗との比較をした上で、自分の意志で購入するかどうかを、誰に押し切られること無く決めることができる。
郵便のチラシやDMが、例えメルマガに変わったとしても「売り込み型のメルマガ」をじっくり読もうとする人は少ない。時代はもう「売り込みの時代じゃない」。「うちの商品は素晴らしいんですよ!買うべきですよ!」といくら声を大にして叫んでも誰も振り向かない。顧客は売り手の自慢に飽き飽きしている。セールスされなくても自分の意志で貴重なお金を使おうとしている。
時代はすでに変わったのだ。そして今こそ、「人見知り族」がその能力を発揮する時代がきたのだ。
現代の「売れる」に必要なもの。
この答えはひとつではないと私は思っている。しかしそれでも重要度を考えると「ベネフィットを言葉にして伝えるチカラ」が最も必要だと言っておきたい。
ベネフィットを私はいつも「それを買ったらその人に訪れるイイコト」と言っている。人は機能や性能を買うのではなく、それを買った後に自分にやってくる素敵な未来を想像するから買うという考え方だ。
ダイエットを例にしてみよう。
お客様は「ダイエットすることにお金を払う」のではなくて「ダイエットに成功した後で彼に言われる嬉しいひと言」にワクワクするから買うのだ。自分が日本で有数の優秀なパーソナルトレーナーであるということをこんこんと説明するよりも、一緒に「成功した未来」と「まだ始めていない今」を線でつないで素敵な未来をイメージさせることが重要なのだ。
人はベネフィットをイメージできるから「買いたい」という動機を抱く。まさにそれが現代のセールスのスタンス。
「売ろう売ろうとする」のではなく「見付けてもらう」。
「売ろう売ろうとする」のではなく「買った後の未来を想像してもらう」
それを言葉にして伝えることが、今の時代のセールスなのだと思うわけです。
あなたがもし対人感受性が高いのに「売ろう売ろう」としてしまっているなら、今すぐにでも「売ろう売ろう」とすることをやめて、まずあなたの商品やサービスの「ベネフィット」を考えよう。
相手がどう思うかということに対する感度が高いあなたが その自分の商品を客観的(顧客目線で)に見つめる。そして自分自身に問うのだ。
「自分だったらこの商品(サービス)を買うかどうか」
ベネフィットは客観的に見れないと考えれないもの。
自分の商品はどうしても「主観」で見てしまいがちだから それを顧客目線で見ることが必要になる。
そしてベネフィットを創りだすために必要な能力は「人見知り族」が持っている。
相手がどう思うかに敏感な「人見知りさん」だからこそベネフィットを伝えることができる。それが、その能力が現代のビジネスにどれだけ大きいことか。私は身を持って知っているのです。
ベネフィットが生み出すもの。
私は”対人感受性の高さ”が今の時代のビジネスに必要不可欠だと思っている。なぜならば、ECにしてもwebコンテンツにしても何にしても
直接お客を目の前にして売ろうとするのではなく、
「見付けてもらうこと」が重要だと思っているから。
今 SNSで「売り込み」をしたらどうなりますか?
みんな離れていきます。フォロワーがセールスしてきたら不快に思うのが普通だ。
しかしSNSで売れる人もいる。
その人と「人が離れていく人」は何が違うのか。
それを「買いたいと思ってくれた人」が「見付けてくれた」からいいのだ。その人の意志であなたの商品を「買いたい」と思ってくれたから売れるのだ。
「買って!」と言うのではなく、
相手から「欲しい」と思っていただく。
その違い。
↓ これらは「買って!」と言っているのと同じだ。
それらはこちらからの「売り込み」です。繁華街のキャッチと同じです。
それを買った後でその人に訪れるイイコト。(ベネフィット)
それは対人感受性の高い人のなせる技。
そしてそれは、これからのビジネスにとって
とてもとても重要な、「成功への鍵」みたいなものなのだ。
「さあ、ベネフィットは何か、見付けだそう。」
※「ベネフィット」関連で面白い記事だったので紹介します。