7億人のスマホ行動履歴が日々蓄積される人工知能大国、中国
今朝の日経新聞朝刊のThe Economistの翻訳記事、『AI大国をめざす中国の脅威』を読むことで知らなかった気づきがたくさんあったので備忘録的に書き留めてみます。
①2030年には産業規模を1兆元(約16兆4300億円)に
中国が人工知能の分野で既に大きな影響力を持っていることに改めて驚きでした。先日7月20日には『2030年までにAIの分野では世界をリードする大国になることを目指す開発戦略を発表した。』そうです。また、ニューヨーク・タイムズの報道によると、「30年には国内の産業規模を1兆元(約16兆4300億円)に引き上げ、世界トップとなる戦略を進めている」とのこと。この発表、あまり日本国内では大きく報道されてないように感じます(以下NYTの記事と日本語での抄訳記事(Record China)の記事をリンクしておきました)。
②中国における人工知能が更なる進化を見せる予兆
・巨大な人口、スマホユーザー("サウジアラビアの石油"に匹敵するようなデータ量)
・7.3億人のスマホ・ユーザー
・14億人近い人口がもたらすデータ(自転車のライドシェア、音声入力データ、ニュース閲覧データ(毎日1億人が使用するニュースアプリ〜Toutiao(今日頭条))、医療データなど)
・アリペイ、WechatPayなどのモバイル決済の広い浸透率
・増大する特許数、論文数
・データサイエンティスト、エンジニア人材
・資金(2012年〜2016年で中国の人工知能関連企業の調達額は26億ドル、同時期の米国企業は179億ドル)
・国としての明確なAI支援のための政策
③国家による恣意的なAI活用のリスク&倫理と安全性
あまりに国家の力が強いが故に、国民監視、軍事・スパイなどの分野での活用は当然ながら懸念点としてあげられると同時に、国際的な枠組みの中での倫理と安全を巡る問題も大きな不安を抱かせる、ということを強く感じるレポートでした。
関連記事も以下リンクとして共有しておきます。 "The algorithm kingdom / China may match or beat America in AI"(The Economist 7/15)は、今回の記事の前週に掲載された記事ですが、より詳細に描かれています)
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19497830R00C17A8TCR000/
http://www.recordchina.co.jp/b185287-s0-c20.html
https://www.nytimes.com/reuters/2017/07/20/technology/20reuters-china-ai.html?_r=0