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こんにちは、めがねシャチョウです。
最近はコロナウイルスの影響で外出できず、比較的時間を持て余している方も多いんではないでしょうか。
そんな時、ネットフリックス、ついつい見てしまいますよね。
以下の記事を見て、ネットフリックスについて調べてみました。


1997年に創業した際には単なるオンラインでのビデオレンタル屋だったネットフリックスが、どうやってこれほどまでに大きくなったのでしょうか。

皆さんオンラインのビデオレンタル屋だったってこと知ってます?

今日はそのネットフリックスをなぜ人々は見てしまうのか、その秘密を紹介したいと思います。

最近話題になった「全裸監督」や「テラスハウス」、海外の作品だと「ストレンジャーシングス」などを見たことがある人も多いと思います。

めがねシャチョウも「テラスハウス」が好きでよく見ています。
これらの全ての作品って、実はネットフリックスでしか見られない、オリジナルの作品なんです。


ドラマだけでなく、映画もすごいです。
2019年のアカデミー作品賞は「パラサイト 半地下の家族」でした。
受賞には至りませんでしたが、アカデミー作品賞にノミネートされていた「アイリッシュマン」や「マリッジ・ストーリー」
という作品を聴いたことある方も多いと思います。

なんとこの2作品もネットフリックスが制作した映画なんですね。
ノミネートされた9作品のうち2作品がネットフリックス制作なので、もはや単なる動画サイトではなく、自分たちで作ってしまっているのですね。

実は、ネットフリックスは2019年にコンテンツ取得のために約1.6兆円の金額を一年で費やしているんです。

ある金融機関によると、今年はさらに増加し約1.8億円までになると推算されています。このうち、既存のコンテンツ取得とオリジナルコンテンツ制作に半分ずつ費やしているようです。

これって、例えば日本の民放キー局である、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京の五社
の番組制作費合計が4000億円と考えると、その4倍くらいの金額なんですね。

めちゃくちゃ金を使っています。

では、ネットフリックスがオリジナルコンテンツにこれほどまで力を入れるのは何故なのでしょうか?

まず、コンテンツ製作者からのコンテンツ購入費用が年々増加しているからです。

コンテンツって、一度儲かるとさらに儲かるような構造をしています。作品を見た人々が「これ面白い」と言って話題になれば、より多くの人が見たいと思いますよね。

シリーズものやキャラクターものの映画って、一度ヒットしたら次回作もある程度の成功が見込めますから、コンテンツ制作側としたらオイシイわけです。

こう言ったようにコンテンツがヒットビジネスとなると、良いコンテンツを持った制作会社が大きな力を持つことになります。

なので、ネットフリックスがヒットコンテンツを配信したい!と思った際に、多額の契約金が取られるわけです。

それに加えて、現在は従来のケーブルテレビなどのメディアに加えて、アマゾンプライムビデオやHuluなどの他のサービスも出てきて競争が激化していますから、コンテンツ制作会社が売り手市場になっていることもコンテンツ取得コストが高くなっている原因の一つです。

また、オリジナルコンテンツを制作しなければ、アマゾンプライムビデオなどのプラットフォーマーとサービス内容を差別化しにくくなっている面もあります。

加えて、ディズニーなどのコンテンツ制作会社は自社のプラットフォームを持ちはじめたことで、強力なコンテンツを囲い込もうとしています。

ちょうど先日、ネットフリックスのような映像配信サービスである、「Disneyプラス」が今年6月に日本上陸すると発表されました。

ディズニーは非常に魅力的なコンテンツを持っておりますし、現にネットフリックスの大きなライバルとなっています。

もしネットフリックスがオリジナルコンテンツを持っていなかったら、人気のコンテンツがなくなり経営が行き詰まるリスクもあります。

さて、「テラスハウス」や「あいのり」のように、全く新しいコンテンツだけでなくて、版元であるテレビ局とネットフリックスが協力して続編を作るパターンも出てきています。

テレビ局はネットフリックスの資金を使って制作できる一方で、ネットフリックス側もすでに人気の保証されているタイトルを得ることができます。

特に、「テラスハウス」などは日本に非常にローカライズされたコンテンツだと思います。

世界でヒットした超大作が日本ではそれほどヒットしない、という状況はよくあります。

言語やカルチャーの違いなのかもしれませんが、そういう中で着実と日本の登録者数を増やすためには、「テラスハウス」のようなローカルで確実に成功するコンテンツが必要です。

ネットフリックスは日本以外にもブラジルなど、世界中でローカライズされたコンテンツ制作に力を入れています。
これはハリウッド映画からの大きな差別化となっています。

さて、ネットフリックスはこれほどの大金をどうやって入手しているのでしょうか?

ネットフリックスは度々社債を発行することで莫大な資金を調達しています。つまり借金をしています。

この3年間でなんと1兆円もの借り入れをしています。
4月に入ってからも、債券を通じて1000億円程度の資金調達をしています。
こんなに借金をして大丈夫かと思いますが、逆に、これほど借金をしても更にお金を借りられるところにネットフリックスの強さがあると見ることもできます。

お金を借りれば借りるほどコンテンツ制作に力を入れることができ、それが他の企業からの参入障壁になります。

こういった動画配信サービスにとって、今やオリジナルコンテンツは必ず必要であり、新たなコンテンツを作り続けることを考えると、コンテンツ制作費用はほとんど固定費と言えるかもしれません。

これほど高い固定費が掛かるのであれば、ビジネスに新規参入したがる企業も少なくなると言えそうです。

実は、ネットフリックスと同じようにレンタルビデオ事業を営んでいる蔦屋書店も自社コンテンツを充実させる戦略をしています。
例えば「美術手帖」の出版社や、かつてはスタジオジブリを抱えていた「徳間書店」をここ5年で買収しています。

必ずしも経営がうまくいっている訳ではない出版社ですが、蔦屋書店が買収することで、出版社のコンテンツ企画力を店舗に活かせます。

また、ユニクロの戦略と同様に、小売店が製造業までを手中に収めることで顧客のニーズをいち早く察知して商品開発に活かせたり、中間のコストを省いたりすることができます。

ただ、店舗型ビデオ店の経営はなかなか難しいでしょう。
アメリカの例ですが、全米各地に展開していたレンタルビデオ店大手のブロックバスターが2010年に倒産しており、この原因はネットフリックスなどのインターネット動画サービスが原因だと言われています。

動画プラットフォーム各社がしのぎを削る中、ツタヤは今後どうやって成長していくのでしょうか。

ところで、最近テレビを買った人は、リモコンにネットフリックスのボタンが付いているのを見たことないですか?

実はこれもネットフリックスの大きな戦略なのです。

テレビのリモコンなのですが、ネットフリックスのボタンはチャンネルボタンよりも大きいですよね。これって、今のネットフリックスのライバルがテレビでもあるという証拠なのです。

この場所に専用ボタンを作りたいネットフリックスは、戦略を考えました。
どうやってこのめちゃくちゃ良いボタンをゲットできたと思いますか?
ちょっと考えてみてください。

実は、テレビのメーカーに対して、ネットフリックスがリモコン製造費の10%を負担する代わりに、リモコンにネットフリックスボタンを入れ込んでくれと交渉したのです。

テレビメーカーは一円でもコストを削減したいですから、この要求を受け入れました。
さらに、「ネットフリックス推奨」マークを作ることで、テレビメーカーはテレビがハイテクだということもアピールできたんですね。

お互いwin-winの取引だったわけです。

リモコン製造費はネットフリックスの広告費と比べてもそんなに高くはないですから、ネットフリックスはとても低いコストで膨大な顧客に対するチャネルを獲得できたんですね。

日本のネット対応テレビの売り上げはだいたい200万台ですから、これほど多くの潜在的な顧客にネットフリックスを宣伝できたのは素晴らしいですね。


ネットフリックスを開くとオススメ動画がたくさん表示されますよね。どれも面白そうなので、ついついみてしまいます。

このオススメ動画を表示する仕組みのことを、レコメンデーションアルゴリズムと言います。

これがとても優秀なんですね。

ネットフリックスは、昔からこのアルゴリズムをめちゃくちゃ頑張って開発してきました。

例えば、いくつかのアルゴリズムによって導き出されたオススメ動画を交互に表示しておいて、どっちのアルゴリズムの方がクリック率が高いか、というデータをひたすら取っています。

2006年には、「NETFLIX PRIZE」というコンテストを開催しました。これはアルゴリズムの性能を向上させた参加者に100万ドルを支払う、というかなり太っ腹なコンテストでした。

ネットフリックスは2015年に日本に上陸したのでご存知ない方も多いと思いますが、最初はオンラインでのレンタルビデオ店としてビジネスをスタートしました。

そこで問題になったのが、新しい話題作ばかりレンタルされ、古い作品の在庫を大量に抱えてしまったことでした。

そこで行なった施策は、ユーザーの視聴履歴を基にしたレコメンデーション機能を充実させ、古い作品を発掘してもらうことでした。

ユーザーは自分が好きな作品を効率よく知ることができますし、ネットフリックスは在庫の回転を改善することができ、お互いにwin-winの施策でした。

こうした歴史があり、ネットフリックスはユーザーの視聴データ蓄積を非常に大切にしています。

こうやってデータを蓄積しておくことで、ユーザーの満足度を高めるだけでなく、新たなオリジナルコンテンツを制作する際にも役立っています。

例えば映画館で映画をみる場合って、その人が他にどういう映画を見てきたかとか、どういう属性の人なのかって映画館側にはわかりませんよね。
ネットフリックスは動画配信サービスというプラットフォームを抑えることで、他の映像制作会社と比べて圧倒的なデータを駆使でき、統計的に確実にヒットするようなコンテンツを作ることができるのです。

こうやって、複数のプランを作り、それぞれの効果を実験的に比較・検証する手法は「A/Bテスト」と呼ばれたりします。
よくWEBマーケティングの世界で行われている手法ですが、有名な成功例として、2008年のアメリカ大統領選で、オバマ元大統領が行なったものがあります。

オバマ氏はWEBサイト上での支援者獲得の際に、様々な画像やボタンをA/Bテストし、結果的に当初の案よりも6000万ドルも多く収益を上げました。

一方、ネットフリックスも、レコメンデーションのアルゴリズムだけではなく、新規登録ボタンにもこのABテストを行なっています。
私も何度か再読み込みしてみましたが、
「料金を確認する」や「メンバー登録する」、「今すぐ登録」など、様々なボタンが表示されました。

視聴者の皆様も試しにネットフリックスのウェブサイトを見てみてください。上で紹介しなかったボタンが出現するかもしれません。
こうしたA/Bテストを行うことで、どのボタンが最も効果的に新規登録者を増やせたか、常にデータを集めています。

ちなみに、YouTubeもネットフリックスと同じように、とても性能の良いレコメンデーションアルゴリズムを使用しています。

もし、YouTubeでたまたまこの動画を見ている貴方は、YouTubeが科学的に分析をした結果、あなたが興味ありそうだと判断して画面に表示させたはずです。

ネタですけど、実はスタンフォード大学に留学中に授業にネットフリックスの創業者はゲストで来てるんだよね。2010年とか2011年とかだから今ほど、有名になってないときで、当時はレンタルから今のデジタルのストリーミングサービスに移行しようとしていた時で、まだまだこれから、という感じだったね。

さて、ネットフリックスの2020年4月の決算発表では、コロナウイルス のstay home需要もあり、2020年第一四半期で会員数が1577万人増加し、予想の2倍以上をマークしました。

全登録者数は世界で1.8億人にも上ります。

今後もさらに登録者数が増えるとともに、莫大な視聴データを用いることで、さらに面白い作品が増えていくことでしょう。楽しみですね。



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