日照不足で景気も曇る可能性
7月に入って記録的冷夏が続いています。冷夏が長期化すると、日本では経験則的に個人消費の悪影響が及びやすく、市場関係者の間では景気への悪影響を懸念する声が聞かれはじめています。
実際、近年でも消費税率引き上げとエルニーニョによる天候不順の影響により、2014年の7-9月期の経済成長率がマイナス成長となり、政府が2015年10月に予定していた消費税率の引き上げを先送りした経緯がありまる。こうしたことからすれば、今夏の天候不順が長引けば日本経済に思わぬダメージを与える可能性があります。
93年と2003年の冷夏の経験から、外出の抑制を通じて「教養娯楽」や交際費などの「諸雑費」といった支出に悪影響を及ぼします。また、夏物衣料の影響を受ける「被服及び履物」や冷房器具の利用に関連した「光熱・水道費」、ビールや清涼飲料等の消費の影響を受ける「食料」といった季節性の高い品目に関する支出を押し下げます。
特に足元の個人消費に関しては、値上げラッシュや働き方改革に伴う収入減などの影響により消費者心理は大きく低下していますが、消費増税前の駆け込み需要に伴い、夏場にかけて一時的に回復するとみられています。しかし、今後の個人消費の動向を見通す上では、冷夏の長期化といったリスク要因が潜んでいることには注意が必要でしょう。
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