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5G技術の興味を持つきっかけとしてのファーウェイ「包囲網」を巡る状況

昨日2月25日にスペインで開幕した世界最大級の携帯見本市「MWC19バルセロナ」をきっかけに、世界第2のモバイルメーカー、ファーウェイ、そして世界中で進む5Gの導入についての報道が数多くなされています。

昨年の12月にファーウェイCFOがカナダで逮捕されたことで、アメリカによる安全保障上の理由からのファーウェイ包囲網という視点にも注目が集まる中、ファーウェイ創業者、任正非CEOによる極めて稀なメディアへのインタビューも行われて、その考えが伝えられています(米国CBS、英BBC、中国メディア向け(現代ビジネス))。知れば知るほど5Gがもたらす安全保障上の重要性、リスク、同時に通信コミュニケーションの新たな発展段階としての5G技術がもたらす可能性に驚きます。更にファーウェイという会社の成長力、影響力に驚かされるばかりです。

その中で「確かに」と思ったのが、CBSのインタビューに答えて語っている以下の点です。

「まず第一に、トランプ政権に感謝したいと思います。...5Gは一般の人々には知られていませんでしたが、(トランプ大統領やペンス副大統領、ポンペイオ国務長官ら)影響力のある人物が5G技術について取り上げることで、我々の影響力は高まり、より多くの契約を獲得しています。」

国内でも既にワイドショーなどでもファーウェイについて紹介されているので認知度は高まりつつあると思いますが、世界の「5G」基地局のシェアにおいてアジア太平洋では3割、欧州・中東・アフリカでは4割を超えていて、5Gが本格実装に向けて最先端を走っている様子も今回改めて知り、驚きを隠せません。つい家電量販店に立ち寄ってファーウェイの携帯を見比べながら、iPhoneにできそうな機能を全て持ちながら価格は半額以下、という点に改めて驚きです。

スマートフォン(スマホ)出荷台数が2億5千万~2億6千万台になる見込みだと明らかにした。18年実績の約2億台から2~3割増える。米国などで同社の通信機器を排除する動きがあるが、スマホ販売は欧州や中国で伸びており19年も好調が続くとみている。
米IDCによると、ファーウェイのスマホの世界シェアは18年に14.7%で3位。2位の米アップル(14.9%)とほぼ並び、首位の韓国サムスン電子(20.8%)を追う立場にある。2月26日:日経電子版より

NYTimeのポッドキャストでも安全保障の観点からファーウェイの脅威について述べられています。米中のサイバーセキュリティ戦争の可能性が語られていて、インターネットにより西と東に分断される社会の中で、東西の分断されたインターネットを妨げる、現代版の「新しいベルリンの壁」が生まれつつある状況に関して、詳細に描かれています。

モバイル・ワールド・コングレスを通じてまだまだファーウェイ、5G技術に関しての報道がされると思います。米国のファーウェイ包囲網の動きによって、少なくとも自分にとっては「5G技術の持つ可能性」、「新しいベルリンの壁」を知る大きなきっかけになりました。折に触れて注目していきたいと思います。


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市川裕康 (メディアコンサルタント)
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